前略 渡邉恒雄様
読売新聞グループ本社代表取締役会長 渡邉 恒雄様
突然、このような形でご意見を申し上げる失礼をお許し下さい。
昨日、我が党の鳩山由紀夫幹事長がこの和歌山に来られた際、東京から同行されてきた御社の優秀な記者について、お話をさせていただきたいと思います。
できたばかりのスーパー前で街頭演説を行った後、すぐ近くの寂れてしまった商店街に鳩山幹事長をご案内しました。数年前までは、選挙の際は誰もが真っ先に挨拶に来ると言われていた商店街も、残念ながらお客さんはほとんどいませんでした。
御社の優秀な記者は、党の党勢拡大にまで気を遣って下さり「もっと人の多いところへ連れて行けばいいのに」とアドバイスをくれました。
本当におっしゃる通りなのですが、残念ながら和歌山にはいつも人が集まっている場所があまりありません。ぶらくり丁もとんと人が少なくなりました。東京の人の多さと比べれば、比べ物にならないありさまで、申し訳なく思います。
私も若いので、ついカッとなって「これが地方の現状なんですよ」と怒鳴ってしまいましたが、全てが東京中心で回っているのですから、和歌山なんてどうでもいいのですよね。
政治も経済も東京が中心。日本の人が多い場所である東京で起こったことを書いて、国民はそれを読み、知りさえすればそれでいいのですよね。数十年後には全人口の半分が東京にいるという推計まで出ていますから、東京集中でいいと思います。
人の少ないこの和歌山に鳩山幹事長を呼んだために、御社の優秀な記者にわざわざ足をお運びいただいたことを心から感謝申し上げます。「人の多いところ」をご所望なら、もう和歌山へ着ていただく必要はないかもしれません。
和歌山は「東京化」できないことを申し添えまして、お礼とお知らせに代えさせていただきます。
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