荒んだ社会にタイガーV
この年末から、「タイガーマスク」「伊達直人」を名乗り人物から児童養護施設にランドセルや文房具、現金などの寄付が続いています。
年が明けてからも同じようなことが、全国で見られるようになりました。おそらく最初のタイガーマスク登場のマスコミ報道を見て、次々と突き動かされた方が出てきたのでしょう。
「タイガーマスク」「伊達直人」以外にも「矢吹丈」や「桃太郎」まで現れました。そして和歌山にも「伊達直人」が出てきました。紀の川市役所に現金を託していったそうです。これらの動きに、マスコミは「タイガーマスク運動」なる名前をつけています。
ちょっとしたブームのようになっていますが、こういう状況をCNNファクター(CNN Factor、CNN要因)やCNNエフェクト(CNN Efect、CNN効果)と言います。アメリカの大手ネットワークCNNが流した情報により、人々が動かされ、ちょっとしたブームのようになることです。今回の「タイガーマスク」も同じだと思います。
ただ、元々私達の気持ちの中に、今の荒んだ社会を何とかしたいという想いが募っていたところに「タイガーマスク」が現れたのです。幼児児童や高齢者といった社会的弱者に対する虐待や、高齢者が所在不明になったり、遺体を隠され年金が不正受給されていたりと、人を人として扱わない社会の闇に光が当たりました。
このような現象を目の当たりにする度に心苦しく思い、また何とかしたいと思っていたはずなのです。そこに「タイガーマスク」が現れ、タイガーV(タイガーマスクの必殺技です)を食らわしたのではないでしょうか。
残念ながら、荒んだ社会を作った責任の一端は、政治の世界の我々にもありますし、少しでも改善していくようにするのが、我々の仕事の一つだと思っています。
私は民主党の一員ではありますが、今の子ども手当制度は必ずしも子供達にとって為になる制度だとは思っていません。改善が必要だと思います。老後を安心して生活していく社会保障を創り上げることも急がなければなりません。
今回の「タイガーマスク」登場は、これらの状況に対する国民の叱咤であり、ただ単なる美談に終わらせてはならないと思っています。
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