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2008年03月06日
08年2月議会の一般質問全文

 今日の質問の議事録を記します。なお、これは原稿ベースで、速報版です。実際の議事録は若干異なることをお含み置きください。正規は後に発行される議事録に拠ります。

《質問》
 おはようございます。民主クラブの山本忠相です。
 今回は災害対策、福祉行政、喫煙についてお伺いします。
 まず、災害対策、福祉行政について、昨年の9月議会においても地震を中心とした災害対策について質問いたしました。今回は少し視点を変えて、災害時に支援が必要と思われる障害者・高齢者等に対する対応について質問をさせていただきます。
 1995年の阪神・淡路大震災では6,434名もの多くの犠牲者を出し、この頃から国は積極的に障害者や高齢者など災害弱者対策に乗り出しました。2004年に起きた新潟中越地震では、内陸部直下型地震の死者40名のうち、65歳以上の高齢者23人・乳幼児2人・児童4人と災害弱者が70%以上を占める結果となり、このことから震災時の災害弱者救助・支援対策が非常に難しいことが分かりました。その主な死亡原因は地震による圧死やショック死でしたが、中には避難生活の長期化により、慢性疾患の悪化やいわゆるエコノミークラス症候群(正式には肺塞栓症・肺血栓塞栓症)のため、避難期に高齢者を中心に犠牲者を出しました。高齢者以外にも、障害者・傷病者・乳幼児・妊産婦なども災害発生時には避難や生活に大きなハンディを負うことになります。
 このような場合、災害対策ではありますが、同時に要援護者への対応ということで、福祉という2つの側面が考えられます。地域防災計画と地域福祉計画など諸計画がつながりをもって対応されなければなりません。そこでお尋ねします。本市における災害時の災害弱者対策について、現状はどうなっているか、お答え下さい。
 次に喫煙についてお伺いします。
 この3月1日から、タバコを自動販売機で購入する際に「タスポ」という、あらかじめ成人識別をするためのカードを使う制度が本格導入されました。宮崎と鹿児島で先行導入され、和歌山は第二次導入の区域にあり、6月からの運用となっています。自動販売機の設置者が7万円程度を払って、タスポ対応の機械を取り付けています。今回のタスポ導入は、未成年者にタバコを買わせないとの目的から導入されたものです。
 そこで、まず基本的な部分として、喫煙による健康への被害は市としてどの程度と見ていますか。未成年者の喫煙の状況はどうですか。喫煙が医療費高騰の原因の一つになっていると思うが、そのような意識は持っておられますか。学校での喫煙に対する指導はどう行なわれていますか。補導活動は年間どの程度行なっていますか。そのうち、未成年者による喫煙に対する補導指導件数はどれだけですか。市内に設置されているタバコ自販機の数は何台と把握していますか。また成人識別システム導入に当たり、タバコ関係団体からは何か連絡はありましたか。あったのであれば、どのような内容で、それはいつありましたか。
 以上をお伺いして、第一問とさせていただきます。 

《有本健康福祉局長 答弁》
 障害者や高齢者等に対する災害時要援護者制度につきましては、平成19年10月に局内会議及び庁内会議を開催し、要援護者登録制度の創設について広報・周知した後、自ら要援護者名簿等への登録を希望した者の情報を収集する方式(いわゆる手上げ方式)で実施するよう決定いたしました。
登録の対象となる方は、災害時に何らかの理由により情報収集や安全な場所への避難が困難で、第三者の支援が必要であると思われる方々で、本制度への登録を希望され、名簿の作成・保管・配布を了解いただける方です。
 また、本制度は近隣社会の共助に基づいた支援が大変重要となることから、本制度に対する地域住民の方々のご理解を得たうえで、体制作りに取り組む必要があると考えています。そのため、本制度の説明と協力を各種関係団体等にお願いし、制度の内容を広報誌等に掲載し地域住民のご理解を得たうえで、登録の受付を行って参りたいと考えています。
 また、災害時において指定避難場所等では避難生活が困難と思われる方々の避難施設として民間社会福祉施設等を利用できる体制を整備する事により、災害時における要援護者の安心できる生活環境を確保できるよう各施設に、要請して参りたいと思っています。
 未成年の喫煙が、法律で禁止されているのは、喫煙により、がんや心筋梗塞などのたばこ関連疾患を、早期に発病する危険が極めて高いことや、成長を阻害すること、ニコチンによる依存症が短期間で出現することによるものです。
 たばこを吸う人のがんになる割合は、吸わない人に比べると、男性では、喉頭がん32.5倍、肺がん4.5倍、肝臓がん3.1倍であり、がん以外にも肺気腫、胃潰瘍、心筋梗塞などさまざまな病気への影響も指摘されています。
 また、平成18年の和歌山市の肺がん死亡率は、人口10万人に対して65.8で、全国値50.1の1.3倍であり、過去20年間で2倍以上に増加しています。
 これらのことから、喫煙による健康被害は、極めて大きく、医療費への影響も甚大と考えられます。
 保健所では、「健康わかやま21」に基き、たばこ対策に取り組んできたところですが、平成18年度に実施した調査結果では、高校生の喫煙率は、学年が上がるにつれて高くなっているものの、平成13年度と比較すると高校3年生男子の喫煙率は34.3%から15.2%に減少し、女子では16.7%から8.6%と減少しています。
 減少した理由としまして、学校保健において喫煙防止教育の実施により、たばこの健康影響についての普及啓発が考えられます。
 また、喫煙のきっかけとしては、「好奇心」「友達、先輩のすすめ」などが主な理由であるため、新規喫煙者を作らないようにすることが課題であります。
 本市においても、国と同様に未成年の喫煙ゼロを目標とし、目標達成に向け、家庭、学校、保健所、医療機関等、地域社会全体で未成年の禁煙をサポートできるよう今硬も取り組んで参ります。


《木村まちづくり局長 答弁》
 現在、把握しているたばこ自動販売機の屋内外の設置数は、県下で約6,000台です。
 関係団体によりますと、その内の半数近くが市内に設置されていると見込んでいます。
 また、未成年者が自動販売機でたばこを購入することを防止するICカード式成人識別機能付き自動販売機は、県下では本年6月に導入予定であることから、昨年8月及び本年1月にたばこ販売関係団体から、このシステム導入に関しての啓発協力の依頼がありました。


《大江教育長 答弁》
 小学校6年生さらに中学校2・3年生において保健の授業で喫煙による健康への被害を学習しております。
 また、各学校の特設授業として県警本部少年課・医師会・市内3署少年係の警察官・少年センター職員等による喫煙防止教室を開催しています。今年度、少年センターでは公立中学校16校、私立中学校1校、公立小学校1校で児童・生徒への健康被害防止を訴え、心身の健全な発育を図っております。 また、補導活動につきましては、市内の小中・高等学校生徒指導主任や関係教員が少年センター職員及び派遣警察官と同行し、繁華街等を放課後、夜間等に行っています。回数は、年末・年始などを含め年間197回実施しております。
 補導人数は19年4月から12月まで不良行為、犯罪行為等、合わせて128人あり、その内喫煙では5人補導しております。
 また市内中学校での喫煙で学校が指導した生徒の数は108人、同じく高等学校では110人となっております。
 今後とも、未成年者に対する様々な喫煙防止対策をさらに強めてまいる所存です。


《再質問》
 それぞれお答えいただきましたので、再質問をさせていただきます。
 まず災害弱者・要援護者への対応についてです。ご答弁いただいたように、助けて欲しいという人は自己申告で登録して、いざという時にはその名簿を共有して、救助に向かうという制度を準備している、とのことでした。ご存知のように、すでに片男波自治会で助けて欲しい人、また何らかの専門技術、例えばユンボの操作ができるとか、電気工事ができるなどの技術を持っていて、誰かを助けられるよという人を同時に登録しています。ただ個人情報保護の壁でなかなかうまくいかず、本格的に動き出すまでに相当の時間を要したと聞き及んでおります。
 準備段階ということですので、具体的な内容についてお伺いします。まず、災害が発生すると予想されるとき、どういう手順で要援護者を保護されますか。また地域防災計画における東南海・南海地震発生時の被害想定を基にして、避難所における福祉ニーズの高い要援護者の生活者数はどの程度と予想していますか。在宅または避難所にいる高齢者等の要援護者に対してケアマネージャーやホームヘルパー等生活介助者の派遣体制、特に人材の確保ついてはどのように考えていますか。要援護者等専用避難施設として、現在、どのような施設を想定しており、また市内に何か所設置することが可能かと考えていますか。以上お答え下さい。
 次に喫煙についてです。
 やはり未成年者の喫煙がなくならないのは、タバコが買いやすい環境にあるからではないかと考えます。カードによる成人識別を試験的に導入した鹿児島県種子島の例ですが、試験導入する前の2003年の補導者数が39人だったのに対し、導入年の2004年は31人、翌2005年には10人と減少しました。このまま減っていけばよかったのですが2006年の補導人数は84人と急増しました。タバコを買うためにはカードが必要ですから、カードの入手経路を調査したところ、親のカードを勝手に持ち出した、また不正に入手したカードを使い回ししていたことが判明しました。自販機にはカードの名義人と目の前の人が同一人であることを確認することができません。カードを持ってさえすればタバコを買うことができるのです。
 和歌山県議会においては未成年者喫煙防止条例案が出されていますが、これもタバコを買いやすい環境を無くさねばならないという思いから発議されたものと聞き及んでおります。日本自動販売機工業会06年の統計では、全国に約565,200台のタバコ自販機が設置されていると公表されています。また先程市内におけるタバコ自販機の数で、県下で約6千台、その半数近くが市内にあるとのご答弁をいただきました。仮に3000台として、本市の面積を割ると、7万平米に1台のタバコ自販機が存在することになります。これらの状況から、やはり未成年者がタバコを買いやすい環境にあるということは否めません。そこで私としては、市として屋外におけるタバコ自販機を撤去する条例の制定を提案したいと思いますが、市長のご所見をお伺いして第二問といたします。 

《大橋市長 答弁》
 青少年の健全育成や「健康増進法」などの観点から鑑みても、議員のご指摘は、重要な課題と考えます。
 現在、県議会において、和歌山県未成年者喫煙防止条例案が上程されていると聞いているところです。
 今後、この動向を見定めながら、本市としてどのように対応していくか関係部局に研究させ、「健康でいきいきとした和歌山市」を目指す所存です。


《有本健康福祉局長 答弁》
 要援護者につきましては、避難行動に時間を要するため、和歌山市地域防災計画に基づき、避難準備情報を発令し要援護者及び避難支援者に避難の開始をはじめてもらいます。避難に際しては、支援者や地域住民の共助により避難所に誘導して頂きます。また、各避難所内では、要援護者用の窓口を設置し、安否確認や避難所生活の支援を行って参ります。
 なお、避難者数につきましては、和歌山市地防災計画想定地震1(東海・東南海・南海地 )の地震被害想定結果の避難所生活者数が23,942人であることから、要援護者の避難所生活者数につきましては、約3,800人と想定しております。
 多くの施設は職員数に限りがあり、それぞれの施設のケアマネージャーやホームヘルパーについては、災害時には施設利用者等の安否確認や緊急入所の対応に追われる状況が想定されます。そのため、在宅または避難所にいる高齢者等の要支援者に対しては、保健師などの専門職を派遣し健康状態の把握や健康相談の円滑な運営ができるよう、また、他の地方公共団体等からの広域的な応援派遣体制の構築ができるよう、関係機関と引き続き協議して参りたいと考えております。
 要援護者等専用避難施設としては、老人福祉施設・老人保健施設・障害福祉施設等を考えております。しかし、今は担当課を含めその施設の利用方法・利用可能人員・費用等について協議中であり、その協議内容がまとまりしだい、各施設へ協力の要請を行う予定でございます。


《再々質問》
 それぞれお答えいただきました。それでは第三問に入らせていただきます。ご答弁をいただいて率直に感じた点を質問させていただきますので、質問の順番が変わりますことをお許し下さい。
 まず、喫煙の問題です。市長は県議会で出されている条例案の動向を見て研究するとお答えになりました。しかし、この条例案を見てみると、違反の罰則はなく、県や保護者、販売業者などの姿勢を明らかにし、未成年はタバコを吸ってはいけない、未成年にタバコを売ってはいけないという、当たり前のことを当たり前に書いている。裏返せば、当たり前のことが当たり前に守られていないと言うことです。
 WHO世界保健機関において「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(FCTC)」が2005年2月27日に発効し、168カ国が署名、116カ国が批准し、日本もこの条約に締約しております。この条約はタバコによる健康への被害を抑制すると共に、タバコそのものの販売本数を減らそうという条約です。昨年、タイ・バンコクで行われた第2回締約国会議では、受動喫煙からの保護をうたったガイドラインが全会一致で採択され、加盟各国は2010年2月までに罰則付きの法律を策定することが決議されています。
 これが、日本を取り巻く国際情勢であり、国の法律策定を待つまでもなく、本市として屋外におけるタバコ自販機の撤去する条例の制定を提案した次第であります。同様の取り組みは他都市でも行われています。島根県出雲市では、16年も前の平成6年に屋外から酒の自販機を撤去、タバコについては深夜の販売を停止する条例が制定されました。その2年後に深夜販売の停止が全国に波及しております。また青森県深浦町ではタバコ自販機を屋外から撤去する条例が制定されています。しかしこれも罰則がないため、あくまで販売業者の自主性に任しているとのことでした。
 タバコ屋のおばちゃんからすれば、儲けの約7割をたたき出す自販機を置くなといわれたら困るといわれるかもしれません。しかし、先程ご答弁いただいたように、本市の肺がん死亡率は全国平均の約1.3倍、過去20年で2倍以上の伸びです。医療費の高騰は避けられません。
 タバコ自販機を屋外から撤去する以外にも、例えば未成年でタバコを吸えば、本人と保護者に対し、厳しい罰則を与える。また市内での歩きタバコを禁止するなど、他の方法も考えられます。折りしも、昨日、白良浜を全面禁煙とし、「禁煙ビーチ」としてPRしていくことが白浜町議会で提案されております。県の条例云々ではなく、市長ご自身のお考えで持って、施政方針で述べられたとおり、「健康で思いやりのある安心に暮らせる都市」づくりのために、行動すべきではないでしょうか。ある程度の強制力を持ってすれば、WHOの報告書に日本初の施策として「和歌山市」の名前が残るでしょう。ぜひご一考をお願いし、改めて市長の見解をお伺いします。
 そして、要援護者対策ですが、ご答弁から仔細ご検討いただいているということが分かりました。お答えいただいた事柄以外にも、登録を辞退された方、また漏れた方への対応も含めて十分に検討していただき、またいつ来るか分からない地震への対応ですので、できるだけ速やかに登録制度が実行されるよう求めます。
 以上を喫煙に関してのみお伺いして、私の質問を終らせていただきます。ご静聴ありがとうございました。

《大橋市長 答弁》
 喫煙が健康に悪影響を及ぼすことは今や世界的な常識であり、特に未成年者の防止することは喫緊の課題であると私も認識しています。今回、タスポ導入が行われることになったのも、未成年者の喫煙を根絶していかなければならないとの考えで、たばこ小売業者を含む多くの皆さんが一敦した結果であろうかと思います。
 ご承知の通り、新年度の予算でも市のたばこ税収入を前年度よりは2億円程度少ないとはいえ、約26億円を見込んでおりまして、歳入確保のため、たばこ小売業者の皆さんのご協力は不可欠であります。自販機につきましてはタスポ導入の成果を見ながら慎重に検討すべきものと考えます。  ポイ捨てに閲しましては、本市は20年近く前に地域を指定してポイ捨てを禁止する条例を制定しております。最初は罰則があったのですが、実効ある取締りを行うには膨大な経費が必要で、結局一人の検挙者もないまま罰則を廃止したと聞いております。
 喫煙による健康被害を減らすためには、様々な形での啓発が何より重要であると認識しています。

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