banner
profile
policy
activity
blog
db
link
rss
home

〒640-8235
和歌山県 和歌山市 東長町9-1
TEL:073-426-2475
FAX:073-426-2475
mail:

title activity
2012年06月18日
2012年6月議会の一般質問全文

 今日の質問の議事録を記します。なお、これは原稿ベースで、速報版です。実際の議事録は若干異なることをお含み置きください。正規は後に発行される議事録に拠ります。
 今議会から本会議のインターネット配信が行われています。録画配信は平日5日後から視聴することができます。 http://www.gikai-web.com/dvl-wakayama-c/

《質問》

 民主クラブの山本忠相です。今回は教育行政について質問させていただきます。
 記憶に新しいところですが、4月23日の朝、京都府亀岡市の府道で集団登校中の児童と保護者の列に車が突っ込み、児童2人と保護者1名が亡くなるという事故が発生しました。その後も千葉や愛知でも同様の事故が立て続けに発生しています。
 このような事故は今に始まったわけではありません。2002年1月21日朝、京都府綾部市で集団登校中の小学生の列に乗用車が突っ込み、1人が死亡、11人が重軽傷を負いました。2005年10月17日横浜市都筑区で通学途中の高校生らの列に乗用車が突っ込み、9人が負傷しました。2007年9月20日山形県南陽市で集団登校中の小学生児童2人が乗用車にはねられ、1人死亡。2008年12月4日埼玉県所沢市で集団下校中の児童の列に乗用車が突っ込み、1人死亡4人が軽傷。2011年4月18日、栃木県鹿沼市で登校中の小学生の列にクレーン車が突っ込み6人が死亡。ちょっと調べただけでもこれだけ出てきます。過去10年間に同様の事件で、全国の小学生2485人が犠牲になったとの統計もあります。
 また残念なことですが、5月27日和歌山市湊で4才の男の子が、見通しの悪いT字路で車にはねられて亡くなるという事故も起きています。
 ここで、和歌山県の車事情について参考までにお話しさせていただきたいと思います。統計上和歌山県全体の数字になりますが、人口の多い本市について、その姿をかなり映しているかと思います。
 全国消費実態調査という統計がありまして、これは家計の収入・支出及び貯蓄・負債、耐久消費財、住宅・宅地などの家計資産を5年ごとに調査しているものです。この中から2人以上の世帯について抽出した2009年の数字についてお話しさせていただきます。
 家庭での自動車普及率の全国平均は85.5%に対し、本県は95.3%で13位。1位は栃木県で97.8%、最下位は東京都の60.7%です。
 2台以上所有している割合は全国平均で40.7%。本県は59.5%で24位。最も普及率が高いのは長野県で74.9%、最下位は東京都の7.2%です。
 軽自動車普及率の全国平均は32.9%に対し、60.8%で本県がトップ。6.2%で東京都が最下位です。
 バイク・スクーター普及率の全国平均14.8%に対して、本県は42.1%とこれまたトップであり、全国平均の3倍近い値となっています。本市の職員さんでもバイク・スクーターで通われている方を多く見受けられる点からも、実感できる数字だと思います。
 以上、4つの統計からも、本県のモータリゼーションの状況がよく分かると思います。車が生活に浸透している、切っても切れない関係であれば、当然その裏で交通事故の確率が高まるわけです。
 亀岡の事件を受けて、本市においても教委が5月28日に「通学路緊急交通安全対策会議」を行ったと報道されておりました。
 さてそこで、この会議を開くに至った経緯、例えば誰が実施を提案し指示したのか、会議内容の検討はどのように行われたのか。どのようにとりまとめをされたのか。報道によれば、警察に対し市内20箇所の安全対策を要望したとありますが、当日の会議の内容をお聞かせ下さい。
 次に、平成22年12月議会で自転車の利用について質問をさせていただきました。その後について、質問させていただきます。
 中高生が通学時にイヤホンをしながら自転車に乗っているのは危険であるばかりか法令違反である。この点は学校現場でどのように指導されているのかとの質問に、大江教育長から「交通ルールを守りマナーを高めることは、みずからの命を守り、他者を思いやる心を育てることにつながります。今後も子供たちへの交通ルールの徹底とマナーアップを図るよう、各学校に強く指導してまいります。」とお答えいただきました。
 質問から1年半が経過しました。具体的にどのように指導され、それは現場の各学校でどのように実践されているのか。その効果をどのように検証されたのか。質問前と質問後にどんな変化があったのか。お尋ねし、第1問といたします。

《大江教育長 答弁》

 会議開催に至った経緯については、亀岡市での通学路における事故を重く受け止め、事故翌日に市立の全小中学校長及び幼稚園長に対し、通学路における危険箇所の総点検をするよう指示いたしました。
 その結果、19学校園から、信号機や横断歩道の設置、一方通行などの交通規制や、歩道・ガードレールの設置などの要望があり、担当課で現地の状況を調査しました。この報告を受け、私は改善策等について、早急な対策を講じるため、警察・県・市の関係者による合同会議を開催するよう指示いたしました。
 次に、会議内容の検討については、教育委員会で資料を作成し、警察・県・市の関係部署に提示し、検討した次第です。
 また、当日の会議の内容については、先ず亀岡市での事故を受けて、各部署から取り組みの報告があり、次に、交通安全対策として、警察所管の方策や道路管理者所管の方策について意見交換し、最後に各学校園からの要望を示し、検討を依頼したところです。

 交通安全指導については、児童生徒が交通社会の一員として社会的な責任を自覚し、交通規則を遵守するなどの適切な行動がとれるように、教育活動全体を通しで指導するとともに、家庭や関係機関と連携・協力することを通して継続的に取組を進めることが大切であります。
 具体的には、自転車を運転する際に、ヘッドホン等を使用し大音量で音楽を聴く行為や携帯電話で通話するなどの行為をしないよう啓発するチラシを全学校に配布し、生徒に指導するよう指示してまいりました。
 また、少年センターと警察が連携し防犯教交通安全パトロールを強化し、街頭での指導も行っております。
 学校においては、学級指導や学校行事などにおいて交通安全の指導時間を確保するとともに、各家庭に文書を配布し自転車のマナーアップを含む交通安全について保護者の方への啓発も行っています。
 その効果の検証として、一つのバロメーターですが、平成22年度の中学生の登下校時の自転車に係る交通事故発生件数は7件でしたが、平成23年度は1件に減少しています。
 また、高等学校では、昨年度、雨天時の自転車運転において雨合羽着用を指導した結果、事故が激減した事例が生徒指導部長会で報告され、全市的に広がりをみせていると聞いております。
 これらの結果に妄り、議員からのご質問後、生徒の自転車遠転時の交通安全に対する意識は向上し、マナーも改善されていると推察されます。
 今後も、家庭及び関係機関と連携・協力を図りながら、自転車の正しい乗り方を含めた交通マナーを一層向上させるよう」児童生徒の安全確保のための取組を継続してまいります。

《再質問》

 それぞれご答弁いただきましたので、再質問させていただきます。
 新学期が始まって間もない時期の亀岡での事故。それからひと月経っての会議の開催。これは比較的対応が早かっただろうと思います。各学校の状況を聞き取った上で、保健給食管理課においてその現場を全部見に行かれたと伺いました。そのような下準備の上で開催された会議ではありますが、しかし、会議の内容を聞くにつけ、この会議の開催はこれでよかったのだろうかと疑問に思うのです。
 通学路の設定や各学校からの改善要望は、まず学校がPTAや地元自治会と協議し、その結果を保健給食管理課に報告。保健給食管理課は道路管理者の県や市の担当課に歩道整備やガードレールの設置を求め、また市の地域安全課を通じてないしは直接所轄の警察署に信号設置などを求めていくという流れになっているとのことです。
これまでは、今述べたやり方でやってきた。しかし、一方で各学校からの安全対策については、学校とPTA、地元自治会などが意見集約し、所轄警察署へ交通対策の要望を持ち込み、真摯に対応していただいていたところもあるとも仄聞しております。直接交渉というやり方は本来市教委で定めたルールに反しているとは思います。しかし、保健給食管理課が全ての地元事情を完全に把握するというのは難しいとも思います。
 今回の会議の開催を報道関係者に知らせ、当日は実際に報道関係者も傍聴していた。市教委としては積極的に会議を公開するとの方針を持っているからとのお話でした。情報公開は確かに必要です。市教委が何をしているのか、保護者はじめ市民に分かってもらいたいという思いがあるのは当然でしょう。しかしそのためには下準備が必要です。動いた結果に果実を得られなければなりません。それも今回の場合「子供の命を守る」という最大限の果実を、です。
今回のことについては、市教委は何かやりましたよとアピールするために会議を開いたのであって、その実は得られなかったのではないでしょうか。
 本来は市教委と道路管理者、警察が安全対策について話し合い、全員で取り組んでいくという報道になるはずが、思わぬ誤算が生じた。それは、警察側から、「要望の中にはすでに規制済みのところもある」「地元の合意なしには進められない」などの意見が出され、結果新聞記事の見出しに「安全対策の調整難航」と書かれる始末。これをもってしても、一体何のための会議だったのかと言わざるを得ない。
 また会議の中でも、警察に対してあれもしてほしい、これもしてほしいと要望しているが、その姿勢が警察への他力本願と映るのは私だけでしょうか。
 当日出席されていた警察の方にもお話を伺いました。警察としては登下校時に街頭へ立つ警察官の数を増やしている。地域には見守り隊の方々もいらっしゃる。学校は現場の意見をちゃんと汲み取っているのか。また、各学校での取り組みを教えていただけたら、警察という役割の中で、私達でできることは何でもさせていただく、とのお言葉をいただきました。
 警察にお願いすれば、何でも解決するのか。そういう姿勢ならば、暑い日も寒い日も、日差しの強い日も雨の日でもボランティアで街頭に立って子供たちを見守って下さっている地域の見守り隊の皆さんに対して、これ以上失礼なことはないのではありませんか。
 この会議に先立ち、市教委は学校とともに自分たちの範疇でできうる限りのことをされましたか。例えば、場合によっては通学路の変更を検討することもできたはずです。手の届く範囲で、亀岡の事故発生から会議までの1か月間にどんな動きをされたのでしょう。
 市教委は、自分たちが子供たちを守らなければならない、必ず守るんだという気持ちと愛情を持って、取り組まれていますか。
 以上、ご所見をお伺いします。
 
 次に、自転車のルールについてです。
 チラシの配布や出前授業などを行い、指導を行っている。一般質問以降に意識向上とマナー改善はなされているとのご答弁でした。
 私はほとんど自転車で移動していますが、やはり半分程度の生徒は、未だにヘッドホンイヤホンをしたり、携帯片手に前を見ず運転しているという姿を毎日見かけます。
 それは中学生でないかもしれない。高校生であったとしても市高の生徒ではないかもしれない。市教委の手が届く範囲ではないかもしれない。しかし、子供としては差はないので、やはり指導すべきではないかと思うのです。学校や地域でできないなら、そこでこそ警察の出番であって、街頭での指導をお願いすべきであると思います。
 まずは自助努力を行う。その上でできないところは助けを求める。そういう姿勢が必要ではないでしょうか。ご所見を伺いし、第2問といたします。

《大江教育長 答弁》

 亀岡の事故後、1カ月間の具体的な取り組み等と通学路変更の検討も含め、危険箇所の点検と対策を検討するとともに、児童生徒への交通指導や、保護者とともに登下校時での見守りを強化しています。
 また、教育委員会では、各学校園からの報告を受け、現地の状況を調査し、道路管理者等で対応できる要望については、道路管理者に依頼し、共に現場で改善策を協議し、対策を講じております。なお、亀岡での事故後、関係機関がそれぞれの立場で、通学路の危険箇所の状況を把握した上で、合同緊急会議に臨み、活発な意見交換をし、課題等について共有できたことは、大きな成果があったものと認識しています。
 教育委員会といたしましては、これまで以上に、教職員による交通安全指導への取り組みを充実させるとともに、関係機関と協働して、児童生徒の通学路における安全確保を図りたいと考えています。

 先ほど答弁しましたが、これまでの取組により、生徒の交通安全に対する意識の向上、マナーの改善がみられるところではありますが、一部には、未だ自転車の交通ルール遵守が徹底されていない光景が見られます。
 中高生の交通安全意識を高め、自転車の安全な利用法を啓発していくためには、警察等関係機関との連携は不可欠であると考えます。
 教育委員会としましては、これまでの取組を継続し、関係機関との連携をさらに深め、学校のみならず家庭や地域とともに、生徒の交通安全意識を高め、交通ルールを自ら守ることができる市民の育成に努めてまいります。

《再々質問》

 それぞれお答えをいただきました。
 教育長から、合同会議において「活発な意見交換をし、課題等について共有できたことは、大きな成果があったものと認識してい」るとのご答弁をいただきましたが、本当に活発な意見交換ができたとお考えですか。会議の詳細を聞かせていただきましたが、活発な意見交換や議論ができていたとは思えないのです。教育長は会議に出席されていなかったようですので、出席されていた原局長はどういう感想をお持ちなのか、お伺いしたいのですが、私も先程思い浮かんだので、通告していませんので、伺わないことにします。
 今回のように、負の報道がされてしまえば、保護者への心理的影響は否めません。結果、市教委に対して不安を感じ、不信感となり、信頼感が低下してしまう。これが成果と言えるのでしょうか。
 他県の話ですが、集団登校が心理的な緩みを生んでいるのではないかと考え、根本的に通学方法を考えているところもあるようです。子供の命を守るために、あらゆる策を講じようと全国で動き始めています。
 2つの質問を通して、2問目の最後にも述べましたが、まずは自助努力を行う。自分の手の届く範囲ではこれ以上できませんというところまでやるだけやって、助けを求めることが必要だと考えます。しかし、これまでのご答弁の中から、教員の姿が見いだせないのです。会議の中でも「学校の先生は何をしているんだ」との声を聴くとの発言もありました。本当にできるすべての自助努力を行っていますか。
 確かに警察には助けていただかなくてはならない。市教委もお願いする立場にあるというのは理解します。しかし、子供を守るという立場では対等ではありませんか。会議の中では突き放したかもしれないが、しかし市教委がすべきことを全て行っていれば、間違いなく力になってくれると確信しています。
 市教委ができることを全てするのかどうか。お考えをお聞かせ下さい。

《大江教育長 答弁》

 今後とも、教育委員会としましては、児童生徒の通学路における安全を保つため、最善の努力をする所存です。
 また、各学校の教職員はそれぞれの校区内において、定期的に、通学路の危険箇所に立つなど、安全確保に努めておりますが、今回の事故を受けて、児童・生徒の安全に対し、意識を高め、更に取り組みの強化を図るよう指導してまいります。

Copyright(C)2006-2007 Tadasuke Yamamoto All Rights Reserved.