『和歌山市みんなでとりくむ災害対策基本条例』を制定しました。
昨年の6月から議会内で、議員としての重要な仕事の一つである「条例を創る」という取り組みを行ってきました。法律は原則日本全国一律の決まりであるのに対し、条例はその条例を定めた地方だけのきまりです。
議会は今まで条例を制定してこなかったわけではありません。市の施策やサービス提供の決まりとなる条例は市長が議会に提出し、議会の賛同によって実施されてきました。議会での中身の議論なくして条例を作ることができない仕組みなので、当然多くの条例について議論し、採決してきました。
しかし、前述のように、そのほとんどが市長による提案でした。本当は議員にも条例を作る、特に政策に関わる条例を作る権限はあるのですが、それはあまり活かされてきませんでした。
地方主権自治分権と声高に言われるようになり、議員としてできることを最大限やろうというところから、今回の取り組みは始まりました。
各会派から選出された11人が、それぞれ役割分担をして、政策条例を作るために奔走しました。それこそ、どんなテーマで条例を作るかといったところから議論は始まっています。
色々と市民の皆さんに知っていただきたい点があるのですが、その一つに、今回の条例を作るにあたって開かれた協議会の議事録がすべて公開されています。11人全員が出席する協議会10回分の議事録です。リンクを貼っておきますので、こちらからご覧下さい。
たった10回と思われるかもしれませんが、それぞれの会議の間にも担当だけが集まって詰めたり、廊下で会っても「あれはどうする」「これはどうなった」など、条例の話ばっかりしていたように思います。本来、舞台裏は明かさないものですが、それぞれの議員がどう考え、どういう思いで創った条例かを知っていただきたいと考え、全員一致で公開することになりました。
また、条例の文体も特徴的です。通常条例の文体は「である、しなければならない」という文末を使うのですが、表題にもある通り「みんなでとりくむ」必要があるので、目線を変え、その主体に合わせた言葉遣いをしようと決めました。
災害発生の時、市民ひとり一人の横に市職員を置いておくわけにはいきません。まずは、自分の命は自分で守っていただかなくてはならない。だからこそ、この条例をチェックリストのように使っていただけるものにしたいと考えました。市や議会に対しては公の責任があるので、今まで通り「である体」を使用しています。
一つの条例の中で、対象者によって言葉を使い分けている条例は全国でも初めてだと思います。法令や条例のプロからすれば邪道かもしれませんが、私達はその目線にこだわりました。
まもなく写真の市議会だよりが皆さんのお手元に届くかと思います。この機会にそれぞれのお家の災害対策を確認・点検してみて下さい。
|