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2011年09月15日
2011年9月議会の一般質問全文

 今日の質問の議事録を記します。なお、これは原稿ベースで、速報版です。実際の議事録は若干異なることをお含み置きください。正規は後に発行される議事録に拠ります。

《質問》

 民主クラブの山本忠相です。
 まずは、先日の平成23年台風12号による水害で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に対しお見舞い申し上げます。民主党の一員として、政府に対し、一日も早い激甚災害指定の決定をしていただけるよう求めていく所存です。
 さて、今回は市有財産の管理について質問させていただきます。
 去る6月議会において、旧第1清掃工場の解体撤去工事にかかる補正予算約6500万円について審議され、私も賛成し、本議会で可決されました。この予算について、今更異論を挟むつもりはありません。
 しかし、昭和60年の稼動停止から先の議会における補正予算提出までの経緯や状況については検証する必要があると考えます。
 昭和46年から稼動を開始した旧第1清掃工場は昭和60年に稼動停止し、13年後の平成9年に旧厚生省の財産処分承認を受け、平成11年度には煙突の撤去工事を行いました。
 その間、平成9年8月には旧厚生省が大阪府豊能郡にある豊能郡美化センターの周辺土壌を調査、同年11月には高濃度のダイオキシン類を検出、翌10年9月には豊能郡美化センターのダイオキシン汚染を発表しました。平成11年度中にダイオキシン類対策特別措置法が施行される中、平成12年7月豊能郡美化センターの解体工事に従事していた作業員の血中から高濃度ダイオキシン類が検出されたとの報道を受け、ダイオキシン類に対する厳しい規制が敷かれ、平成13年には廃棄物焼却施設解体作業マニュアルが出されるに至ります。
 これを受けて、平成15年に第1清掃工場解体に向けたダイオキシン類の調査を行い、16年事前調査に基づく解体実施の設計、17年に工事の計画を行ったが、同時期平成10年に稼動休止した第2清掃工場の煙突が倒壊する可能性があるとのことで、その解体工事を先に行い、第1清掃工場に係る解体工事を延期しました。
 また同時期、本市の財政が悪化、第1清掃工場解体工事は先送りされてきました。平成22年度国の当初予算で循環型社会形成促進交付金を利用した第1清掃工場跡地利用を含めた計画を立てるも、国の予算措置が見送られたために再び延期。
 その間にも、県から施設を撤去するよう再三再四指導され、平成21年の県市連絡協議会においては、撤去が正式に申し入れという形で言われました。
 平成22年6月外装鉄板部の剥離が市民からの通報で認められ、職員さんが応急手当を行い、解体に向けた予算が組まれることになった。しかし、改めて設計を行ったら、老朽化があまりに進んでいて、ダイオキシン類の洗浄に使う高圧水流に建物が耐えられないから、補強してから解体するという、皮肉で無駄な状況になった、ということで、今日に至っています。
 先の6月議会厚生委員会での質疑でも、法律との絡み、技術的な課題などが出ましたが、何より予算の問題が大きいと感じました。
 次に、先の委員会審査でも出てきた鍵となる言葉は「ほったらかし」だと思います。用途廃止になったとは言え、元は市の施設、市民の財産であります。市民から信託されながら、管理はすれど活用はせず、というならば市の責務に対する意識が非常に希薄と言わざるを得ないと考えます。ひょっとしたら、他にもあるのではないかと思い、調査しました。
 例えば、加太地区会館大川分館の建物。昭和23年に加太小学校大川分校の校舎として建設されましたが、児童数の減少により昭和39年休校となり、以降校舎は地区会館として地域で使われるようになりました。しかし昭和53年、隣地に新しい建物ができてから使われることがなくなり、昭和63年、同校の廃校とともに建物の所管が市教委から自治振興課へ異動。そのまま現在に至っています。
旧第1清掃工場や加太地区会館旧大川分館のような物件を「負の遺産」と呼んだりします。
 保健所横の旧城南病院跡地。建物の大部分は交通安全対策課に貸し出され、放置自転車の保管場所として利用され、いくつかの部屋は介護保険課などの書類保管庫や災害発生時などに必要な備品の備蓄庫として使われていました。中には病院だったときの消毒室などに器械器具が収められたままの部屋もありました。
 このような財産の維持管理について、どのようにお考えですか。お答え下さい。

《松見副市長 答弁》

 議員ご指摘の加太地区会館大川分館内にある旧大川分校については、建物が非常に老朽化しているため跡地利用を含め検討しています。旧城南病院につきましては現在放置自転車の一次保管場所や災害用備蓄晶の保管場所として活用しています。その他の老朽化した施設につきましても、まず必要性の観点から検討し、必要性の高い施設については更新や修繕による延命化対策を講じるとともに、必要性が低いと考えられる施設については他の施設への転用や用途廃止後、売却も含めた跡地の有効利用などを図ってまいります。

《再質問》

 お答えをいただきましたので、第2問に入らせていただきます。
 老朽化した施設については、必要性の観点から分別して、必要なものは使い続ける、必要性の低いものは次の手立てを考えるというご答弁でした。
 おっしゃるようにできていれば、私が質問する必要もないのですが。議事録を見ると、未利用地や遊休地の話は、議会において過去何度も取り上げられています。
 旧第1清掃工場についても、色々と手立てを考え、タイミングを計り、予算の都合をつけようとしていたことは理解しています。現在の担当課が積極的に、今このときに過去の負の遺産を後始末しようと動かれていることには敬意を表します。しかし、それでもなお、これまでがほったらかしていなかったと言い切れる状態ではないですし、ほったらかしていたことは委員会での審査席上、当局自身が認められたことです。
 また今回、奇しくも議案第13号にある中筋日延児童遊園の問題も、本来市当局が行っておくべき手続きをほったらかしておいたために発生した事案であり、後世に無駄な負担をつけ回しする重大な過失があると考えます。
 先程例に挙げました、旧大川分校の校舎は新しい会館の隣にあります。当局は旧校舎が地震に襲われたとき、倒壊の可能性があると想定していらっしゃるようですが、想定外のことが起こるということは、3月11日東日本大震災で被災地の現状からご理解いただいているはずです。場合によっては、隣に倒れこんで現会館をつぶし、とりあえず雨風をしのぐ避難所としての機能を失わせ、その瓦礫が避難を妨げ、2次災害を招きうるということも考えなくてはなりません。
 旧城南病院の建物は耐震補強がなされていません。おそらくそこまで手を掛ける建物ではないということなのでしょう。それが地震で倒壊し、隣の民家に倒れたら、家はひとたまりもありません。それで人命が失われたら、どんな言葉を発せられるでしょう。
 これまでいくつかの具体例を挙げてきましたが、これら管理行き届いていない形態をその性質から4つの体系に分類してみました。

①持て余し型・・・現在あるものを次の方向性が決めきれず、持て余しているもの。
 これに当てはまると思われるのが旧発明館で、旧発明館は平成21年3月に閉館し、土地建物を売却すべく一般競争入札を行いましたが、不調に終わっています。まだ次の方向性が決まっていません。休止中の本町駐車場もこれになると思います。
②事情型・・・様々な他の事情が絡んでくるもの。
 これには、現在放置自転車の保管場所に使っている旧城南病院の建物、また水道局が所管している西脇配水池跡地は、両隣の土地所有者との関係があり、また2件の受水槽跡は隣地所有者との関係から、そのままにしておかなくてはならない状態です。
③放置型・・・これは役目を果たしていないのに放置されているもの。
 これには加太地区会館旧大川分館があたると思います。旧第1清掃工場はこれと事情型の半々といった形だと思います。
④怠慢型・・・これは当局の怠慢により、現状に至っているもの。
 建物では見受けられなかったのですが、中筋日延児童遊園の権利についてはこれに当てはまると思います。

 こうして現状分析をした上で、2つの問題点があると思います。
 1つ目は、市当局内に各部局で管理しているものも含めた市有財産を完全に把握している部署がないということです。だから長期間ほったらかしになっていたり、権利の書き換えがなされていなかったりということが起こるのではないでしょうか。
 また、今あるものを有効に活用する上でも、このような機能が必要ではないでしょうか。例えば、旧発明館ですが、売って現金化するのもいいのですが、市役所に程近い一等地で、同様の土地を付近で探すのは至難の業です。そんな時、一括把握している部署があれば、産業部局内で持て余していても、他の部署での需要が見込め、活用も可能ではないかと考えます。
 もう一つの問題点は、作るときとつぶすときの財政措置の差です。公共施設を新たに作るときは、起債もでき、場合によっては補助が行われます。しかし解体撤去となると、起債も認められず、国による補助もありません。実はこのことは、東日本大震災の被災地も同じで、制度的な不備により街づくりの線引きさえできないとの問題点が浮かび上がっています。そんな実情を踏まえれば、新たな公共施設を建設する際には、30年、50年先をも見越して、その建物が役目を終えるときにおいても、自ら手立てしなければならないことも含めて進めなければならないと考えます。
 以上、2点の問題点について、市長のご見解をお伺いします。

《大橋市長 答弁》

 まず、1点目につきまして、中心市街地にある老朽化した施設の存廃及び処分について部局を跨いだメンバーで構成したプロジェクトチームを立ち上げ検討を行いました。今年度も庁内関係部局での協議を再開させているところです。今後も施設ごとにこのような取り組みを続け、市有財産のより適正な管理と有効活用を図ってまいります。
 次に2点目ですが、東海・東南海・南海地震などの災害に備え、特に防災上の観点から緊急性が認めら一れる施設の解体や除却については、私も重要なことであると認識しています。このような解体などを促進するためには制度がより手厚いものであるべきだと考えますので、財政支援などの拡充について引き続き国へ要望してまいります。

《再々質問》

 ご答弁をいただきました。
 中心市街地の施設について検討するプロジェクトを立ち上げたのが一昨年のことだそうです。なぜそのときに全市全庁に広げて行わなかったのか。その点が非常に残念です。
 市の財産には行政財産・普通財産の区分けがありますが、これらの区別なく、また担当の各部署で持っているとか、管財課で持っているとかの、主管の部署に関係なく、市の財産を一括して把握する部署を置くことが急務であると考えます。
 同じ轍を二度と踏むまいという強い意志をもって、「関係部局での協議」といったものにとどまらず、手札を把握し活かすという役割を置いていただくことを求めます。
 また、国に対して財政支援を要望していくとのご答弁でしたが、先程も申し上げた通り、先を見越した上で、自分で何とかするという気構えが必要になってくるのではないかと思います。
 以上、色々と申し上げましたが、改善していただけることに期待をして、質問を終わります

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