banner
profile
policy
activity
blog
db
link
rss
home

〒640-8235
和歌山県 和歌山市 東長町9-1
TEL:073-426-2475
FAX:073-426-2475
mail:

title activity
2011年12月16日
12月議会の最終日

 今日で12月議会が閉会しました。最終日は、市当局から出された議案に対する常任委員会での審査の報告を受け、採決をします。
 今議会に当局から出された議案のうち、特に注目すべきものは、下水道料金値上げの議案と、放課後の子どもを学校で預かってくれる若竹学級の利用料を徴収するという議案です。
 まず、下水道料金値上げの議案です。下水道料金は平成19年9月議会で平均39.9%もの大幅な値上げがなされました。しかし、それまでにも平成9年、12年、15年と値上げを繰り返しています。
 その主な原因は、現在も建設中であることと、すでに整備された地域での接続率の悪さです。
 市当局の説明では、平成25年度にはこれまでの建設費用を賄ってきた市債償還(借金返済)の目途がつき、経営状況はかなり良くなるとのことでした。しかし一方で、初期に建設された管の老朽化が著しく、陥没事故なども発生しています。
 また、市債償還の目途がついたからと言って、直ちに下水道料金が下がるわけでもありませんし、現在の使用者がそこまでの負担を強いられなければならないのか、という疑問もあります。高齢者の一人暮らしの世帯では、下水道の本管に接続する工事の費用が重く、家計と相談してできない事例も多くあることは知っています。こういう事例にどう対処するのか、その対応は大きな課題であると思っています。
 ちゃっちゃと整備を進めなかった市当局の責任は重大ですが、和歌山市民にとっての財産となることや、生活環境を維持していく点から考えれば、致し方ないと判断しました。
 ただ、自ら改善を進めてもらわなければなりませんし、これ以上の負担が発生するようであれば、それを認めることはできません。今後の経営計画なども市当局に質していきます。

 次に若竹学級の利用料を徴収するという議案です。これはまず、今日の本会議での反対討論をご覧下さい。

 今般上程されております議案第8号「和歌山市若竹学級費用徴収条例の制定について」に対し、民主クラブを代表して反対の立場から討論をいたします。
 大橋市長! 市長にあえて問いたい。市長にとって放課後児童健全育成事業、若竹学級の政策はどのようなものなのでしょう?数多くある市の施策の中でも、重要なものの一つではなかったのですか?
 大橋市長が就任され、初めて自ら手がけられた平成15年度予算の施政方針演説以降、9回全ての施政方針演説に「放課後児童健全育成事業」または「若竹学級」という言葉が必ず入っていました。昨年9月に行われた大橋市長3期目の所信表明演説においても、磨き上げる3つの力のうち、市民力の中に「放課後児童健全育成事業若竹学級の時間延長」が謳われました。
 実際これは、重点政策の一つにも含まれています。それだけ市長が肩入れする、思いいれのある政策ではなかったのですか?
 確かに、受益者負担の原則があります。費用の半額ぐらいは保護者に負担していただこうという国の指針が出ていることも理解しています。中核市41市中3市だけが無料であり、今回議案にある4000円という数字が、有料市における利用料・保育料などその名目に関わらず徴収する金額の平均から比べれば低いということも十分分かっています。
 しかし、それをもってもなお、これまでと同じく提供することに大きな意義があるのではないですか。
 本市財政が地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づくイエローカードになろうとした際も、何とか踏ん張って耐えて、無料化を維持し続けてきたではないですか!どうしてそのときの職員さんのご苦労を活かさないのか?そして何より、大橋市長の思いはどこへ行ってしまったのですか?
 有料化して、制度を拡充する。これは誰でもできます。しかし、市民は有料化せずとも、制度を維持、できれば拡充することを、大橋市長に期待しているのです。
 有料化することで、これまで重点政策として持っていた輝きはくすんでしまい、その他一般の政策になってしまうわけです。大橋市長はそれでもいいのですか?
 委員会審査の席上、様々な家庭事情に対応できるよう、これから規則を検討し、定めるというお話でした。しかし、そもそも規則も含めた制度を定めてから条例を提出すべきであり、そのような当局の姿勢は容認できるものではありません。
 議員各位には本討論に御理解を賜り、御判断いただくことをお願い申し上げまして、議案第8号に対する反対討論といたします。

 ほぼこの中に、私の考えは書かせていただきました。大切に育ててきたはずなのに、残念ながらその本質を失おうとしています。市長の子育て政策についての考え方はどのようなものなのか?今後、議会で質してみようと思います。
 和歌山市の財政もマシになったとはいえ、正直好転したとまでは言えません。市民の皆さんからは色々な要望が出てきますが、全部を叶えることはできません。しかし、子どもにかけるお金だけはケチりたくない、それが私の考えです。そのために大人が何かを我慢しなくてはならない場面が増えるでしょう。
 場合によっては、嫌われてでもそれを言い通さなくてはならない時が来ると思います。その覚悟を持って、引き続き与えられた職務をこなしていきたいと考えています。
 以上、今議会に上程された議案のうち、下水道料金の値上げについては賛成し、若竹学級の利用料を徴収するという議案については反対いたしました。一部からは「ええかっこしいや」といった声も聞かれましたが、私はこれで正しい判断をしたと考えています。
 市民の皆さんでご意見があれば、ぜひお聞かせ下さい。

 
2011年12月02日
2011年12月議会の一般質問全文

 今日の質問の議事録を記します。なお、これは原稿ベースで、速報版です。実際の議事録は若干異なることをお含み置きください。正規は後に発行される議事録に拠ります。

《質問》

 民主クラブの山本忠相です。今回は教育行政について2点お尋ねします。まず、福島県郡山市からの97人の子ども達の集団宿泊活動についてお尋ねします。
 この夏、福島県郡山市の小学5・6年生97人が和歌山に来てくれました。このことについては9月定例会の経済文教委員会でも報告されたと聞き及んでおりますが、ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんので、概要を少しだけお話したいと思います。
 この集団宿泊活動は「紀望」プロジェクトと名づけられ、募集から引率まで、郡山市側の手を煩わせることなく実施されました。8月1日に和歌山からバスで郡山市へ子ども達を迎えに行き、和歌山へ連れて来ます。約12時間の道程もバスの中でゲームをしたりなど、子ども達が飽きることのないよう引率の方が工夫をして下さったそうです。
 2日目は「和歌山を知ろう」というテーマで、和歌山城へ登ったり、市立博物館の見学、紀伊風土記の丘での体験学習、和歌山電鐡貴志川線のマスコットであるたま駅長に会いに行ったりしたそうです。
 3日目は「太陽の下、のびのび遊ぼう」というテーマで、マリーナシティでの自由行動、4日目は加太海岸での海水浴やよさこいの演舞鑑賞、加太少年自然の家での飯盒炊爨などが行われ、翌5日保護者の下へ送り届けられたそうです。
 終了後、市教委には多くの反響があったと聞き及んでおりますが、どのような反響があったのでしょうか。また、事業を行った率直な感想をお聞かせ下さい。

 次に中学校における学期制の変更についてお尋ねします。
 先日、新年度から中学校の学期制を2学期制から3学期制に変更すると、市教委から報告がありました。そこで、まず2学期制導入の経緯について調べました。
 市教委は平成16年度から2年度にわたって、2校で2学期制の試験導入を行いました。試験導入の結果を受けて、18年度から市内の全18中学校で本格導入しました。18年2月定例議会では、松井先輩が2学期制導入に疑問を呈する立場から、一般質問をされております。
 本格導入で2巡した6年目の今年、学期制を見直し、来年度から3学期制に戻すことが決定されました。
 そこでお尋ねします。まず、16年度から2年度にわたって行われた試験導入の際、2学期制採用について、どういう洗い出しの結果があったのでしょうか。また本格導入はどういう組織機構で検討決定されたのでしょうか。
 次に、2学期制本格導入6年目において変更するにあたり、この6年間どんな方からどういう反応があり、また市教委としてどういう課題を認識し、変更を検討するきっかけとなったのでしょうか。また変更の決定はどのようなプロセスで行われたのでしょうか。
また市教委は来年度から行われる予定の3学期制を「NEW3学期制」と名づけられています。「NEW3学期制」とはどのようなものか。2学期制導入前の「3学期制」との違いはどのような点でしょうか。
 以上をお伺いして、第1問といたします。

《大江教育長 答弁》

 集団宿泊活動「きぼうプロジェクト」は、多くの方々のご協力を得て成しえたものです。
 その活動の内容を、詳しくお伝えしたわけでありませんが、郡山に帰った子どもたちやその保護者からは、和歌山市の人々に対する感謝の声や子どもの成長を喜ぶ手紙が続々と届きました。
 なかでも、暑い盛りのこと、子ども達の衣類の洗濯を多くのPTAの方々が、心をこめてしてくださったことへの感謝の意は深く、「福島に対する心無いうわきにつらい思いをしていたなか、和歌山市民の温かさに触れて、親子でうれし涙を流した」という手紙をいただいたことは、強く心に残っています。
 私としましては、本事業を通して、郡山の子どもたちの心身の安定と健やかな成長について願うのはもちろんのこと、和歌山の人の「困ったときはお互い様」という温かい心意気に触れて強く胸を打たれ、心揺り動かされたというのが率直な感想です。

 次に学期制の変更についてです。
 まず、16年度から2年間にわたる試験導入時、実施した学校からは、授業時数が確保しやすいこと、また長期休業前の事務処理の軽減が、教育相談や部活動の指導の時間に当てられるなどの効果があるという報告がありました。また、本格導入に向けて、当時の校長代表、教育委員会事務局で組織された2学期制検討委員会において検討しました。
 次に、導入以降については、2学期制検証委員会において、継続的に検証を行ってまいりました。
 新学習指導要領の全面実施を翌年に控えた本年度は、教職員、保護者を対象にアンケートを実施し、改めてその成果と課題についての意見集約を行いました。
 その結果、授業時数の増加という所期の目的において一定の成果を得ることができたものの、学習意欲の向上や持続性、評価の在り方等で、課題があることが明らかになりました。
 これらを踏まえ、教育委員会では、2学期制から3学期制に移行することが適切であるという結論に達しました。
 最後に、NEW3学期制は、各学校の実態に合った学期ごとの中期目標、年間を通してPDCAサイクルの有用性を生かし、よりきめ細かな教育を行います。学期ごとの評価を提示することで、生徒個々の課題意識を高め、個に応じた指導を行うことを目指します。
 以前の3学期制と比較して、NEW3学期制は、2学期制の良さであった授業時数の確保を生かし、一層明確となる指導と評価の一体化によって、確かな学力、豊かな心、健やかな体を育むことができると考えます。
 以上でございます。

《再質問》

 それぞれお答え頂きましたので、2問目に入らせていただきます。まず、郡山市からの子ども達の集団宿泊活動についてです。
 ご答弁いただきましたが、今回の子ども達の受け入れは教職員はじめ、多くの方々、企業・団体の協力があって、成り立ったものです。おそらく普段から市教委や市当局に対して理解があり、それぞれがコミュニケーションをとっていたので、乗り切ることができたと考えれば、教育長からも感謝のお言葉がありましたが、本当にありがたいことだなぁと思います。
 まだまだ和歌山のコミュニティも捨てたもんじゃないと思いますし、今回のことを契機に一層地域でのつながりを考えるいい機会になるのではないかと思います。
 さて、事業については大成功でありますが、「やりました、成功しました、良かったねぇ」で終わってしまっては、非常にもったいないと思います。今回のノウハウを今後に活かしていかなければならないと思うのです。子ども達の精神的なケアの一環として、精神科医や臨床心理士などの専門家の意見も取り入れつつ、被災地支援の「和歌山モデル」としての構築を目指すべきではないでしょうか。
 和歌山市以外の被災地の子ども達の心をケアすることにも役立てられますが、和歌山市が被災したとき、外の手を借りられないときは自分たちで子ども達の心を癒してあげなければならない必要が出てきます。地域の小さい単位ででも活かせる方法を模索すべきだと思いますが、この点、当局としての考えをお伺いします。

 次に学期制の変更についてです。
 ご答弁にもありましたが、2学期制は授業時間が確保しやすい、長期休業前の事務処理が軽い、教育相談や部活動の指導の時間が取れるといった利点はあったものの、学習意欲の向上や持続性、評価のあり方等で、課題の解決が難しいとの結論を得て、3学期制に変更すると決定された、とのことでした。当初は、「とてもいいもので、バラ色の未来がある」風な捕らえ方をされていたのかもしれませんが、現実は違ったようです。
 導入時は利点と課題を天秤にかけて、結果、授業時間の確保、長期休業前の事務処理軽減、教育相談や部活動の指導の時間の確保に重きを置いた。それがなぜ今、どんなきっかけで、その天秤の傾きが変わったのでしょう。そう思うのは、私だけではないはずです。
 そして、NEW3学期制になれば、授業時間を確保しながらも、指導と評価の一体化によって確かな学力、豊かな心、健やかな体をはぐくむことができる、とのご答弁がありました。ならばはじめから、2学期制を導入せずとも、そこへ辿り着ければ良かったのにと、考えるのは短絡的でしょうか。
 さて、ご答弁の中にありました「2学期制検証委員会」は2学期制導入以降も継続的に検証を行ってこられたとのことです。
 この「2学期制検証委員会」は学校教育部長をはじめとして、教職員課長、学校教育課長、それぞれの課の副課長、専門教育監、専門教育監補、教育研究所長から成り立つ組織だそうです。では、検証委員会はいつから設置され、どのぐらいの頻度でいつ開かれたのか、お答え下さい。また検証委員会はいつから2学期制の課題を把握していたのでしょうか。
 それぞれお伺いをして、第2問といたします。

《大江教育長 答弁》

 今回の集団宿泊活動を通し、子ども達の心身のケアのためには、地域住民や学校関係者、企業や団体、また各関係機関と行政がそれぞれの持つカを結集し、補完し合ってこそ、よいものができるということを、身をもって確信することができました。
 このたびの東日本大震災をうけ、中核市41市、災害相互応援協定の広域災害時における応援体制が整備されました。このような中核市同士の連携のなかで、臨床心理士などの専門家の意見も取り入れながら、被災地の子どものための支援計画「和歌山モデル」の構築を検討していきます。
 集団宿泊活動の経験を生かし、和歌山市が被災したときは、学校、保護者、地域住民の三者の協力体制を中核に据え、企業・団体、関係機関、医療・心理の専門家などの地域社会が手をつなぎ、子どものために必要な支援を行えるような体制を模索していきたいと考えます。

 2学期制検証委員会は平成18年度に設置し、各年度2~3回程度開催するとともに2学期制を生かした学校教育の充実に向けた取組について、各中学校長に調査を行い、意見を収集しました。
 その調査などでは、授業時数が確保できる、授業内容の工夫改善が少しずつ進んできたという成果があげられました。
 課題として、学習習慣の確立や学習意欲を向上させる指導と評価の工夫、前期・後期の切り替えの難しさ等があげられ、改善に向けて校長会でも話し合いを重ねてきました。
 その話し合いの中で、課題がより明確になったため、本年5月、教職員、保護者を対象に2学期制と3学期制を比較したアンケ一ト調査を実施し、広く意見を集約しました。
 その結果、従前の課題であった学習意欲の向上や持続性、評価の在り方等の課題が明らかになりました。
 以上でございます。

《再々質問》

 それぞれお答え頂きましたので、3問目に入らせていただきます。まず、郡山市からの子ども達の集団宿泊活動についてです。
 先程も述べましたが、「やりました、成功しました、良かったねぇ」で終わってはいけないと思いますので、有事の際に今回の経験を活かせる方策を検討していただき、郡山の子ども達に向けたベクトルを、和歌山市の子ども達にも向けられるようにしていただきたいと思います。

 次に学期制の変更についてです。
 ご答弁いただきましたが、2学期制が始まって以降ずっと検証委員会が設置され、検証委員会に対して現場の校長から、2学期制の課題に対する意見が出されていたとの事でした。
 石の上にも3年と言います。1年や2年で見直せとは言いません。しかし、本格導入した年の1年生が3年生になった、一巡した年、本格導入をして3年目、試験導入から5年目に見直すべきであったのではないか、私はそう思うのです。3年5年やれば、良いも悪いも分かると思うのです。
 ご答弁にもあったように、確かに来年度から新学習指導要領に変わります。変わるので、それを契機に切り替えを行う。その点は理解できます。しかしそれは、子ども達をものさしに考えたのではなく、役所の論理ではないですか?
 2学期制も3学期制も、どちらも100%のものではありません。しかし、日本の気候や文化、風土、学校での行事日程などを勘案したとき、やはり3学期制が日本には合っているのではないかと思うのです。
 そのことは先程ご答弁の中にあった、市教委が本年5月、教職員と保護者に対して行ったアンケートで、教職員の56%が、保護者の64%が、「3学期制がよい」「どちらかというと3学期制がよい」と回答していることからも窺い知れます。
 子ども達に対して今よりよい学習環境を提供したい、その思いは現場の教職員さんや市教委の皆さんも共通にお持ちだと思いますし、保護者側も当然提供してほしいと思っておられるでしょう。単なる政策的な時間的の差で済むならいいのですが、事これに関しては、人の人生が懸かっている話です。人としての成長期、過ぎた時間は取り返しが利かない。ならばその思いに応えなければならない義務が市教委はあると思います。その点から考えれば、本格導入から6年経った今ではなく、3年目の時点で考えるべきではなかったのでしょうか。
 先程の、松井先輩が18年2月定例会で行われた質問の答弁で、当時の教育文化部長は「定期考査の間隔が長くなることにより、学習意欲が低下しないよう学習指導や評価の工夫などが必要であると考えてございます。そのため、定期考査だけでなく、ふだんから子供の学習状況をきめ細かくとらえ、学習課題や目的をしっかり持たせる指導の改善や、子供、保護者が学習状況を十分把握できる通知表や面談内容の工夫などを図るよう指示しているところでございます。」と答弁されています。
 今省みるに、結局この課題は市教委として克服できなかった、克服する策を出しえなかったということになるのでしょう。
 松井先輩は「2学期制のマイナス面を補完する制度が、今日現在において決まっていない」ことが問題であり、「みずからの決断をもって2学期制を導入するのであれば、その責任において、予想し得る制度のマイナス面を補完する方法を同時に提案し、広く理解を求める必要があ」ると問われましたが、同質問中にそのお答えはありませんでした。
 改善策を講じられたかもしれませんし、ご努力されたかもしれませんが、結局、私にはそのまま答えを見出せることなく、6年間やり過ごしてしまったのではないかと思えてなりません。
 当時の教育文化部長が答弁されたように「2学期制の趣旨が十分生かされていないと判断される学校につきましては、学校長に対して改善策の提出を求めるとともに、その内容によっては学校訪問なども実施し、本市の中学校教育の充実、発展を図ってまいる気概」をもって行われていたのであれば、3学期制に戻す必要もないのではないでしょうか。
 改めてお伺いします。3学期制への変更が、なぜ今なのでしょうか。試験導入の2年、本格導入の3年をあわせた5年が経過した時を期に再考すべきではなかったのか。機を逸したというお気持ちはありませんか。
 そして、市教委には人の人生を大きく左右する案件を取り扱っているという覚悟をもって取り組まれ、検討し、判断されましたか。
 私は3学期制に戻すことに反対しているわけではありません。しかし、安直に2学期制に飛びついてしまったのではないか、そして、ちょうど来年度から新学習指導要領に変わるから、学期制も変えてしまおうなどと、安易に考えているのではないか、その点を改めて確認いたしたく、質問させていただきました。
 市教委の覚悟と、新年度からの運営に対する決意をお聞かせいただいて、私の一般質問といたします。ありがとうございました。

《大江教育長 答弁》

 2学期制は、授業時数や教師と生徒が向き合う時間が確保できたり、工夫した体験活動を行うことができたり、いわゆるゆとりのある教育活動を展開できることが、良さであります。
 モデル校での試験導入の2年、すべての学校での本格導入の3年、合わせて5年が経過した時点では、評価と学習意欲という点で課題も見えてきましたが、本格導入から3年しか経過しておらず、当時はその課題を克服し、よりよい2学期制を目指している段階でありました。
 よって、教育委員会では、まだ移行を検討する時期ではないと判断していました。
 しかしながら、平成24年度から全面実施される新学習指導要領では、生徒の良い点や進歩の状況などを積極的に評価するとともに指導の過程や成果を評価し、指導の改善を行い、学習意欲の向上に生かすことが強く求められています。
 この学習指導要領の改訂に伴い、教育委員会として、生徒の確かな学力・豊かな心・健やかな体を育むために、2学期制と3学期制のどちらがより有効であるのか、2学期制検証委員会の提言を踏まえながら、真摯に議論を重ねました。その際、行った調査でも、全国的に2学期制から3学期制への移行や検討が進められていることが分かりました。
 これらの状況を踏まえ、教育委員会では、この機に、2学期制から3学期制に移行することが適切であるという結論に達しました。
 新年度から、2学期制で培ってきた成果を生かしつつ、一層指導と評価の一体化をめざし、教育効果が高まるような3学期制の構築を目指していく決意です。

 
Copyright(C)2006-2007 Tadasuke Yamamoto All Rights Reserved.