医療報酬制度は複雑
今日はある方から相談を受けた案件を処理するために走り回っていました。
その案件は、病院で治療を受けたのだけれど、診療報酬の明細(レセプト)が診療報酬支払基金へ回った際に、一部が保険で認められなかった旨の通知が社会保険事務所から来た。認められなかった分は自己負担になるのかという相談でした。
先立って、ご本人が各相談窓口などでお話されたそうですが、納得されていなかったようで、私の出番となりました。
まずは、ご本人が相談された窓口を順にたどりました。まずは県の医務課へ。県の医務課には電話で相談された事実と回答された内容が記録として残っていました。ただ医務課では対応できない内容だったとのことで、健康づくり推進課を紹介されたそうです。それで次に健康づくり推進課へ。
推進課では応対された方がよく覚えていて話ができ、記録も残されていました。依頼者から預かった書類を見せながら、書類に書かれていることを解説していただきました。私が読んだだけでは、要するに何が言いたいのか結論が分かりにくい文章だったのです。まさに「お役所仕事」で患者さんがこんな文章を読んでも何のことか分からず、社会保険事務所から「あなたが医療に使った費用のうち、一部を保険の支払から減額しました。」なんて送られたら、誰でも動揺してしまいます。
依頼者が一番心配していたのは、追加負担があるのではないかということです。私も、病院がすでに処方している薬についての費用を、支払基金が半分しか認めないという決定を出したら、保険で賄われない半分の薬代は患者が払わなければならないのかという点でした。
健康づくり推進課の説明では、日本の医療制度は全額保険診療か、全額自己負担の2種類しかなく、一部を保険診療とするいわゆる「混合診療」は認めていない。支払基金が保険からの支払を認めなかった半分を患者さんが負担すると混合診療になるので、これまで保険で支払った医療費もすべて患者さんが負担しなければならなくなる。そのため、保険で認められなかった分は、病院が肩代わりしたと推測されるとの回答でした。つまり、患者さんは支払わなくてもよいとのことです。
その言葉をもらって一安心しましたが、まさかこんなところで、今問題になっている「混合診療」に遇うとは思いもよりませんでした。
依頼者に報告し、ご理解をいただかなくてはなりませんが、間に何人も挟んで噛み砕いて伝えなければならないほど、医療の制度は複雑です。こんなにややこしくていいんだろうかというのが、私の感想です。
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