12月議会の最終日
今日で12月議会が閉会しました。最終日は、市当局から出された議案に対する常任委員会での審査の報告を受け、採決をします。
今議会に当局から出された議案のうち、特に注目すべきものは、下水道料金値上げの議案と、放課後の子どもを学校で預かってくれる若竹学級の利用料を徴収するという議案です。
まず、下水道料金値上げの議案です。下水道料金は平成19年9月議会で平均39.9%もの大幅な値上げがなされました。しかし、それまでにも平成9年、12年、15年と値上げを繰り返しています。
その主な原因は、現在も建設中であることと、すでに整備された地域での接続率の悪さです。
市当局の説明では、平成25年度にはこれまでの建設費用を賄ってきた市債償還(借金返済)の目途がつき、経営状況はかなり良くなるとのことでした。しかし一方で、初期に建設された管の老朽化が著しく、陥没事故なども発生しています。
また、市債償還の目途がついたからと言って、直ちに下水道料金が下がるわけでもありませんし、現在の使用者がそこまでの負担を強いられなければならないのか、という疑問もあります。高齢者の一人暮らしの世帯では、下水道の本管に接続する工事の費用が重く、家計と相談してできない事例も多くあることは知っています。こういう事例にどう対処するのか、その対応は大きな課題であると思っています。
ちゃっちゃと整備を進めなかった市当局の責任は重大ですが、和歌山市民にとっての財産となることや、生活環境を維持していく点から考えれば、致し方ないと判断しました。
ただ、自ら改善を進めてもらわなければなりませんし、これ以上の負担が発生するようであれば、それを認めることはできません。今後の経営計画なども市当局に質していきます。
次に若竹学級の利用料を徴収するという議案です。これはまず、今日の本会議での反対討論をご覧下さい。
今般上程されております議案第8号「和歌山市若竹学級費用徴収条例の制定について」に対し、民主クラブを代表して反対の立場から討論をいたします。
大橋市長! 市長にあえて問いたい。市長にとって放課後児童健全育成事業、若竹学級の政策はどのようなものなのでしょう?数多くある市の施策の中でも、重要なものの一つではなかったのですか?
大橋市長が就任され、初めて自ら手がけられた平成15年度予算の施政方針演説以降、9回全ての施政方針演説に「放課後児童健全育成事業」または「若竹学級」という言葉が必ず入っていました。昨年9月に行われた大橋市長3期目の所信表明演説においても、磨き上げる3つの力のうち、市民力の中に「放課後児童健全育成事業若竹学級の時間延長」が謳われました。
実際これは、重点政策の一つにも含まれています。それだけ市長が肩入れする、思いいれのある政策ではなかったのですか?
確かに、受益者負担の原則があります。費用の半額ぐらいは保護者に負担していただこうという国の指針が出ていることも理解しています。中核市41市中3市だけが無料であり、今回議案にある4000円という数字が、有料市における利用料・保育料などその名目に関わらず徴収する金額の平均から比べれば低いということも十分分かっています。
しかし、それをもってもなお、これまでと同じく提供することに大きな意義があるのではないですか。
本市財政が地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づくイエローカードになろうとした際も、何とか踏ん張って耐えて、無料化を維持し続けてきたではないですか!どうしてそのときの職員さんのご苦労を活かさないのか?そして何より、大橋市長の思いはどこへ行ってしまったのですか?
有料化して、制度を拡充する。これは誰でもできます。しかし、市民は有料化せずとも、制度を維持、できれば拡充することを、大橋市長に期待しているのです。
有料化することで、これまで重点政策として持っていた輝きはくすんでしまい、その他一般の政策になってしまうわけです。大橋市長はそれでもいいのですか?
委員会審査の席上、様々な家庭事情に対応できるよう、これから規則を検討し、定めるというお話でした。しかし、そもそも規則も含めた制度を定めてから条例を提出すべきであり、そのような当局の姿勢は容認できるものではありません。
議員各位には本討論に御理解を賜り、御判断いただくことをお願い申し上げまして、議案第8号に対する反対討論といたします。 |
ほぼこの中に、私の考えは書かせていただきました。大切に育ててきたはずなのに、残念ながらその本質を失おうとしています。市長の子育て政策についての考え方はどのようなものなのか?今後、議会で質してみようと思います。
和歌山市の財政もマシになったとはいえ、正直好転したとまでは言えません。市民の皆さんからは色々な要望が出てきますが、全部を叶えることはできません。しかし、子どもにかけるお金だけはケチりたくない、それが私の考えです。そのために大人が何かを我慢しなくてはならない場面が増えるでしょう。
場合によっては、嫌われてでもそれを言い通さなくてはならない時が来ると思います。その覚悟を持って、引き続き与えられた職務をこなしていきたいと考えています。
以上、今議会に上程された議案のうち、下水道料金の値上げについては賛成し、若竹学級の利用料を徴収するという議案については反対いたしました。一部からは「ええかっこしいや」といった声も聞かれましたが、私はこれで正しい判断をしたと考えています。
市民の皆さんでご意見があれば、ぜひお聞かせ下さい。
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