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2012年03月13日
もっと、ちゃんと学びたい!

 市議会は、委員会審査の2日目です。私が所属する厚生委員会では、市民環境局のうち、市民生活部と市民活動推進部に関する議案が審査されました。
 皆さんが一番ご利用になる住民票などの発行業務や、サービスセンターの運営、自治会運営に対する補助、NPO活動に対する支援などが、主な仕事になります。
 私は特に、NPO活動で、役所の業務でカバーできていない分野を取り組んでいる団体には、できるだけその活動が円滑に進むよう協力していただきたいと、市当局に要望しました。

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 さて、皆さんは「夜間中学」というのをご存知でしょうか?
 義務教育を受けるべき時期に、戦争や貧困により学校へ通うことができなかったため、大人になってからもう一度学び直したいと思う方々のための学校です。今夜は和歌山にある学校の公開授業を視察しました。
 と言っても和歌山の夜間中学、正式には夜間学校ですが、これは公が設置し、公が認めたものではありません。教室は児童館の一室。小学校教諭である吉本拓司先生がボランティアで教えてらっしゃいます。カリキュラムも決まっていません。卒業証書ももらえません。しかし、学びたい人と教える人はいるのです。
 上の写真で、一番右にいるのが吉本先生。真ん中の学習机に座っているのが生徒の北川順子さん(通称 順ちゃん)です。
 現在夜間学校は第2・4火曜日の夜7時半から9時に行われています。今日の授業は「日本国憲法を読み、その意味を知ろう」というものでした。
 本当は生徒が3人いるのですが、お一人はお家でお父さんの介護があり、もう一人は家の階段から落ちて腰を打ったとのことで、欠席です。通って来られるみんなはそれなりの年齢です。そういうこともあるのです。

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 今日は特別に授業を1時間にして、残りの30分で公開授業を参観した参加者と吉本先生・順ちゃんとで、色々とお話をしました。
 私が色々と質問して順ちゃんが答えてくれる中で、順ちゃんの「字知らんのが悔しい」「火曜日が楽しみ」という言葉が非常に重く、心に残りました。
 現在、公立の夜間中学がないのは和歌山県と滋賀県だけです。戦中戦後の混乱期に学童期であって、まともに学べなかった人は、和歌山市に約5千人いるといわれています。潜在的に学びたい人はいるはずなのです。しかし、現在はっきりと意思表示しているのは3人です。
 昨年3月に夜間学校の生徒を中心に署名を集めて、和歌山市教委に公立の夜間学校設置を陳情しました。しかし市教委は「予算」と「需要」を理由に、設置に向けた動きをしていません。
 戦争と、戦後期の生活苦で学校に通えなかった。これは本人の責任ではありません。かといって、特定の誰かが責任を取る性質のものでもありません。最終的には公がその力で守ってあげなくてはならないと思います。
 順ちゃんは70歳。残された時間はあまりありません。また夜間中学は高齢者だけの話ではありません。不登校やひきこもりなどの、今の子ども達にも存在させるべきものだと思います。
 私にどこまでできるか、どんなことができるか、まだ分かっていませんが、義務教育を受ける権利を全うさせてあげたいと思っています。

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