環境保全対策特別委員会
今日は環境保全対策特別委員会が開かれました。事前に市当局から配布された、18年度の市が行った環境政策に関する報告書『平成19年版和歌山市の環境』を基に議論が行われました。
今回は、この報告書に沿って3点質問させていただきました。
まず1つ目は、現在和歌山市が認証を受けているISO14001環境マネジメントシステムについてです。ISOの認証を得るための目標はどのように設定しているかを問いました。市当局から各部署において設定しているとの答弁がありました。ISOの認証システムは、まずそれぞれの事業に関して自ら目標を設定し、その目標を達成できたかどうか、どの程度達成できたかを認証機関に審査してもらうものです。つまり、ハードルが高かろうと、低かろうと、自分で立てた目標を達成さえできていれば、ISO認証をもらうことができます。
次に、その認証をもらい、維持するためにどのぐらいの予算を使っているのかを問いました。市当局から当初で年間100万円以上、現在は入札になっていますがそれでも50万円以上使っているとの答弁を得ました。
ISO認証を得ることの対外的なメリットを問うたところ、市内企業への環境にやさしいイメージを与えることができるとのことでした。
目標を達成できたかどうかだけを見てもらい、環境にやさしいイメージを与えるのに、年間50万円以上使うのは、財政が逼迫し色々なものを削減する傾向の中で、もったいないと思いました。また一般企業では、ISOの認証を継続しない企業も出てきています。ノウハウも得られているので、わざわざISO認証を継続する必要はないように思います。
わざわざ多額の費用をかけなくても、市内のNPO法人などの協力を得れば、費用もかからず、今以上のイメージアップにつながると思い、その点を指摘しました。
次に昨年度の公害苦情の処理状況について、ばい煙や悪臭、騒音などすべての公害に寄せられた苦情の解決率が見事にオール100%という優秀な成績。そこでその「解決」とはどういう状況か、気になったので教えてもらいました。
すると、たとえ公害苦情の原因がなくなっていなくても、3ヶ月経って引き続き市民から何も言ってこなければ、「解決」となるとの答弁がありました。これは一体どういうことでしょうか?市が解決のための手立てを打ってくれると信じて待っていたら、3ヶ月経っていて「解決」になっていた。そういうこともありえるわけです。きっとそんな「ほったらかし」をしているとは思いませんが、しかし一般的に言う「解決」ではないと言うことは分かりました。何らかの公害で困っている人が泣き寝入りにならないよう、この点は今後、当局の姿勢を質していきたいと思います。
3つ目に、工業排水の色抜き条例について質問しました。正式名称を「和歌山市排出水の色等規制条例」といい、平成3年に制定されました。和歌山市内に工場を置く業者は、その排水に規制値以上の色が着いていてはいけないという条例で、制定時は全国各地から視察があったといいますが、最近は全くないとのこと。
排水がきれいだと言うのは良いことなのですが、会社としては浄化装置に相当の資金をつぎ込まなければならず、また給水されている工業用水よりもきれいにして排水しなければならず、相当の負担になっているそうです。これでは企業がもっと条件の良いところに逃げてしまいます。
食品の消費期限改ざん問題などでも分かるように、今は汚染物質を垂れ流しにするような企業に明日はありません。消費者が黙っていません。それに下水道があるのですから、排水管をつないでもらって、下水道使用料金を企業から頂けばいいと思うのですが、市当局はこの条例を誇りに思っているようです。
市が傾きかかっているのですから、これ以上企業が市外へ逃げてしまっては、元も子もありません。この点についても、今後違う面からの切込みを考えていきたいと思います。
|