平成24年2月定例議会閉会
先程、2月定例議会が閉会しました。議案審査に対する各常任委員会の報告の後、討論、採決を行いました。
市当局から提出された平成24年度当初予算案と特別会計予算案、関連議案は全て可決されました。また追加議案として、副市長の選任など人事案件5件が提出され、いずれも可決されました。
その他、議員発議として、市の組織改正に伴う委員会条例の一部改正、「こころの健康を守り推進する基本法(仮称)」の制定を求める意見書案、「障害者総合福祉法(仮称)」の制定を求める意見書案は全会一致、LNG火力発電所建設促進に関する決議案については賛成多数で可決されました。
報道等でも取り上げられていました「東日本大震災に伴い発生した瓦れきの受け入れに関する決議案」についてですが、まずは文面をご覧下さい。
東日本大震災に伴い発生した瓦れきの受け入れに関する決議
平成23年3月11日午後2時46分、マグニチュード9.0を記録する大地震が東北地方太平洋沖で発生し、それに伴う巨大津波の発生が、福島第一原子力発電所への壊滅的な損害初め東日本の沿岸地域を中心として甚大な被害をもたらし、現在に至ってもなお被災地の住民が耐乏生活を余儀なくされている。
このような悲惨な事態を打開するため、我が国各地の方々はもとより世界各国から救援の手が差し伸べられ、被災地の復旧と復興に向けて取り組んでいる。
本市でも、消防職員による救助は言うに及ばず、飲料水の供給、医療関係、行政関係職員の派遣や救援物資、義援金の提供、あるいは被災者の受け入れなど、さまざまな方面から復興支援に取り組んできた。
しかしながら、被災地の復旧、復興への大きな障害となっているのが、この大震災に伴い発生した膨大な瓦れきの処理が進まないことである。
政府は、福島県を除く瓦れきの処理について、全国の自治体に対して協力を呼びかけているが、受け入れの進んでいないことが実情である。
このまま全国の自治体の協力がなければ、この先長年にわたり瓦れきがそのまま放置されることになりかねず、被災地の方々の苦悩を思えば、また被災地の一日も早い復興を願う私たちの思いをかんがみれば、今こそ我が国国民の協力をもって瓦れきの処理に当たるべきである。
関西広域連合の声明では、和歌山県は大阪府とともに岩手県への支援が求められているところであり、環境省の調整により両県での協定を結ぶことで、本市は岩手県の瓦れきを受け入れ、処理することとなる。
よって本市議会は、本市に対し、科学的な知見により放射能の影響を検証し、放射線量の測定等十分な体制を整えるとともに、現在、本市が処理している通常の廃棄物と判断されるものについては受け入れるよう決議する。
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今日までの間、がれきに付着している放射性物質の拡散を心配される方、また反対される方など、多くの方々ががれきを受け入れないよう申し入れがありました。またメールもいくつかいただきました。がれき処理に税金を使うなら、被災者を受け入れろ、というご意見もありました。
19日には放射能についての勉強会にも参加しました。支援者から、徳島県知事室の市民に対する回答を見ておいた方が良いとのアドバイスも頂き、拝見しました。十分とは言えないまでも、調べ勉強もしました。その上で最終的に、上記の決議文となりました。
ご覧いただいてお分かりかと思いますが、何が何でもすぐに、どんながれきでも受け入れるという意思表示ではありません。被災地の復興の一助となりたい。しかし和歌山市民の安全と安心も担保しなければならない。その両方の思いを込めて整えた文章です。
和歌山市はかなり早くから、被災地の方々を受け入れる体制を整えています。2000人は来ていただけます。しかし、実際に移り住まれる方は本当に少ない。それは、地理的に遠いということもあるかもしれませんが、何より「故郷を離れたくない」という思いがあるのではないかと思います。
そういう入り組んだ、様々な思いをご理解いただければと思います。
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会期末に向けて
和歌山市議会2月定例議会も、いよいよ明日が最終日です。
今日はまず、議会中継プロジェクトチームとりあえずの最終会合がありました。
幹事長会から諮問され、各会派から8人のメンバーが出て、市議会本会議のインターネット中継を実現させるために、その規則から技術論まで、決算審査終了後の11月から何度も集まって研究して議論して、一つの結論を出すことができました。
私が議員2年目の時、市議会だより編集委員会でインターネット中継の導入を提案しましたが、時期尚早ということで実現しませんでした。任期が変わり、他の会派からもやろう!という声が上がり、実現しました。喜び一入です。おそらく6月議会は、お茶の間で、職場で、スマホでご覧になっていただけると思います。
続いて、幹事長会。明日の本会議での議案採決などの確認の前に、議会中継プロジェクトチームの正副座長から、諮問に対する答申が出されました。私は答申を出す方にも受ける方にもいて、変な感じですが、中身を一番分かっていると言えばそうです。
その後、議運が行われました。議運では、明日の議事日程を諮ります。委員全員で議事次第を確認し、日程を決めました。
明日の本会議には、議員発議の条例改正案や決議案、意見書案が5件出されます。提出する書類に提出者が署名をするのですが、議運が終わった後、署名して提出しました。
それが終わってから、民主党県連での打ち合わせや、来週の視察の日程調整などをしました。
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新年度の環境対策
今日は環境保全対策特別委員会が開かれました。
委員会では、新年度から行われる予定の環境保全対策事業について説明がありました。当局からの配布資料はデータベースに置いておきますので、ご覧下さい。
私は新年度事業のうち、環境啓発事業の中の(2)環境啓発・学習事業について、各地区で啓発活動の中核となる生活排水対策指導員の活動について質しました。
始めて3年になる事業ですが、41人の方が指導員になって下さっているそうです。2年のうち1回市民向けの講習会をやれば良いとのことで、平成22年度で955人に指導したそうです。
和歌山市には15万世帯以上あって、1世帯1人としても全体の1%にも満たない。それでは効果が薄いと指摘した上で、これから自治会の総会シーズンに入っていくので、そういう寄合の場所などで、啓発するのも一つではないか、と提言しました。
夜は災害がれきの放射能に関する勉強会や、青年会議所の例会に出席しました。
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3.11後、これからの地域
今日は東京で勉強会です。テーマは「3.11後、これからの『地域』の話をしよう」です。
まず千葉大学法経学部法学科の小林正弥教授から「コミュニティと公共」というテーマで基調講演がありました。
私は存じ上げなかったのですが、小林教授は「ハーバード白熱教室」で有名になったハーバード大学のマイケル・サンデル教授と親交が深く、小林教授ご自身も対話型の講義を行っておられるそうです。
基調講演では、「公共とは何か」という基本的な概念、公共と公と民はどう違うのか、などをお話下さいました。
その後は各テーブルに分かれて、グループディスカッションです。基本テーマは「地域の課題を考える」です。その中で小テーマが①地域の産業振興・復興②地域の担い手、女性・若者③地域コミュニティの再生の3つを設定されました。私は①の地域の産業振興・復興に参加させていただきました。
私が参加したグループでは、まずNPO法人JUON(樹恩) NETWORKの松本さんから、この団体の活動内容について説明がありました。その後、他のメンバーが様々な質問をして、活動についての課題を洗い出しました。詳しい活動内容はリンク先のホームページをご覧下さい。
その後、小林教授がコーディネーター役となって、それぞれのグループでの議論の結果を聞き、他のグループがそれに対して質問するというものでした。
こういう勉強会ですと、だいたいは講師から一方通行が多いのですが、対等に議論しているようで新鮮でした。
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委員会審査最終日
常任委員会での審査最終日となりました。
各委員会に付託された議案に対して討論を行い、採決します。今回、厚生委員会には請願が1件付託されていますので、採決の後、請願の審査も行います。
今日は10時から委員会を開会する予定だったのですが、朝に東北からの震災がれき受け入れを反対する陳情が12件も出されたため、開会が遅れました。
受付処理の事務を行わなければならないのと、幹事長会を開いて、出された陳情の取り扱いについて協議を行いました。
本来、陳情は委員会の審査前に出していただいて、委員会の審査中に、提出者の意思も含んで審査するのが通例です。しかし、委員会審査は昨日までに終わっており、実質的な中身の審査ができないため、どうするかを協議しました。
結果、提出された方々の意思を尊重するべく、私の所属する厚生委員会へ回されることになりました。
開会された委員会では、付託された議案については、賛成多数または全員で、全ての議案が可決されました。請願については継続審査となりました。
色々な思いがあるので、全てを否定はしませんが、がれき処理受け入れを反対されている方が持ってこられたビラの中に、東北全域が放射能に汚染されているといった文章があり、非常に憤りを覚えました。そのビラを、被災地で被災された方に配れるの?と言いたくなる内容です。
受け入れに賛成意見も反対意見もあるのは理解しています。しかし、反対するためには何を書いても良いのかといえば、そうではありません。もう少し、心配りをお願いします。
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今日の厚生委員会
今日は委員会審査の3日目です。厚生委員会では、市民環境局のうち、環境事業部と環境保全部の審査が行われました。
予算案の説明の後、滝畑地区に計画されている産業廃棄物最終処分場の設置について、12月議会以降の提出書類等が資料として配布され、説明がありました。
また東日本大震災で発生した災害廃棄物の広域処理について、現況の説明がありました。
他の会派から、産業廃棄物最終処分場の設置について質疑があり、長くなるのかと思っていましたが、本会議でやったのでやらないとのことで、思ったより早く終わりました。
さて、最近和歌山城内にこのようなものが出現したのをご存知でしょうか?
写真は砂の丸広場前ベラミ跡地ですが、他にも二の丸や城内動物園の周辺などに5基設置されました。ちょっとした休憩や雨宿り、日よけにも使えます。
城内を散歩される際はぜひぜひご利用下さい!
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もっと、ちゃんと学びたい!
市議会は、委員会審査の2日目です。私が所属する厚生委員会では、市民環境局のうち、市民生活部と市民活動推進部に関する議案が審査されました。
皆さんが一番ご利用になる住民票などの発行業務や、サービスセンターの運営、自治会運営に対する補助、NPO活動に対する支援などが、主な仕事になります。
私は特に、NPO活動で、役所の業務でカバーできていない分野を取り組んでいる団体には、できるだけその活動が円滑に進むよう協力していただきたいと、市当局に要望しました。
さて、皆さんは「夜間中学」というのをご存知でしょうか?
義務教育を受けるべき時期に、戦争や貧困により学校へ通うことができなかったため、大人になってからもう一度学び直したいと思う方々のための学校です。今夜は和歌山にある学校の公開授業を視察しました。
と言っても和歌山の夜間中学、正式には夜間学校ですが、これは公が設置し、公が認めたものではありません。教室は児童館の一室。小学校教諭である吉本拓司先生がボランティアで教えてらっしゃいます。カリキュラムも決まっていません。卒業証書ももらえません。しかし、学びたい人と教える人はいるのです。
上の写真で、一番右にいるのが吉本先生。真ん中の学習机に座っているのが生徒の北川順子さん(通称 順ちゃん)です。
現在夜間学校は第2・4火曜日の夜7時半から9時に行われています。今日の授業は「日本国憲法を読み、その意味を知ろう」というものでした。
本当は生徒が3人いるのですが、お一人はお家でお父さんの介護があり、もう一人は家の階段から落ちて腰を打ったとのことで、欠席です。通って来られるみんなはそれなりの年齢です。そういうこともあるのです。
今日は特別に授業を1時間にして、残りの30分で公開授業を参観した参加者と吉本先生・順ちゃんとで、色々とお話をしました。
私が色々と質問して順ちゃんが答えてくれる中で、順ちゃんの「字知らんのが悔しい」「火曜日が楽しみ」という言葉が非常に重く、心に残りました。
現在、公立の夜間中学がないのは和歌山県と滋賀県だけです。戦中戦後の混乱期に学童期であって、まともに学べなかった人は、和歌山市に約5千人いるといわれています。潜在的に学びたい人はいるはずなのです。しかし、現在はっきりと意思表示しているのは3人です。
昨年3月に夜間学校の生徒を中心に署名を集めて、和歌山市教委に公立の夜間学校設置を陳情しました。しかし市教委は「予算」と「需要」を理由に、設置に向けた動きをしていません。
戦争と、戦後期の生活苦で学校に通えなかった。これは本人の責任ではありません。かといって、特定の誰かが責任を取る性質のものでもありません。最終的には公がその力で守ってあげなくてはならないと思います。
順ちゃんは70歳。残された時間はあまりありません。また夜間中学は高齢者だけの話ではありません。不登校やひきこもりなどの、今の子ども達にも存在させるべきものだと思います。
私にどこまでできるか、どんなことができるか、まだ分かっていませんが、義務教育を受ける権利を全うさせてあげたいと思っています。
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介護保険の権限委譲がやってくる
市議会は、今日から各常任委員会での、新年度予算の審査に入りました。
私の所属する厚生委員会では、健康福祉局の予算を審査しました。健康福祉局は例えば、生活保護や介護保険、子育てや保健所に関することなどが対象になります。
予算では一般会計のうち福祉保健衛生に関するもの、母子寡婦福祉資金貸付事業特別会計、介護保険特別会計、後期高齢者医療特別会計が審査の対象です。また、自治体への権限委譲を行う第2次地方分権一括法に基づき、県からいくつかの業種の監督権限が移されたため、それに必要な条例を制定するものもあります。
今回はクリーニング業・理容師(散髪屋さん)・美容師・興行場(映画館や劇場など)・公衆浴場について施行条例が作られ、旅館業については一部が改正されます。
また4月からは介護保険の制度改正に伴い、審査などの権限が県から市へ移されます。介護保険自体、「施設から居宅へ」という理念に変わり、サービスの新設や介護報酬の変更などが行われます。
例えば、医療と介護の連携を強化する点。地域包括ケアシステムといって、日常の生活圏域(30分程度で駆けつけられる範囲)に介護・医療・生活支援・予防・住まいを集約しようとするもの。24時間巡回・随時対応サービスの創設。サービス付き高齢者住宅の整備や居宅介護と訪問介護を合わせた複合型サービスの創設などがあります。
このように様々なサービスの充実を図っているのですが、一方で現場からは異なる声もあります。
友人のケアマネさんは「財政もかなり厳しいから仕方ないのかもしれないけど、ますます介護の職に就く人は減るやろうし、一方で最後まで在宅で!って言ってくるし。長生きはしたらアカンのかな?」と嘆きにも似た声を届けてくれました。
そういう声が出るであろうことも事前に分かっていましたし、大幅な権限委譲で、「福祉のまちづくり」をどうしたいかは、和歌山市が考え、決めなくてはなりません。今回の委員会審査では、厚生労働省が提示する様々な介護事業メニューのうち、和歌山市に必要であろうものを選び、計画を立てなくてはならなくなるのを見越して、それらを選び決めるための基準、つまり和歌山市の介護福祉に対する理念について質しました。
厚生労働省が提示する様々なサービスがありますが、それらの全てが和歌山市の状況に合致するものではありません。ですから、必然と充実させたいサービスとそうでないサービスが出てきます。基本理念がなければ、事業者からの申し出だけで介護サービスが決まり、本当に必要としているものが満たされないことも起こりえます。また、当然に介護保険料というお金が使われるわけですし、求めるものも地域によって差が出ます。その点を、和歌山市として考えを持っているのかが、私は重要だと考えています。
まだまだ勉強途中ですが、引き続き高齢者の福祉施策について、研究していきます。
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議会もいろいろ
今日は、私も会員である「がんばろう、日本!」国民協議会の大阪・京都合同勉強会に参加しました。
テーマは「住民自治と議会改革」で、京都府内の4自治体議員から報告を受け、大学生や社会人も含めた数人で意見交換しました。
実は、同じ「市議会」という名前がついていても、その中でのルールはそれぞれで決めているため、若干違います。
例えば名前。和歌山市の場合、正式には「和歌山市議会」と言います。これは日本国憲法が施行されてからこう呼ぶようになったのですが、それまでは「市会」と呼んでいたので、今でも「市会議員」と使われる方もいらっしゃいます。
では、現在全く使っていないかというとそうではなくて、京都市・大阪市・神戸市・名古屋市・横浜市の議会は「市会」と呼ぶと取り決めをして、使っています。
また、代表質問や一般質問の通告一覧表を傍聴人に配布するかどうかも違います。
和歌山市議会では、いつからなのかは分かりませんが、代表質問や一般質問が行われる本会議の傍聴の際には、写真のような通告一覧表が配布されます。確か、私が20才ぐらいの時に傍聴した際も、いただいたような記憶があります。
しかし、京都市会ではこの一覧表を傍聴人に配布するかどうかを、市会改革推進委員会で審議しているそうですが、意見集約が整わず、未だ配布されていません。私は、どこでも行われていることだと思っていたのですが、そうではないようです。
傍聴者に、誰がどういうことをテーマに質問するのかを知っていただく方が、聞く方も聞きやすいとの意見がある一方、合意ができずに実行されていないそうです。
あと、和歌山市議会にはない制度で「交渉会派制」というのがあります。
おそらく議員数が多いからだと思うのですが、所属議員が5人以上いないと幹事会や議運に出席できず、代表質問の機会も与えられないというものです。5人以上いる会派は「交渉会派」、4人以下は「非交渉会派」と呼ばれます。会の運営について「交渉」できるか否かを人数で区分けするものです。
和歌山市議会にはそういう制度はありません。所属議員が2人以上いれば「会派」であり、会派であれば幹事長会や議運にも席が与えられ、代表質問もできます。たとえ少数でも権利を与えてくれる議会です。
京都市会でも非交渉会派に対する取り扱いを協議している最中だそうです。これはどちらが正しいとか言えるものではありません。それぞれの議会が、それぞれの歴史や流れの中で作り出してきた制度ですから、京都では必要に迫られたことがあったのでしょう。
京都市会はすでにインターネット中継を行っています。和歌山市議会はこれからです。全国一律のものではありませんので、それぞれの議会でルールを決めるというのが、地方自治なのです。
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今日から一般質問
市議会は、今日から一般質問へと移りました。
今までにも書きましたが、一般質問は市の行政活動について質したり、提案したりするものです。原則どの分野でも構いませんが、自分が所属している委員会の所管事項は、委員会でも質すことができるので、それ以外の分野を質すというのが、暗黙のルールです。ただ、絶対に守らないといけないかと言えばそうでもなく、どちらかといえば、効率の点から言われているのかなと思います。
今日は3人が登壇しました。今週いっぱい一般質問が行われます。
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今日は東京へ
今日、市内では長妻昭 前厚生労働大臣をお招きして、税と社会保障の一体改革に関する意見交換会が行われましたが、私は党から、5月に行われる自治体議員フォーラム全国研修会の世話人として、世話人会へ出席するために、東京におりました。
研修会での研修テーマを決めたりするために集まったのですが、その他に高山環境大臣政務官が来られて、東北のがれき処理について、各自治体での協力をお願いしたい旨のお話がありました。
お話では、被災地のがれき処理が、全体の5%しか進んでいないそうです。宮城県では19年分、岩手県では11年分のがれき量。石巻市では100年分、女川町では90数年分のがれきがあるようです。
現在、処理能力日量1500トンの仮設焼却炉を25基、24時間フル稼働させているのですが、それでも10年は処理にかかってしまう。そこで、各自治体で焼却の協力をお願いしたいとのことでした。
早速和歌山へ持ち帰って、お話したいと思います。
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2012年2月議会の代表質問全文
今日の質問の議事録を記します。なお、これは原稿ベースで、速報版です。実際の議事録は若干異なることをお含み置きください。正規は後に発行される議事録に拠ります。
《質問》
民主クラブの山本忠相です。民主クラブを代表して、3つの項目について質問させていただきます。
まずはじめに、市長の政治姿勢についてです。
来る日も来る日もその名前や顔を、テレビや新聞、雑誌等で見ない日はない人物と言えば、橋下徹大阪市長です。今日の代表質問でもすでに2回登場しました。矢継ぎ早に、これでもかというほど様々な話題を提供しています。
特に教育に関するものが多く、教育基本条例案では首長が教育目標を定め、教育委員はその目標を実現する責務を負う。その責を果たさないときは、議会の同意を得て罷免させる条項を入れると共に、教職員への相対評価による人事評定を盛り込んでいました。
しかし、教育委員の罷免については地方教育行政法における違法性を文部科学省から指摘され、取り下げ。首長が目標を設定することについても「首長が教育委員会と協議して目標を決定する」となりました。
教職員の人事評価では、5段階の相対評価で、最低ランクが2年連続続いた教員は分限免職の対象にするとしていました。しかし、教育委員側の反発もあり、保護者や生徒からの申し立て権を認めることで、これは撤回されることになりました。
一方で、貧困家庭には習い事にも使える教育バウチャー、クーポン制度を検討したり、義務教育課程の小中学生にも留年制度を検討するよう指示を出したりしています。
さて、あらゆる手段でもって、地方自治の屋台骨を揺るがしているわけですが、これが隣の府の府庁所在地の話だと言って終わらせてしまえるかといえば、決して対岸の火事ではないと思います。
先日も滋賀県の嘉田知事は、大阪が愛知と連携するという話に触れ、「大都市連携は劇薬で、滋賀は漢方薬。滋賀のような地方には劇薬はそぐわない」と述べられました。嘉田知事のように、うちにはうちのやり方があると、楔を打った方もいらっしゃいます。
これら教育をめぐる大阪の動向について、同じ首長として大橋市長はどのように受け止め、考えていらっしゃいますか。大阪のことだから、和歌山に関係ないという向きもあるようですが、しかし我が街の市長がどっちを向いているのかは、市民にとって非常に重要な事柄であります。お聞かせ下さい。
また、先程述べた教育委員会に対する方針においても、橋下市長はことあるごとに「民意」という言葉を使われます。たいていは自らが選挙で選ばれたことを指して、選ばれた人間が主張することを「民意」とおっしゃっておられるようですが、大橋市長は「民意」をどのように理解されていらっしゃるでしょうか。お伺いします。
次に、和歌山市民の幸福度についてお尋ねします。
昨年11月、法政大学大学院政策創造研究科の坂本光司教授が、経済的な指標ではなく「幸福度」を数値化しようと調査。様々な社会経済統計を利用し、住民の幸福度や満足度を都道府県別にランキングし発表しました。
この幸福度ランキングは「住みやすい県はどこか?」という生活・家庭部門、「働きがいのある県はどこか」という労働・企業部門、「心配なく過ごせる県はどこか?」という安全・安心部門、「健やかに暮らせる県はどこか?」という医療・健康部門の4部門40の指標から成り立っています。それぞれの指標をそのまま比較したり、人口による差をなくすために10万人当たりの数字に直したりして比較し、順位付けしています。
このランキングはただ単に順位付けによって優劣を決めることが目的ではなく、ランキングや評点を通じて、客観的事実に基づく問題の所在の理解認識と、それに基づく地域住民の「幸福度づくり対策」、つまり地域住民が幸せとなる地域づくりを講じてほしいことにあると、坂本教授は述べられています。
今回のランキングによれば、和歌山県は32位でした。労働・企業部門は6位と高いものの、他の3つは30位以下と低迷していました。そこで気になるのが、我が街和歌山市はどうなのだろうかと、いうことです。
全国の市町村と比較してもいいのですが、一人で調査するには物理的に困難であることと、またそれぞれ地域の特色があるので、他都市と比較することが必ずしも効果的ではないと考え、時間軸での比較とし、ちょうど大橋市長が就任された平成14年の数字と、手に入る最新の平成22年を対象としました。
比較に利用された40の指標について和歌山市の数字を一つずつ拾いはじめたのですが、残念ながら市町村別に公表されていない統計が多く、確実に両年を拾えるものは14統計でした。中には5年毎の統計もあります。それぞれお示ししていきますが、特段注釈がつかないものは平成14年と22年を比較したものとご理解下さい。
生活・家庭部門では、良くなっているもので合計特殊出生率が1.29から1.47、下水道普及率は24%から34.5%に、保育所収容定員比率は35.55%から47.16%に、悪くなっているものは転入率が2.34から2.13に、家計に占める交際費の率は10.73から10.16に、生活保護比率は12.3から21.2になっています。
労働・企業部門では完全失業率は平成12年で5.7%だったものが平成17年には6.64%になっています。これ以外に離職非就業者率や正社員比率などが使われていますが、あまり有効な数字が拾えませんでした。
安全・安心部門では千人当たり刑法犯認知件数が27.2件から14.5件に、1万人当たり出火率が4.83から3.25に、1人当たり地方債現在高は859,037円から896,395.2円に、1世帯当たり負債現在高は319万円が393万円に、1世帯当たり貯蓄現在高は1711万円が1408万円に、65歳以上1人当たり老人福祉費は109,264円だったものが101,890円になっていますが、これは分子である老人福祉費が増加しているものの、分母に当たる65歳以上人口がそれ以上の割合で増えているため、一人当たりの数字は小さくなり、見かけの数字は減っています。
医療・健康部門では1万人当たり病院と診療所の病床数が193.1床から184.2床へ、1万人当たり医師数が35.2人から38.6人になっています。
坂本教授が選ばれた指標以外に、私が独自に選んだ指標として、観光宿泊客数と日帰り客数を比較しました。これは観光客が魅力に感じる街は住民も魅力的に思い、住民の幸福度も高いという判断からです。観光宿泊客数は561,508人が541,054人に、日帰り客数が5,443,651人から5,276,204人になっています。
2つ目の独自指標として、地場産業がどのぐらいの力を持っているのか、地域経済がどのぐらいの底力を持っているのかを知るために、和歌山市における従業者4人以上の事業所における製造品出荷額等と付加価値額を比較しました。この統計は、どれだけ製品を生産し、それにどれだけの付加価値を付けられているかを見るものです。
製造品出荷額等は9180億39百万円が1兆3391億85百万円に膨れ上がったものの、付加価値額は4765億36百万円から4838億2千万円と微増したに留まりました。
また家計は物価に左右されます。消費者物価指数を比較すると、平成17年を100としたとき平成14年は101.3であったのが平成22年は101.8と若干の上昇です。
こうしてみたとき、完全失業率や生活保護率、世帯あたりの負債額、1人当たり地方債現在高が増えています。世帯あたりの貯蓄高、観光客数も減少しており、このことは地域経済に影響を及ぼします。
先程の製造品出荷額等は大幅に増えているものの、その割には付加価値額が延びていない。付加価値とはGDP国内総生産であり、GDI国内総所得であり、GDE国内総支出でもある。つまり「もうけ」そのもののことなのです。これを最大限伸ばすことが、最終的に和歌山市の経済を動かすことになります。この付加価値を伸ばす必要があるのではないでしょうか。
はじめにも述べましたが、ランキングの目的はただ単に順位付けによって優劣を決めることではなく、ランキングや評点を通して、客観的な事実に基づいて問題や課題がどこにあるのかを理解し認識するとともに、それを使って地域住民の「幸福度づくり対策」、つまり地域住民が幸せとなる地域づくりを行っていくことにあります。他との比較か、時間軸での比較であるかの違いだけで、最終の着地点は同じです。
以上、十分探し出せたものではありませんが、いくつかの統計の数字をご覧になっていただいた上で、市民の幸福度を向上させていくことについて、市長はどのようなお考えをお持ちでしょうか。お聞かせ下さい。
最後に、和歌山インターチェンジ周辺の土地利活用についてお伺いします。
ほぼ2年前の平成22年3月14日、和歌山北ICが開通しました。当初4200台の通行量を見込んでいましたが、最近の実績では日量約5200台と、予想を1000台も上回る利用があるようです。また24年度予算案の中には仮称和歌山南IC設置の調査費も計上されております。
和歌山でICといえば、昭和49年に設置された和歌山ICであります。長く県都の玄関口として重要な役割を担い続けています。
さて、IC周辺を自家用車で走ることもありますし、関空へ行く際にリムジンバスから風景を眺めるのですが、その度にこれが県都のICかと、残念でなりません。関空から一番近い県都の玄関口が非常に煩雑である、和歌山IC周辺の土地は十分に利活用されていないのではないかという印象を持つのですが、そう思うのは私だけでしょうか。
ICを境にして東西で、市街化区域と調整区域に別れています。またICの横には農地もあります。そんなICは決して珍しいものではありません。
先日視察で訪れた大分市には、4つのインターチェンジがありますが、大分ICに隣接して約100万平米の開発されたであろう住宅地があり、農地もあります。大分米良ICにはゴルフ場が隣接、1キロあまりのところに住宅地があり、大分光吉ICには住宅地と大規模商業施設が隣接、大分宮河内ICにも開発住宅地が隣接しています。ちなみに大分市は面積が501.28平方キロ、人口は約47万6千人です。
では和歌山ICはどうか。グーグルマップで和歌山IC周辺の衛星写真を見ても非常にスカスカです。これはやはり、政策誘導的に利活用の方法を考えなくてはならないのではないかと思います。
2月26日に市の都市整備課が主催した『都市再生とコンパクトなまちづくり―戦略的都市再生プログラムに係るシンポジウム―』が行われました。大橋市長もパネリストとして参加されていましたが、この終了後、基調講演をされた名城大学都市情報学部の海道清信教授に、本市の都市計画図をご覧になっていただきながらお話しし、お帰りになるのを少し引き止めてしまいました。
その際、地区計画を立てて整理を行えばよいと教えていただきました。地区計画といえば、大規模なものを想像しがちですが、実は大きさに制限はないそうで、周囲10軒程度の範囲ででも、範囲の世帯や地権者が合意をすれば実施できるそうです。海道先生は実際、北陸のある都市で、都市計画マスタープランの策定に関わられて、このことを実践されているそうです。
IC周辺の土地利活用について、今後の方針など、どのようにお考えでしょうか。
以上、3項目をお伺いし、民主クラブの代表質問を終わります。ありがとうございました。
《大橋市長 答弁》
私は、平成14年に市長に就任して以来、ふるさと和歌山に誇りと活気とやさしさを取り戻そうと、ひたすら地道に、着実に、誠実に市政に取り組む姿勢を貫いてきました。
橋下市長のように大胆な改革プランを花火のように次々打ち上げ、市民やマスコミの反応を見ながら少しずつ姿勢を修正していくという手法とは異なり、課題を見極め、必要なことを一歩ずつ着実に進めていくのが私の政治スタイルです。この点では「漢方薬」とおっしゃった嘉田・滋賀県知事の考えに近いものがあると思っています。
また、私と考えが違うと感じるところは、橋下市長の文化芸術に対する姿勢です。私はふるさと独自の文化や伝統を行政と市民がともに守り育てていくことが、地域力をあげていくための有効な手法であると考えています。
教育については、私は就任時から「教育のパワーアップ」を公約に掲げ、教育の充実を重点施策としてまいりました。次代を担う子どもたちに、生きていく上で必要な社会常識や基本的な知力や体力を身につけさせ、同時に優しさや強い心を育むために小・中学校教育を充実させていくことは市の大きな責務であると考えています。
私は教育委員の皆さんとは、毎年何度か定期的に懇談会を開いています。その場での様々な意見交換を通じて、私の市政に対する基本理念を理解していただくとともに、現在の教育課題について共通の理解を有していると考えております。よって、教育委員会は克服すべき課題について、企画・実施・検証・改善の循環による、より良い教育施策の実現に努めていると考えております。
次に、民意についてですが、私は、市長として市政の基本理念に「市民が主役」を掲げ、これまでも「校区トーク」や「市政モニター会議」、「ジュニア会議」、「防災マップ説明会」などを通じて市民の皆さんと直接接し、対話を重ねてきました。多数の人々によって共有される信念や感情だけでなく、少数の意見や小さな声にも耳を傾けながら市政を運営していくことで、「信頼される市政」を実現していく所存であります。
統計指標をモノサシとして市民の幸福度を測るというお話について、興味を持って承りました。
様々な指標には、市の努力によって改善できるものと経済環境の変化によるものがありますが、市民の幸福度を表すものでありますので各指標の向上を目指して、まちづくりを進めていきたいと思います。
議員が重点を置かれた付加価値額につきましては、工業統計調査の平成14年と平成22年の結果を比較すると、本市の製造品出荷額等は約46%伸びているのに対して、付加価値額の伸びは1.5%に止まり、一見すると低いという感じがします。
しかし、全国の結果を見ると、製造品出荷額等の伸びは11.7%で、付加価値額は逆に8.1%減少しています。
このことから、本市の製造業が、全国的に付加価値額が減少する厳しい時代にもかかわらず、非常にがんばっておられるということが言え、更なる高付加価値化を促進し、本市の強みを更に磨いていく必要があると考えています。
特に、古くから本市の産業を支えている地場産業については、地域活性化の柱と考え、需要開拓、高付加価値製品の開発等に対応していくため、平成24年度から「和歌山ニット販路開拓支援事業補助金」を新設し、ブランド化を図っていきたいと考えております。
平成23年度から実施している人材育成やものづくりの活性化を図る「地場産業技術伝承事業補助金」を増額し、地場産業の支援に取り組む予算を計上しています。
また、平成24年度組織改正においては、まちおこし推進課の商工振興班を商業振興班と工業振興班に分け、庁内の支援体制の強化を図ったところです。
対外的には、各関係団体、県及びわかやま産業振興財団等の専門機関と連携を図りながら、地場産業の「競争力強化」・「ブランド力強化」などに取り組んでまいります。
《東まちづくり局長 答弁》
和歌山インターチェンジ周辺は、都市計画マスタープランにおいて、市街地の整備目標を、運輸流通拠点の計画的整備と定めています。
市街化調整区域におきましては、その都市計画の目標と整合を図り、インターチェンジとの交通アクセスが図れる地域に、流通業務施設を初めとした企業進出を可能とする立地基準を平成13年に設けて、土地利用の誘導を行ってきました。
今後も、インターチェンジ周辺の市街化調整区域につきましては、運輸業や倉庫業を中心とした産業ゾーンとして、都市機能の拡散とならないよう規制と誘導をしてまいります。
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