混迷から激動へ
ニュースでもかなりやっていましたから、すでに皆さんご存知だと思いますが、鳩山総理が辞任を決意されました。小沢幹事長も連れ立って辞任されます。
私は9時40分頃に辞任のニュースを耳にし、テレビの前にずっと座っていました。鳩山総理がどんなお話をされるのか、両院議員総会の始まりを、不安を持ちながら待っていました。
総理のお話は皆さんもご覧になった通りです。改めてご覧になりたい方は上のYouTubeでご覧下さい。
今まで、普天間問題などで行っていたぶら下がりのコメントと比べて、本当に力のある、腹にぐっと来るお話でした。20分近くメモも持たずお話され、それでもおそらく漏れはなかっただろうと思います。
政権交代がある程度形作られるまでには、相当の時間がかかります。植物に例えれば、種を植え芽が出るまでの期間が、昨年の8月に行われた衆議院総選挙から今日までだったと思います。ここから芽が大きく育ち果実を結ぶのが次の期間で、果実が熟するのがまた次の期間だと思っています。
鳩山総理や小沢幹事長は政権交代第1世代で、まさに政権交代を実現するという目標を見事にやり遂げて下さいました。第2世代の使命は、これを大きく飛躍させることです。第3世代の使命は、政権交代の成果を国民に享受していただくことだと思っています。ですから、後は第2・第3世代に任せていただきたいと思うのです。
鳩山総理は演説の終わりしなに、自分は宇宙人と言われるということに触れられました。その理由は、現実と余りにも飛躍している理想を述べられるからだと思いますし、その点はご本人も認めていらっしゃいました。しかし、今の政治家では唯一「理想」を高々と掲げてらっしゃる政治家だったのではないかと思います。
確かに、政治家は理想を持っていないとやっている意味がありません。しかし、飛躍しすぎると有権者から理解されず、それはすなわち選挙で選ばれないことを意味し、何も実行できなくなってしまいます。ですから、どんな人にも理解してもらえる現実にかなり近い理想しか言わないし、言えなくなってしまっているのだと思います。
しかし、鳩山総理は「友愛」をキーワードに多くの「理想」を掲げてこられました。長くその姿勢を貫いてこられました。私の知る限り、少なくとも私が政界に飛び込んだ1999年から、その姿勢は変わってらっしゃいません。普天間問題のコメントを聞いていても、本当に真面目な方だというのが分かります。真面目すぎてごまかしがきかないのでしょう。
その真面目さが沖縄県民を失望させ、全国民を混乱に陥れたことも事実であり、猛省しなければならないと思います。と、同時に沖縄の基地問題に正面からぶち当たり、国民の目を沖縄に向けさせたことは、今まで避けて通ってきた点からすると、評価されるべきだと思います。それでも、沖縄県民以外はまだまだ基地のことを知りません。ある沖縄県議さんに聞いたら、マスコミに乗っからないことがワンサカあるそうです。
次の総理・代表は誰になるか分かりませんが、潮目は変わりました。変わったと私は思っています。混迷から参議院選挙を挟んで、激動へと移っていきます。少しでも早く、政権交代の果実が安定して享受できるようになるよう、願うばかりです。
鳩山総理の辞意表明を機に、少し私の思うところを述べさせていただきました。
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