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2009年03月06日
09年2月議会での一般質問全文

 今日の質問の議事録を記します。なお、これは原稿ベースで、速報版です。実際の議事録は若干異なることをお含み置きください。正規は後に発行される議事録に拠ります。

《質問》
 こんにちは。お疲れさまです。民主クラブの山本忠相です。
 私たちのこの和歌山市議会では、おととい、各会派による先輩議員の方々の代表質問が行われておったんですが、そのとき東京の永田町、国会では定額給付金が、関連法案ということで第2次補正予算関連法案が可決をされたということであります。
 私たちのこの議会では、定額給付金についてはもうちょっと考えろよということで、再考するということの意見書を出したんですが、物の見事に無視をされたというか、全く気にされていなかったというか、私としてはもう怒るというより笑っちゃうぐらい、ただただあきれているという感じがいたします。
 この先、日本の政治はどうなっていくのかということがちょっと心配になってきているところであります。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。今回は教育施策、そして子育て施策の2点についてお伺いをさせていただきます。

 まずは教育施策についてです。
 去る2008年10月14日の平成19年度分の決算特別委員会で質疑をさせていただいた第9款教育費、第2項小学校費、第1目学校管理費、第14節使用料及び賃借料の中にある機械等借上料1億1,941万2,102円について、その中身をただしたところ、当局から「コピー等の借り上げ等も入っているんですが、主にパソコンで、小学校52校に24台ずつ」--確認したところ、正確には研究協力実践校というのがありまして、それが4校それぞれに36台、それ以外の学校には22台で、平均して24台ということだそうですが、「52校に24台ずつと、2分校に5台で、計1,258台のパソコンと、サーバーが52校に1つずつと」、和歌山市の教育情報ネットワークである「『きいねっと』の情報サービスなどの契約」「パソコン本体だけの費用ではなく、ウイルス対策ソフトであるとか、サーバーをメンテナンスするためのシステムであるとか、子供たちの教室に入っているパソコンを制御するシステムであるとか、パソコン以外の部分もあります」と御答弁をいただきました。
 そこでお伺いをいたします。
 今まで1億2,000万円弱の費用を投入し、今後もその予定だと思いますが、まず、どういうシステムを導入したのか、その意図するところは何か、何を目指そうとしているのか、お答えください。

 次に、子育て施策についてです。
 昨今の経済不況が家庭にも影を落とし、家計を維持するためにお母さんがパートに出なければならないなど、影響が出てきています。特に子育て中のお母さんにとって、子供が病気になったときなどは、おちおち仕事も手につかないというのが本音であると思います。
 実際、子供の看護のために過去1年間に取得した休暇日数は、男性雇用者の約8割でゼロから3日であったのに対し、女性の約2割が6日から10日、約3割が11日以上の休暇を取得していることが労働政策研究・研修機構の調査から明らかとなっております。
 また、仕事と家庭の両立が難しいため仕事を辞めた理由の第4位に「子供の病気等でたびたび仕事を休まざるを得ないため」というのが入っております。核家族化が進み、別居の祖父母の手助けも得られないということも背景にあるようですが、和歌山市の場合はこの点まだましなほうかもしれません。
 1995年からの国の子育て支援策、エンゼルプランから病児・病後児保育事業が始められ、1999年度までに全国500カ所の設置を目指しておりましたが、実際、1999年度末には約2割の110カ所にとどまりました。2000年度からの新エンゼルプランでは、改めて500市町村での事業実施が目標とされ、2005年時点で598カ所まで拡大をいたしました。しかし、依然としてニーズが高く、2005年からの少子化対策、子ども・子育て応援プランでは1,500カ所にまで拡充されることが目指されております。
 そんな中で、病児・病後児保育を含めた子育て支援のために、これまで国の直轄事業で行われてきた緊急サポートネットワーク事業を2009年度から市町村へ移管することを厚生労働省が決めました。昨年11月20日の参議院内閣委員会でもこのことが取り上げられ、半年もたたない先にいきなり廃止するのはいかがなものかと議論がなされ、各市町村で行っているファミリー・サポート・センター事業に再編する前提で、とりあえず2年間の経過措置がとられることとなりました。
 本市でもファミリー・サポート・センター事業を既に行っておりますが、まずはこれまでの現状と、新規事業に含まれているファミリー・サポート・センター事業の拡充及びその財源についてお答えください。  また、事業の再編に関して、厚生労働省の対応は余りにも性急というか、拙速の感が否めません。先ほどの国会答弁で厚生労働省の北村彰大臣官房審議官が、「これまでも地方自治体に対しまして、予算要求の内容、ファミリー・サポート・センター事業の再編につきましての具体的な内容、あるいは当該事業の必要性、あるいは再編の趣旨、そういったもろもろのことをお知らせをさせていただきまして、また、来年度以降、病児・病後児預かりなどが、次世代育成支援対策交付金、これを利用してそれぞれの地域で実施されるように文書さらには直接電話により働きかけもしておるところでございます。」と答えられています。
 そこで、厚生労働省から本市に対し、どのようなアプローチがあり、どのような説明があったのか。
 以上をお伺いして、第1問といたします。

《岩橋市民環境局長 答弁》
 子育て施策について2点ございます。
 まず1点目、ファミリー・サポート・センター事業の現状についての御質問です。
 ファミリー・サポート・センター事業は、和歌山市在住で、子育ての支援をしてほしい人と子育てのお手伝いができる人を会員登録し、互いの信頼と了承の上で一時的にお子さんを預かる会員組織を運営する事業でございます。この事業は、平成14年6月から開始して以来、会員数は増加傾向にあり、平成21年2月末現在の会員数681人、平成20年4月から平成21年2月末までの活動件数は2,326件となってございます。
 本市では、子育て支援、男女共生を推進する上でファミリー・サポート・センター事業を重要な施策と位置づけており、今後とも引き続き当事業を推進してまいりたいと考えております。
 2点目、ファミリー・サポート・センター事業の拡充とその財源について、また、厚生労働省からのアプローチと説明はあったのかとの御質問です。
 国では、病気のお子さんや病後のお子さんの預かり及び緊急時の一時預かり等を行う事業である緊急サポートネットワーク事業を廃止し、平成21年度からは、市町村が実施するファミリー・サポート・センター事業の機能を強化して対応するよう制度の見直しを行うこととしています。本市といたしましては、ファミリー・サポート・センター事業の利用者のニーズを考慮し、平成21年度から、病気のお子さんや病後のお子さんの預かり及び緊急時の一時預かりに対応できるように事業を拡充してまいりたいと考えております。
 なお、財源でございますが、新たな事業は、事業費のおよそ2分の1が国の交付金で賄われることとなっております。
 また、厚生労働省からは、平成20年9月に、平成21年度から国が行っている緊急サポートネットワーク事業を廃止し、市町村が行うファミリー・サポート・センター事業制度の見直しを行う予定である旨の事務連絡があり、その後、平成21年2月に交付金の算定基準等についての事務連絡がございました。そのほかに、事業に関して国から市に対しての説明会等は開催されてございません。

《樫原教育局長 答弁》
 教育施策について、小学校で使用するパソコンのリース費用として、1億2,000万円弱の費用を投入し、今後もその予定だと思うが、どういうシステムを導入したのか、その意図するところは何か、何を目指そうとしているのかとの御質問でございます。
 小学校で使用するパソコンにつきましては、インターネットにおける有害サイトなどから児童の安全を守るフィルタリングシステムや、ウイルス対策などのセキュリティーシステムを導入し、また、学習面では、漢字学習や計算などの教材システム及びそれを活用するための手書き機能を持つパソコンシステムを小学校52校に導入したものです。
 導入のねらいといたしましては、児童が安全にパソコンシステムを利用できる環境の構築、児童の情報活用能力の育成、学力の向上を目的としております。
 目指すところにつきましては、手書き機能を持つパソコンシステムを活用することにより、児童が興味を持って学習し、一人一人が教員の指導のもと自分のペースで学習を行い、学力を向上させたいと考えてございます。

《再質問》
 それぞれ御答弁いただきましたので、再質問に入らせていただきます。
 まず教育についてです。
 パソコン導入の意図、目指すところは、子供たちの学力向上であるということのお答えでした。  本市で導入したシステムは、全国でも一、二を争う進んだシステムだそうです。複数のマスメディアにも取り上げられ、海外での学会にも取り上げられたと聞き及んでおります。
 ICT--Iというのはインフォメーション、情報、CはコミュニケーションのC、通信という意味ですね、Tがテクノロジー、技術。情報通信技術をICTというのですが--ICTを使った教育環境を整備する今回の研究は、NEXTプロジェクトと名づけられ、独立行政法人メディア教育開発センターとマイクロソフト株式会社によって進められ、現在、京都の立命館小学校、東京都港区立青山小学校など4校と和歌山市立の52校が参加をしております。
 戦後GHQが飢えた日本国民にパンやチョコレートを配り、そのときの子供が大人になって、食卓が和食から洋食に侵食されたように、どうも私には子供をパソコン漬けにする布石を打たれているのではないかと思えてなりません。小学生には読み書きそろばん--というふうに言うと、どうも私の頭の中は古いのでしょうか。
 決算特別委員会の席上では、それだけの金額をかけるだけの効果があるのかどうかということを疑問に思いましたので、当局にお尋ねしたところ、手書き学習よりもパソコンを使ったほうが若干学力が上がっているという答弁がありました。
 しかし、平成19年度から始めたばかりで、実証研究の途中であり、確実にすべての子供について学力が上がると言い切ってしまうには怖さがあると思います。
 パソコンを教えるな、パソコンで教えるなとは言いません。経費削減に相当の努力をされているということも伺いましたし、具体的に数字で出ていますのでその努力は認めますが、やはり1億円を超えるお金をかけるのであれば、人間としてどうあるべきかを教えることも大切ではないかというふうに思います。
 パソコンは機械であるがゆえに、自分の気に入らない画面を消したり、ゲームで相手をやっつけることもできます。しかし、そういうことは機械に対しては許されても、人間に対しては許されません。今や学校でしか子供同士が顔を合わせる機会が少なくなっている。また、自己中心主義になると、いじめや他人を傷つけることになるのではないかというふうに危惧をしております。機械が人間の心を奪い、人間社会を支配しつつあると言っても過言ではないと、おとといの代表質問で浦先輩議員がおっしゃっておられましたが、まさにそのとおりだと思います。
 学校でパソコンを使えるようになって家庭へ帰って来る。それ以前に、今や一家に1台パソコンがあるというような時代になってきています。学校のパソコンは有害サイトにアクセスしないようブロックがかけられていますが、各家庭では必ずしもブロックが施されているとは限りません。
 そうした場合、やはり子ども自身に最低限のよしあしを判断させる情報モラル教育、情報道徳教育と言ってもいいと思いますが、そういう教育が重要なのではないでしょうか。便利にパソコンやネットを利用するに当たり、するべきこと、してはいけないことを教えなければならないと思います。そういう教育を現場でしていただいているのかどうか。また、教員の指導力向上を図るためにどのようなことをしているのか。教員が教えるためのフォローはどのようにされているのか、お答えください。

 次に、子育て施策についてです。
 御答弁いただいたように、本市でもファミリー・サポート・センター事業は重要だと認識していただいていて、活動件数も増加している。お母さん方の需要は高いということです。
 国は、少子化対策を掲げて何とか食いとめようとしているようですが、その一方で、御答弁にもあったように、仕事はあげるけどお金は半分出しなさい--何と勝手なことかというふうに思います。今回のような予算なき市町村への事業移管という名の丸投げは、言うこととやることが矛盾をしていますし、地域主権にはほど遠いというふうに思います。
 そして、中央省庁の官僚というのは何と適当なことでしょうか。事務連絡で手紙だけ送り、国会では電話をかけたと答弁をしておきながら、電話はなし、説明会もなし。現場で受ける自治体は物すごく大変です。
 この点、経済状況が悪化していることに伴って、共働きの家庭が結果としてふえ、ファミリー・サポート・センター事業の拡充が求められている中で、利用者のいる地域事情を無視した、こういう画一的な再編をどのように思われますか、お答えをいただきたいと思います。
 以上で第2問といたします。

《大橋市長 答弁》
 地域事情を無視した国によるファミリー・サポート・センター事業の再編についてどう思うかということであります。
 国が緊急サポートネットワーク事業を廃止して市町村が実施するファミリー・サポート・センター事業に統合し、さらに、その財源もおよそ2分の1を市町村の負担とする方針を一方的に打ち出したことにつきましては、国が新規事業を立ち上げて、定着した後、国としては事業を廃止して市町村に押しつける、こういうパターンというのはこれまでにも幾つも例がありまして、私としても非常に納得のいかないところでありますが、子育て支援における市民のニーズが多様化していることを考えますと、病気のお子さんや病後のお子さんの預かり及び緊急時の一時預かり等を行う緊急サポートネットワーク事業は、子育て中の市民の方々を支援する上で重要な事業ですので、本市としても引き継がないわけにいかないので、事業を国から引き継いで行う必要があると考えております。
 国に対しましては、財源の確保等について機会があるごとに働きかけていきたいと考えております。
 以上でございます。

《大江教育長 答弁》
 教育施策について、子供たちへの情報モラル教育をしているのかどうか、教員の指導力向上を図るためにどのようなことをしているのか、また、教員が教えるためのフォローはどのようにしているかとの御質問です。
 情報モラル教育につきましては、情報社会において的確な判断ができる児童生徒を育成するために、インターネットの正しい活用方法やネット上のいじめなどの危険性について、すべての小中学校において指導しているところです。
 教員の指導力向上のために、初任者研修、5年経験者研修でそれぞれ1講座、情報教育担当者研修2講座、選択できる研修を3講座実施しております。
 また、カリキュラム、指導実践例、資料などが掲載された冊子を配布するとともに、授業で活用することのできる教材などを提供するなど、フォローしながら指導力向上に努めております。
 今後もさらに研修の内容を充実していくよう努めてまいります。
 以上でございます。

《再々質問》
 それぞれお答えをいただきましたので、第3問に入らせていただきます。
 まず教育についてです。
 教員に対しては、新任者、そして5年目の教員が全員必ず情報モラル研修を受けると御答弁をいただきました。教員に対してはかなり充実をしていると思います。しかし、子供たちに対しては、道徳の時間のうち年間2こま程度、また、折に触れての教育ということで、これはかなり少ないのではないかというふうに思います。パソコンやネットに触れる割合からすればどう考えても少ないと思います。
 さまざまな危険がネット上に存在し、それにかかわる事件も起きていることは既に周知のとおりです。それらから大人が子供を守るということはもとより、子供自身にもみずからを守る能力を持たせなくてはならないと思います。パソコンによる教育を進めること、また、それと同じだけ情報に対する道徳教育を行っていただきたいというふうに思います。
 また同時に、家庭でもパソコンに触れる機会が一層ふえてきます。保護者に対しても情報道徳教育、また、普通の道徳教育を受ける機会をつくるべきではないでしょうか。教育は決して学校任せではいけないと思います。これらのことを強くお願いをいたします。

 最後に子育てについてですが、一方的な事業の押しつけと経費の約50%負担について、市長から納得いかないと御答弁をいただいたように、私も納得はしていません。
 国は、制度を充実させるという口で、金は半分自分で出せと言い、また、地方財政健全化法という網をかけて自治体を追い込んでいく。まさに自己矛盾で、国は一体何がしたいんだ、地方をどうしたいんだと強く感じるわけであります。
 病児・病後児保育を行うには普通よりお金がかかります。構造的に赤字になりやすい。それでもやらなくてはならない事業です。また、事業を進めるに当たって、子供の預かり手となるスタッフの専門性の向上やリスク管理を強化することも課題となっています。
 保育所との連携も欠いてはいけないことです。ファミリー・サポート・センター事業では、子供を預かってくださる方のサポート、子供に何かあったときのホットラインの設置など、つまりサポーターのサポート体制、これをしっかり組むことも考えなくてはなりません。
 事業自体を否定するわけではありませんし、もっと拡充していただきたい。ファミリー・サポート・センター事業は、にわか里親制度と名づけてもいいぐらいで、人間関係が希薄になりつつある社会で、社会が子供を見てくれるいい制度だと思います。ちゃんとせえと国に言うと市長から御答弁をいただきましたので、ちゃんと言っていただけることを心待ちにして、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

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