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2008年07月02日
2つの意見書の行方

 昨日の活動報告にも書きましたが、今回の6月議会最終日に2つの意見書案が上程されました。
 ひとつは「各種健康保険制度の一元化によって、保険財政の健全化を進め、国民皆保険制度の維持を求める意見書案」、もう一つは「保険財政の健全化を進め、国民皆保険制度の維持を求める意見書案」です。前者は市民クラブから、後者は民主クラブ・新和クラブ・共産党・光クラブ・無所属議員の共同で提出されました。
 下記に両方の全文を記しましたので、ご覧下さい。




各種健康保険制度の一元化によって、保険財政の健全化を進め、国民皆保険制度の維持を求める意見書案

 本年4月から実施された後期高齢者医療制度は、高齢者の尊厳の否定、年金からの天引きによる生活不安等が、国民的な反発を招き、国政のうち参議院は廃止法案を可決、内閣及び与党は原案修正の道を選択するに至った。

 本市の国民健康保険事業は、累積赤字が平成19年度決算見込みで約54億円に達し、一般会計からの繰り入れなくして運営できない状況にある。

 特に、保険者、現役の被保険者にとって一般財源からの繰り出しは、保険料、税の二重払いであり、後期高齢者医療保険の財源、4割分負担を加えると三重払いとなる。

 このことは、将来、負担の公平性を欠く制度として、一世代間の対立を生むものと指摘せざるを得ない。

 私たちが世界に誇れる国民皆保険制度は日本国民の大きな財産であり、医療における安心、安全を保障する制度である。

 今回、介護保険制度に加え、後期高齢者医療制度を創設し、現行よりさらに小単位に分割することは、老若男女、弱者、強者の区別なく、お互いを助け合うという保険制度の主旨に反するものであり、制度の破綻に拍車をかけるものである。

 よって、本市議会は、表記に掲げるごとく、各種健康保険制度を一元化した制度の創設による保険財政の健全化、国民皆保険制度の維持を、国に対して強く求めるものである。

 次に発議第2号です。

 保険財政の健全化を進め、国民皆保険制度の維持を求める意見書案

 本年4月から実施された後期高齢者医療制度は、高齢者の尊厳の否定、年金からの天引きによる生活不安等が、国民的な反発を招き、国政のうち参議院は廃止法案を可決、内閣及び与党は原案修正の道を選択するに至った。
 本市の国民健康保険事業は、累積赤字が平成19年度決算見込みで約54億円に達し、一般会計からの繰り入れなくして運営できない状況にある。
 特に、保険者、現役の被保険者にとって一般財源からの繰り出しは、保険料、税の二重払いであり、後期高齢者医療保険の財源、4割分負担を加えると三重払いとなる。
 このことは、将来、負担の公平性を欠く制度として、一世代間の対立を生むものと指摘せざるを得ない。
 私たちが世界に誇れる国民皆保険制度は日本国民の大きな財産であり、医療における安心、安全を保障する制度である。
 今回、介護保険制度に加え、後期高齢者医療制度を創設し、現行よりさらに小単位に分割することは、老若男女、弱者、強者の区別なく、お互いを助け合うという保険制度の主旨に反するものであり、制度の破綻に拍車をかけるものである。
 よって、本市議会は、表記に掲げるごとく、後期高齢者医療制度の廃止も含め再検討し、各種健康保険制度の健全化、国民皆保険制度の維持を、国に対して強く求めるものである。

 文章のほとんどは同じですが、若干中身が違います。違うところは下線付きの赤文字にしました。ぱっと見、同じように思われがちですが、政策的には全く違います。その違いは
①各種健康保険制度について、1号は一元化を求めているが、2号は求めていない。
②後期高齢者医療制度について、1号は批判をしているだけだが、2号は廃止を含めた再検討を求めている。
の2点です。これは政策的にかなりの違いです。結果は次の通りになりました。

会派名

発議第1号

発議第2号

市民クラブ(12名)

×

公明党(8名)

×

×

民主クラブ(5名)

×

新和クラブ(4名)

×

共産党(4名)

×

新風クラブ(4名)

×

×

光クラブ(1名)

×

無所属(1名)

×

賛成者数

12名

14名

結果

否決

否決

 この表の通り、結果としては、両方の意見書は通らず、和歌山市議会として国に健康保険事業の改善を求めることはできませんでした。ちなみに、どの議員がどの会派に所属しているかは和歌山市議会のホームページからご覧になれます。
 市民クラブとの調整では「一元化は絶対」ということで、折り合いがつきませんでした。年金と共に、健康保険の一元化はかなり難しいものがあります。国民健康保険、政府管掌保険、共済保険、船員保険、健保組合保険とざっと思い出せただけでもこれだけあります。財政状況や成り立ちも全く違います。年金の一元化でも段階的に、と言ってる中で、健康保険の一元化はもっと難しいのです。
 今回の場合、最大公約数で調整できればと思ったのですが、「一元化は絶対」と突っぱねられるとどうすることもできません。市民のための仕事をしてないと言われれば、結果を出せていないので反論はできません。本当に申し訳なく思いますし、今後もあきらめず、国保会計の改善や後期高齢者医療制度の廃止を求めていきたいと思っています。

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