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2009年06月24日
09年6月議会の一般質問全文

 今日の質問の議事録を記します。なお、これは原稿ベースで、速報版です。実際の議事録は若干異なることをお含み置きください。正規は後に発行される議事録に拠ります。

《質問》
 こんにちは。民主クラブの山本忠相です。

 今回はH1N1型インフルエンザ、いわゆる豚インフルエンザの対応と今後の対策について、また選挙事務についての2つの分野について質問させていただきます。
 まず、H1N1型インフルエンザについてです。昨日の中村先輩議員から、今回のインフルエンザに対する市の対応について総括をしていただきました。そこで私は主に第2波、第3波に向けた対策についてお伺いします。現時点では今後の対策をどのように考えられていますか、お聞かせ下さい。

 次に、選挙事務についてお伺いします。
 昨今の各級選挙では投票率の低下が顕著になっております。特に若年層の投票率低下は明らかで、例えば、平成17年に行なわれた第44回衆議院総選挙では20歳代の全国平均投票率は46.20%、30歳代で59.76%、最も高い年代は60歳代で83.08%と、およそ37%から23%余りの差があります。
 全ての市民に政治参加をしていただくのが理想ですが、ここ十数年来の不況で生活を安定させることが最優先されるなど、政治に関心を持ってもらうまでの余裕がないことが窺われます。しかし、政治は生活であるということも忘れてはなりません。
 日々の生活に追われながらも半数の若者は投票に出かけています。投票機会の拡大を願い、2003年12月からは期日前投票制度も設けられました。何かと手続きが煩雑であった不在者投票制度から変わり、大変手軽に選挙日前の投票が行えるようになりました。
 本市においてはこれまで期日前投票所は、市役所西側にある商工会議所ビルの選挙管理委員会内にありましたが、最近では河北コミュニティーセンターにも置かれています。まず、河北コミセンに拡大設置した経緯をお答え下さい。
 またそもそも論として、期日前投票所の設置理念についてどうお考えですか。お答え下さい。
 以上で第1問といたします。

《有本健康福祉局長 答弁》

 新型インフルエンザH1N1については、その感染力や毒性等の特性が明らかになりつつあり、国も医療対策や検疫体制等を見直し、新しい方針が示されました。
 和歌山市においては、現在、市民にとって身近な医療機関を受診できるよう、「発熱外来」を設置可能な医療機関を「和歌山市新型インフルエンザ外来診療協力医療機関」として公募し、病院・診療所等30医療機関を登録しています。これらの登録医療機関には、診察・検査時に必要なマスクやフェースシールド、手袋等の個人防護具を配布し、疑い患者の受入体制を整備しているところです。
 今回の新型インフルエンザは、季節性インフルエンザと臨床的にはほぼ同等の毒性であるとされていますが、ほとんどの市民が免疫を持たないことは事実であり、二次感染力は季節性インフルエンザの数倍であることや、若い世代が感染しやすく、諸外国での重篤例や死亡例も若年層に多い特徴があります。一方、次の大きな流行が予測される時期は、季節性インフルエンザの流行シーズンでもあり、両者の鑑別は非常に難しいものとなります。
 これらを念頭に、新型インフルエンザH1N1も季節性インフルエンザと同様の医療体制の中で診断、加療される体制を確保しつつ、ウイルス学的サーベイランス等を的確に行うことで、流行状況を早期に把握する仕組みづくりが求められています。さらに、重症化した場合の医療の確保に重点を置く必要があり、透析患者や妊婦、そのほか基礎疾患を有する方々への対応について、準備を整えねばなりません。
 なお、これらの対応は、現在の毒性のまま変異しなかった場合であり、強毒性に変異した場合や別の強毒性の新型インフルエンザが発生する可能性も危惧されており、強毒性ウイルスへの対応も視野にいれた体制整備が必要と思われます。
 以上のことから、和歌山市としては、現在機能している「登録医療機関」や「病床確保協力医療機関」等を核にしながら、新しい医療体制を確立していきたいと考えており、これらの新型インフルエンザの医療に中心的に関わっている医療機関や市医師会、市薬剤師会、県病院協会と和歌山市で構成する「和歌山市新型インフルエンザ医療専門部会」において、今後の医療体制の在り方について具体化してまいります。また、個人防護具や患者の医療に必要な資器材の備蓄等についても、状況を見極め、進めていきたいと考えます。

《岩城選挙管理委員長 答弁》

 まず1点目、期日前投票所を、河北コミュニティーセンターに拡大設置した経緯についてのご質問ですが、紀ノ川北部の有権者の増加、セキュリティー、利便性及び投票率の向上等を検討した結果、継続的に使用できる市の施設であり、駐車場の確保が容易で、利便性に優れた環境であると判断し、平成19年4月の統一地方選挙から、設置したものでございます。
 次に2点目、期日前投票所の設置理念についてですが、期日前投票所として、継続的な使用、セキュリティーの問題、駐車場の確保、利便性など、勘案し、現時点におきましては、市の施設等に、設置することが望ましいと考えております。


《再質問》

 まずはインフルエンザの対策についてです。本市における今後取り得る対策についてお答えいただきました。当初、このインフルエンザが発生し始めたとき、我々はその正体をはっきりと知りませんでした。得体の知れないものを相手にしていました。その後の調査研究でH1N1型だということが分かったわけです。私が今回の質問の中で一度も「新型インフルエンザ」という言葉を使わなかったのにはわけがあります。
 「新型」と聞けば、あたかも新種が発生したかのように思われますが、実はすでにH1N1型インフルエンザは過去に大流行しています。90年前の1918(大正7)年の秋、H1N1型インフルエンザはスペイン・インフルエンザとして日本に襲来し、たった3週間で全国に広がりました。結局このスペイン・インフルエンザは1920(大正9)年の春までに2回大流行しています。我々はこの歴史から学ばなければなりません。
 スペイン・インフルエンザの2回の流行は当時「前流行」「後流行」と呼ばれました。「前流行」と「後流行」の趣は少し違います。「前流行」は罹患率は高いものの死亡率は比較的低く、「後流行」は罹患率は低いものの死亡率が高かったのです。残念なことに京阪神地区では、1919(大正8)年暮れから始まった「後流行」で全国最大の死者数を出すことになってしまいました。
 現在我々が置かれている状況がまさに「前流行」ではないかと思われます。そして秋から第2波である「後流行」に入っていく。そうすれば一気に罹患者が増加します。国内では数千万人が感染すると想定されています。そのときに、ご答弁いただいたように市内30医療機関だけで対応できるのでしょうか。対応しろと言っても急にできるものではありませんから、今から市内の全医療機関が対応できるように今から準備するべきではないかと思います。実際、仙台市では発生初期から医師会傘下の全医療機関―これは市内の小児科や内科の病院・診療所の8割―が診療するようになっているそうです。この点、当局はどのようにお考えでしょうか。
 先のスペイン・インフルエンザでは青年・壮年層を中心に、世界中で4000万人の死亡者が出ました。実際今回のH1N1型インフルエンザでも、初発地のメキシコでは高齢者の罹患が少ない一方、若年層に大きな被害が出ています。しかし、スペイン・インフルエンザやその後発生したアジア・インフルエンザ、香港インフルエンザでも同じように、初期には若い年齢層に被害が多いものの、後期には高齢者の患者が多くなっています。ご答弁の中では、「透析患者や妊婦、基礎疾病を有する方」への対応を整えるとお答えいただきましたが、後期に至っては高齢者も含めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 ここまでは地上戦についてお話しましたが、ここからは情報戦についてお話します。
 これまでは患者が発生するたびに記者会見を行っていました。そこまでする必要があるのでしょうか。欧米各国でも患者が発生するごとには記者会見はしません。ただ「感染者が発生している」と言う事実だけは市民に対して情報を発信する必要があります。同時に確認した感染者が全てではないことも市民に認識してもらわなければなりません。どこでもウィルスに感染する可能性があることを市民に認識してもらい、感染することが特別ではないことを知ってもらう必要があると思います。
 公表すべき場合は、公的機関のスタッフが市民サービスに従事していた場合、またサービス業に従事していて、多数のお客さんに接している場合などに限るべきであると思いますが、いかがでしょうか。
 次に、H1N1型インフルエンザの「弱毒型」という言葉についてです。今まで私は「弱毒型」というのは症状が軽い病気をもたらすという意味に捉えていましたが、実はそうではありません。弱毒型は体内に侵入したとき呼吸器や消化器に留まります。しかし強毒型は全身の細胞が持つ分解酵素と反応するために、全身性の出血などを引き起こします。これが弱毒型と強毒型の違いです。こういう正しい情報を、市民はどの程度持っているのでしょうか。
 スペイン・インフルエンザは晩夏から秋にかけて拡大しました。今回のH1N1型インフルエンザも今現在、国内の各地で頻発しています。インフルエンザは冬のものだという意識を払拭してもらわなければなりません。こういった情報をどのように市民に伝えていくのでしょうか。
 厚生労働省のホームページには、「第一種」「第二種」感染症指定医療機関という分類や、「感染症病床」「結核病床」という分類が載っているだけで、医療現場が最も知りたい、隔離室や陰圧室の数は載っていません。本市では外来と入院それぞれの個室と陰圧室の数を把握していますか。把握しているなら、早急に公表すべきですし、把握していないなら、早急に調査すべきですが、いかがですか。
 そして、すべての病院の外来に隔離室を用意し、個室のドアに設置すれば陰圧室になるポータブル前室やプレハブを建てるべきと考えます。国からの補正予算でこれらの対応ができないでしょうか。

 次に選挙事務について再質問させていただきます。
 先程は期日前投票所についてお伺いしましたが、投票行動自体、例えば日々の買い物と一緒に、通勤の行き帰りにできるようになれば、投票率が上がるのではないでしょうか。和歌山駅や市駅、パームシティや最近できたイズミヤ川辺店の中に投票所があれば、とても便利だと思います。
 イオングループは全国で比較的理解をして協力されていると聞き及んでおります。仮称和大新駅横に店舗を設置されるとのことです。一度お話しされてみてはいかがでしょうか。
 ということで、駅やショッピングセンター内に投票所を設置することができないでしょうか。
 また高齢化で出歩きにくくなっている方も多くいらっしゃいます。そういう方の投票機会を奪わないためにも、移動図書館の投票所版、移動投票所を実施することはできないでしょうか。
 それぞれについて、期日前投票所として設置の場合の見解もお聞かせ下さい。
 以上をお伺いして、第2問といたします。

《有本健康福祉局長 答弁》

 6月19日に改定されました医療の確保等に関する運用指針によりますと、今後の第2波が危惧される中、患者数の急激で大規模な増加を出来るだけ抑制・緩和し、社会活動の停滞や医療供給への影響を低減させるとともに、医療機関の負担を可能な限り減らし、重症患者に対する適切な医療を提供するという基本的な考えから、原則すべての一般医療機関で外来対応をすると示されています。
 本市では、市民にとって出来る限り身近な一般の医療機関で受診可能なように、診察待ちの区域や診療時間を分けるなどを条件とし、「登録医療機関」や「病床確保協力医療機関」等に取り組んでいるところです。
 現在の登録状況は、30医療機関ですが、到底、次の流行期には、対応しきれません。これらの医療機関での実績を踏まえ、基本的には、ほとんど全ての医療機関に登録医療機関となっていただけるよう、市医師会、県病院協会、市薬剤師会等と連携し、取り組みを進めたいと考えています。
 現在、WHOやCDCが発表しているアメリカ等における重症者等に関する情報により、小児、成人を問わず、基礎疾患を有する場合に重症化する事例が報告されていますし、基礎疾患がない健康な若年成人においても、時に重症化する事例があり、社会的影響が大きいことからも注目されています。感染拡大が進むに伴い、高齢者を含むあらゆる世代において感染が拡大する可能性が危惧されます。現段階では、高齢者での感染者は少ない状況ですが、高齢者では、基礎疾患を有する者の割合が多いことや、免疫状態は低下すること、施設等の利用者も多いこと等から、高齢者への対応も、重視する必要があると考えます。
 今回の報道についてですが、和歌山市としては、市民の皆さんに正確な情報を迅速に提供し、情報の共有と感染拡大・予防対策につなげていくことや市民の不安の取り除くこと等を目的に、情報提供を行ってきました。
 国内における患者発生の初期においては、「新型」ということで、まだその病態も十分に明らかになっておらず、かつ、国内発生初期の事例等については、国の行動計画や感染症法に基づき、どの自治体も迅速に情報提供するために、記者会見等を行っております。
 和歌山市でも、患者発生時には、感染拡大防止対策の一環として取り組んだ患者や接触者の方々に対する対応等について、また、市民の方々にインフルエンザ予防策として取り組んでいただきたい事項等について、必要に応じて報道の機会をもちました。
 現在では、国内での感染者の病態等も明らかになり、各自治体における対策の方向性も経験を積む中で整理されてきたため、次第に報道の姿勢も変化してきているように思われます。市としては、今後も、市民に対し、必要な情報が適切に提供されるよう努めたいと考えます。
 市民への正確でかつ迅速な情報の提供をどのように行うかは、非常に重要な課題です。
 今回の新型インフルエンザ対策については、和歌山市感染症情報センターのホームページに、新型インフルエンザのページを作成し、随時市民向け、医療機関向けの情報を発信しています。また、啓発用のパンフレットやチラシを作成し、市の関係機関や医療機関、市民が多く集まる大型商業施設、学校や保育所、高齢者や障害者等の施設など、可能な限り多くの機会・手段をとらえて啓発に取り組んできました。
 議員のご指摘を踏まえ、より正確な情報、詳しい情報の提供に取り組みたいと考えます。
 和歌山市における新型インフルエンザの医療体制については、「和歌山市新型インフルエンザ医療専門部会」等において、医療機関等と協議しながら、進めております。
 その会議の中で、新型インフルエンザを疑う市民の方に対応可能な外来の設置や、病床の確保等について、具体的に意見交換しつつ、市としての外来及び病床等の確保計画を進めきています。和歌山市では、市内に感染症指定医療機関がない状況で、これらに取り組んでおり、外来の確保数や病床の確保数、うち陰圧室の数等については、会議の都度、明確にして情報共有しています。最近では、入院病床も必ずしも陰圧室である必要はないとも言われており、感染拡大の状況や病態等の状況により、今後さらに調整が必要な状況ですので、現時点では公表はしていません。
 なお、医療体制についてのご質問でも答弁しましたように、今後、可能な限り多くの医療機関に登録医療機関となっていただけるよう、必要な施設整備等については、各医療機関に具体的にご検討いただき、国の補正予算の活用も含め、県とも連携して支援できるよう取り組んでまいりたいと考えております。

《岩城選挙管理委員長 答弁》

 1点目、駅やショッピングセンターなどに、投票所を設置してはとのご質問ですが、投票所につきましては、公職選挙法第20条第2項により選挙人名簿は、投票区ごとに編成しなければならないため、各投票区で投票できる有権者は限定されます。従いまして、駅やショッピングセンターなどに、投票所を設置しましても、誰もが投票できるわけではございませんので、設置は難しいと考えております。
 次に2点目、高齢化で出歩きにくくなった方のために、移動投票所を設けることはできないかとのご質問ですが、1投票区1投票所主義という観点から移動投票所につきましても、投票所として設置はできないと考えております。
 最後に3点目、期日前投票所としての設置についてどう考えているかとのご質問ですが、投票の秘密や選挙の公正を確保するために必要な場所及び設備を有し、投票所の秩序を適切に保持できるなど、解決しなけらばならない諸問題がありますので、今後研究して参りたいと考えております。


《再々質問》

 まずは、インフルエンザの対策についてですが、現役の医師の意見を聞きつつ、私なりの考えをぶつけさせていただきました。かなり細かいところまで質問をさせていただきましたが、しっかりとご答弁いただき、何とか被害を小さく抑えたいという想いが、市民の皆さんにも伝わったのではないかと思います。 保健所の皆さんには、これという正しい答えがはっきりしない中で第2波に向けた準備をしていただいています。一層市民の安全・安心のためにご尽力下さいますよう、よろしくお願いします。
 
 最後に、投票所についてですが、法律による縛りがあり、実現が難しいとのことでした。ただ、例えば期日前投票所を設置するのに実際は数百万円かかっているのに、国の支出金は数十万円しかないとも聞き及んでおります。あまりにも現実との乖離がありすぎます。国民・市民の大切な権利を行使していただくために、私も国に対して改善を求めていきますし、市選管からも意見を上げていただきたい。全ては市民の目線で考えるべきだと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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