財政健全化法を考えた日
今日の午後、全議員を対象に、19年度の決算速報値で地方財政健全化法に照らし合わせたときの各指標の見込みについて、説明がありました。
対象となる4指標のうち、和歌山市の全ての会計を合計して弾き出す連結実質赤字比率が、イエローカードである早期健全化段階であることが分かりました。また、下水道事業と食肉処理場事業が資金不足比率で大きな数字となり、経営が悪化していることがはっきりしました。財政局長が個別に聞いて回った結果として、中核市でも最悪の数字だそうです。
しかし、説明のときから「この数字がなくなったので助かりました」「この部分は入れても良いと認められたので数字が改善しました」など、入れたり引いたりが官僚の胸先三寸で行われているような感じを受けました。
夜には、東京大学大学院の神野直彦教授がいらして、「質の高い公共サービス実現のために」というテーマで講演をされました。
この中でも神野先生は「健全化法は数字をいじくっているだけで、本当にその数字が健全化を図るものとして正しいのかどうか、怪しい」と疑問を投げかけられました。
講演後、二人でお話させていただいたとき、私は今日の役所の説明を聞いて思ったことを素直に「数字を入れたり引いたり、マジックにかけられているみたいです」とお話したら、「その通りです」と応えてくださいました。その上で「自治体の財政がどんな状態かなんてほっといてほしい。レッドカードだと夕張みたいに職員を減らし、サービスを切って、税金や利用料を上げたりしなくてはならなくなる、と脅されている。そして結局、自治体は職員を減らし、サービスを切って、税金や利用料を上げたりと、破たん処理と同じことをしている。それなら自治体が中途半端にやるより、国が破たん処理した方が徹底していてまだいい。」とお話して下さいました。
後出しじゃんけんの健全化法に振り回される自治体。少し冷静になって考えて見なければならないように思いました。
今日配布された資料はデータベースに置いておきます。
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