和歌山市の観光PR、なぜよさこい? 「ぶんだらや和歌祭売り込むべき」
明日16日から2日間にわたって和歌山公園とその周辺で開催される第5回紀州よさこい祭り。最近ではことあるイベントでよさこい踊りが披露される機会が多くなったが、本紙にこんな意見が届いた。
「よさこい踊りの発祥は高知県。和歌山の伝統文化とは異なるもの。和歌山を県外にPRするイベントなどで紹介するのはいかがなものか」
意見者は、和歌山市の事業・城フェスタの一環で6月14、15日に行われた将棋まつり「女流王座決定戦」の前夜祭と、市内で事前合宿(8月4-13日)を行った北京五輪に出場するフランスの陸上選手の歓迎レセプションで、それぞれ和歌山市をPRするために披露されたよさこい踊りに違和感を覚えたという。意見者は「こんな時こそぶんだら踊りを披露すべき。ぶんだらじやなくても和歌祭や木ノ本の獅子舞など和歌山市の伝統芸能はほかにもたくさんある」と指摘する。
将棋まつりの前夜祭を担当した市観光課は「会場スペースの関係上、進行する踊りのぶんだらは適さなかった」と説明。仏選手歓迎レセプションを開いた市教委体育振興課は「直前まで黒潮太鼓の予定だったが、会場側に低音が響くので避けてほしいと言われよさこいに変更した。ぶんだらは選択肢になかった」と明かし、「結果的には選手らも一緒になって踊り、楽しんでくれたと思っている」と話す。
「観光都市」を口にしながらその絶好の機会に売り込まなくてはならない独自文化をPRしない観光行政。それは消極的というより安易な姿勢であり、改めなければ場当たり的で効果の薄いものとなつてしまう。 |