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2005年04月14日

「政権交代」とは何か


 「政権交代」とは一体何でしょうか。
 衆議院の福岡2区・宮城2区で12日から補欠選挙が始まりました。過去のブログに書きました通り、私は福岡2区の候補者である平田まさのりさんを応援させていただいています。
 今回の選挙は、小泉政権の外交政策や郵政民営化への国民の可否を問うリトマス試験紙でもあると言われています。民主党は「政権交代」を唱えてこの両区での戦いに望んでいます。
 平田候補が当選し、国政に出て、この国を変える一公僕となられることに私は全力を尽くしていますが、民主党の一員として、ひとつ疑問になっていることがあります。
 街頭演説などでも大物国会議員が「政権交代」「政権選択」と皆さんにお話していますが、「政権交代」とは何なんでしょうか。私は別に「政権が自民・公明党連立体から民主党に移ること」という答えを求めているわけではありません。どうも民主党の求めるものが、国民生活を今より良いものにするための手段である「政権交代」ではなく、目標自体が「政権交代」になっていて、「政権交代」の向こうに見えてくる政治の本当の姿、安全で安心な国民生活がはっきりと見えていない、ビジョンがくっきりとしていないように感じられてならないのです。
 党の中にいるものがこんな批判めいたことを言ってはいけないのかも知れませんが、しかし中にいるものだからこそ分かること、感じることがあるようにも思います。また自民党とは違うんやぞと、多くの方に理解していただくためにも、必要なことだと強く感じています。
 そして「政権交代」「政権交代」と言えば言うほど、民主党を支持してくださる有権者の心が離れていくようで、怖くて仕方ありません。小泉政権への支持が離れていくのは、例えば国民にとってあまり重要と思われていない郵政民営化を強く唱えれば唱えるほど、国民の真の心内を理解していないことが露呈されて、国民の心が離れて、支持率が低下していく。これと同じことが起こること、それが一番怖いのです。
 どんな議員であれ、首長であれ、生活者の声を聞かなければ、その存在意味はないと思うのです。
 平田さんは車椅子で1mの視線。街角や小さな集会でも有権者の声を聞こうと努力されています。「高度経済成長に向かう日本の議員は皆、国民の話を聞いた」と先輩秘書から伺いました。それは田中角栄元首相も同じで、かつ彼はそれを徹底していたそうです。今こそ政治家はあるべきその姿に戻らなければならない時が来たのかも知れません。

2005年11月17日

「勧善懲悪」の社会を

 今日、ネットのニュースで次のようなものが出ていました。

駅で喫煙、警告無視し逮捕 栃木県警「厳しく対応」
 警察官の再三にわたる警告を無視し、駅構内の指定場所以外でたばこを吸ったとして、栃木県警鉄道警察隊は鉄道営業法違反(禁煙違反)の現行犯で無職の男(23)を逮捕したことが17日、分かった。県警によると、同容疑での逮捕は全国的にも異例という。(共同通信)

 街中でも「こいつ二十歳越えてるか?」と思う人がたばこをくわえてたりすることがあります。注意したいところですが、凶器などを持っていて、逆に刺されても元も子もないので、出来ません。
 ニューヨーク市がブロークン・ウィンド理論で市内の落書きを徹底的に消したというのは有名な話です。小さな犯罪を放置しておけば、やがては重大な犯罪に成長すると言うものです。
 やはり日本でも「勧善懲悪」の精神で徹底しなければならないと思います。

2006年01月21日

郷に入れば郷に従う

 アメリカから牛肉の輸入が再開されて1ヶ月余り。自ら信頼をドブに捨てるような出来事が起こったのは、皆さんもご存知の通りです。
 日本向けの牛肉の基準とアメリカ国内の基準、この二つがあって、出荷業者と検査官がその基準を取り違えていたという、人間の単純ミスではあります。単純ミスでしかありません。確認と輸入基準の徹底のために、輸入停止を決めた政府の判断も間違いはありません。しかし、私には引っかかる部分があります。今回のことで見えた『アメリカの本音』です。
 本来ならアメリカは、「輸入基準を徹底できていませんでした。周知を徹底させます。そして、間違いの起こらないシステムを作ります。」とだけ言えば良かったのです。しかし彼らは「これは日米間の貿易上の問題で、食の安全の問題ではない。」と言ったのです。業者も「たまたま日本に着いたから問題になっただけで、カリフォルニアならそのまま流れている。」と言っています。
 つまり、「日本ではダメな部分かもしれないが、自分達は食べていて安全だ(と思っている)。だから混ざっていても大丈夫なんだから、ギャーギャー言うな。」ということなのでしょう。

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 アメリカの言っていることが正しい、アメリカの基準が正しい。だから日本もそれに合わせていれば、こんなことにならなかったのに、あー面倒くさい。これがアメリカの本音でしょう。きっと彼らは日本がこんなにも厳密に検査しているとは思っていなかったのでしょう。

2006年10月10日

2人の子どもはどうなるのか?

 北朝鮮による核実験の報道で埋もれてしまったニュースがいくつもあります。そのうちの一つを取り上げたいと思います。それはタレントの向井亜紀さん(41)夫妻が米国の女性に代理出産を依頼して生まれた双子の男児(2)についてのことです。
 今日、品川区は双子の出生届を受理するよう命じた東京高裁決定を不服として、最高裁への許可抗告を同高裁に申し立てました。8日に行われた品川区長選挙で当選した浜野健氏が、法務省の示した抗告を求める方針に沿った模様です。
 現在の民法では、「出産した女性を母親とする」との法解釈があり、国は代理出産で生まれた子の出生届を受理しない立場を取っています。ところが、民法が制定された当時と今とでは、科学技術のレベルは格段に違い、今回のケースは民法の全くの想定外であったことは法曹関係者も認めるところです。
 しかし、現にお子さんがこの世に生を受け2才になり、両親と暮らしているのに、その立場はいつまでも宙ぶらりんというのはどうなんでしょうか?まずもって考えるべきは、2人の子ども達が安心して、日本国民として暮らせるようにすること、これが第一で、そのためには私は速やかに政治の「英断」が必要だと考えます。
 と、同時に法律の不作為を直さなければなりません。今国会においてでも、民法改正を含めた対応を、議論をすぐに始めるべきです。それをしないならば、それは国会が国民に対する職務を放棄したも同然で、国民に対する冒涜以外の何物でもありません。
 今国会においても、難問が山積している状況は分かりますが、刑法における時効や刑罰の引き上げを行ったように、この問題にも対処していただきたいと思います。全ては私たち生活者のために、なのです。

2006年11月30日

涙ながらにつぶす野菜

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昨日、このようなニュース記事を見つけました。

【涙の廃棄 ダイコン200トン 萩の出荷組合 好天で安値に】
 好天の影響でダイコンの出荷量が増え、値下がりが続くため、県内最大のダイコン生産地、萩市吉部の「千石台だいこん」の生産者でつくる千石台出荷組合(松田秀男組合長、14戸)は29日、約200トンのダイコンを廃棄処分にした。農家が複雑な表情で見守る中、ダイコンはトラクターで次々と畑で処分された。
 同組合によると、特産の「千石台だいこん」の出荷量は、11月は800トン以上に上り、平年に比べ2、3割増えた。このため、市場価格は1本当たり50、60円台で推移。平年比の30%前後の値下がり状態という。このままでは、安値傾向が続き、生産や運搬コストに見合った利益が得られないため、あぶらんど萩農協と協議して、生産調整を決めた。
 廃棄作業を見守る農家は「涙が止まらない」「手間暇掛けて作ったダイコンを捨てるなんて」と唇をかんでいた。
 同組合では今年、生産者が昨年より2戸増え、作付面積も15ヘクタール増えて、計100ヘクタールに拡大。今年の出荷量を4200トン(約3億円)と見込んでいた。
 松田組合長は「非常に残念な結果で、現状では出荷しても赤字になってしまう。消費者はもったいないと思うでしょうが、生産者も同じ気持ちです」と悔しがっていた。
=2006/11/30付 西日本新聞朝刊=

 農家の方々が手塩に掛けて育てた野菜を自分の手で処分しなければならない、ほんまにつらいことやと思います。
 上の記事は山口県のお話ですが、では和歌山はどうなのか?と思い、農協に電話して教えていただきました。
 和歌山では、作付面積が少ないため、今のところ処分は発生しておらず、これからもその予定はないそうです。農協が決めた収穫目標量に対して強制力はなく、市場への出荷しすぎから価格の暴落を防ぐため、農家の方が「自主的」に処分をされているそうです。また、処分された量に対して国が補償するそうです。ただ豊作の影響で、例えばキャベツが例年なら1箱80~90円なのが、今年は30~40円ぐらいになっているそうです。
 にしても、かなり忍びない。祖母や親から「食べ物は粗末にするな!」と教えられた子どもからすると、「どーにかならんもんかなぁ…もったいない」と思ってしまう。
 同じお金をもらうにしても、つぶすのとつぶさないのでは大きな違い。海外の食糧不足にあえぐ地域で活動するNGOや、国内のホームレスに炊き出しなどを行うNPOに利用してもらうことはできないんでしょうか。
 引き続き、調べてみたいと思います。

2006年12月13日

ユビサキから和歌山を創る

 活動報告にも書きましたが、今日は吹きガラスでグラスを作ってきました。
 この工房では普通のガラスではなく、ジュースやお酒の空き瓶をリサイクルして、材料としています。そうすることで、溶けたガラスにするまでのエネルギーが少なくて済むのだそうです。
 いわゆる「クラフト」と呼ばれるこれらの芸術は、残念ながらまだまだ認知されていません。伝統工芸は古くからあるため、地域に根ざして守られていますが、クラフトはまだそこまでいっていません。
 誰しもいくつになっても、物を作る喜び楽しみは同じではないでしょうか。100円あればほぼ何でも買える世の中で、自分で実際にものを作り出してみることから学べることもあると思います。
 今回は吹きガラスでしたが、まだまだ他にもあるようです。自分の指先で作った物が世の中に出回って、人の心を動かすかも知れません。
 「ユビサキから和歌山を創る」ことは、そう難しいことではないと思うのです。

2007年01月02日

六分(りくぶ)の侠気(きょうき) 四分の熱

妻をめとらば才たけて

みめうるわしく情(なさけ)ある

友をえらばば書を読みて

六分(りくぶ)の侠気(きょうき) 四分の熱

 これは与謝野鉄幹の『人を恋うるの歌』の第1節です。先日、ある大事な方からこの詩を教えていただきました。正直、私はこの詩を存じ上げませんでした。
 その方とは4時間ほど、色々なお話をさせていただきました。ほとんど問答形式で、まず初めに私に投げかけられたのは「なぜ、政治は必要か?」でした。そして政治家に必要なもののひとつが「六分の侠気 四分の熱」だと教えていただきました。義理人情だけではギクシャクする、情熱だけでは動かない。どちらも持ち合わせて、そのバランスが大事なのだ、と。
 その他にも、歴史上の出来事の本当の見方や、読んだ方がいい本を教えていただきました。
 その方とお会いできて本当に良かったと思っています。久しぶりに頭をガツンとやられました。自分がいかに物事を知らなさ過ぎるかを再認識しました。このまま行ってしまわなくて良かったと思いました。
 次にお会いできるのはいつか分かりませんが、その時には「ちょっとは勉強したみたいやな」と言われるようにはなりたいと思います。

2007年01月25日

「サラリーマン議員」はいらない

 先日、ある有権者の方から「もうサラリーマンみたいな議員はいらんのよ。わしらは就職活動のためにいてるんやないんや。」というお声をいただきました。
 確かにその通りだと思います。議員はサラリーマンではありませんし、またそうであってはならないと思います。そもそも政治とは、「政(まつりごと)」であり、神に感謝し、神に祈り、神事を滞りなく執り行うことであったと理解しています。それが転じて民に尽くし、不利益がないよう調整するのが政治という仕事だと考えています。
 私のように本業を持たず、政治を生業にしようとする者はサラリーマンのように見られるでしょう。しかし、政治の現場にいて、何かと兼ねて政治をするというのは到底無理なことです。決して片手間の仕事ではありません。何もかもこれに注ぎ込むんだという覚悟がなければできない仕事でありますし、してはならない仕事だと思っています。
 マックス・ウェーバーは『職業としての政治』の中で、政治家に必要な資質は情熱・責任感・判断力であると言っています。政治家は常に情熱・責任感・判断力が試される仕事の一つです。中途半端な気持ちではできないことは明らかです。
 実は以前、他県で地方議員への出馬要請をいただいたことがあります。しかし、きっぱりとお断りしました。なぜなら、私が育った和歌山でこそ仕事をやろうという情熱が湧くのであり、昔から自分のことを知っている人がたくさんいて、応援してくださる方がいるからこそ、その責任感を維持し、この街のことを知っているからこそ判断が下せると自分は思っています。だからといって、落下傘でがんばってらっしゃる方の情熱・責任感・判断力や資質がないと言っているのではありません。あくまでも自分の話です。
 サラリーマンになろうとは思っていませんが、そうならないよう、しっかり心に焼き付けたいと思います。

2007年01月29日

「資質」か、「センス」か

 柳沢伯夫厚生労働相が松江市で開かれた自民党県議の集会で講演した際、少子化対策に言及する中で「15から50歳の女性の数は決まっている。生む機械、装置の数は決まっているから、機械と言うのは何だけど、あとは一人頭で頑張ってもらうしかないと思う」などと述べた件。
 今日もニュースなどでたくさん取り上げられていました。国会の代表質問でも、発言について問い質されていました。
 「政治家としての資質の問題」とか、「センスの問題」とか、キャスターのコメントがつけられていましたが、そんな程度の問題でしょうか。
 これは、自分の母親に「お母さんは私を生むための機械です」とか、妻に「君は僕との子どもを生むための機械だから」と言い放っているのと同じですよね。私は母親に向かってそんなことよう言いません。
 柳沢大臣は「普段から私が女性にどういう風に接しているか、知っている人には理解してもらえる」という発言を後からされたようですが、つまりは「そういう風に」接しているということですよね、柳沢大臣。

2007年02月12日

スタ☆メン「政治(まさはる)くん」

 先程、フジテレビで『スタ☆メン』という番組をやっていました。特集で北朝鮮が作っているという米ドルや中国元、聖徳太子の旧壱万円札の偽物が出回っていて、それがかなり精巧にできているという取材を見ていました。ちょうどその次に「20代で地方議員を志す若者が増えている」という話をやっていました。
 自分と同じ28才の人が戦う姿を流していました。今回取材対象になったのは無所属の方ばかりでした。私のように民主党を冠に掲げている人間は取材しにくいのでしょう。でも、番組を見ていて、無所属だろうとそうでなかろうと、志は同じだということ、そして年が同じや近い人が同じように活動していて、同じように壁にぶち当たって苦労していることが分かりました。同時に触発され、一層やらなくっちゃとも思いました。
 鈴鹿で立とうとしている人は、貯金がいっこもないと言っていました。のぼりも拡声器もない。身体一本と手にはビラ。その点、私はまだ恵まれている方です。両親と同居で衣食住は足りています。申し訳なく思いながらも、まだ親のスネをかじっています。でもそのおかげで政治活動に専念できています。
 ただ一点、番組の中で言われていたことで納得できないことがあります。それは「政治家も職業の一つでサラリーマンと同じ」というような発言があったことです。前にも少し触れましたが、政治家はサラリーマンではありません。選挙は就職活動ではありません。政治は究極の奉仕活動だと思っています。奉仕しない人は正直いりません。自分は捨てる、自分のことはさておき、人のことを率先してやる、だからこそ平均よりやや高い歳費が頂けるシステムになっているのだと思います。
 偽善者と言われるかも知れません。でも、この仕事が好きなんです、好きやから仕方ないんです。性にも合ってます。仕事しない人よりする人の方がいいんじゃないでしょうか。
 皆さんはどう思われるでしょうか?

2007年02月16日

これが現実の生活

 活動報告で、福祉関係のお仕事をされている後援者に引き廻しをしていただいたと書きました。その中のとある市営団地にお住まいの82歳のご老女をお伺いしたときの話です。
 引き廻しをしていただいてる最中にそのご老女から後援者に「相談したいことがある」と電話が入っていました。
 そしてその方のお宅にお伺いして、ご紹介頂き、ご支援をお願いしました。するとご老女は相談したいことを話し始められました。
「お寺さんに10万か20万ほど預けておこうかと思うんやけど…」
 聞くと、その方はかなり前にご主人を亡くされ、娘さんには先立たれたそうです。親戚はいるものの離れていて、今は市営団地で一人暮らし。娘さんが亡くなったときに残していたお金も生活に使い、蓄えはなく、少ない年金で生活しているとのこと。なぜお寺にお金を預けるのかというと、自分が死んでからちゃんと供養してもらいたいがために、今生きているうちに手当てしておきたいという思いから。その原資は昨日もらったばかりの2か月分の年金。
 つまりは今の生活に不安なんです。親戚も当てにならない。老人ホームに入りたくてもお金がないから、死んでもほったらかしにされるんじゃないか。その日その日を生きることに精一杯で、安心して死ぬことさえできない。このご老女はそういう状況に置かれているのです。
 このお話を隣で聞いていて、泣きそうになりました。今でも書いていて涙が出そうです。
 82歳というと、まさに青春時代といえる二十歳前後を戦争と戦後の混乱の中に身を置き、30代になると高度経済成長で毎日働くことばかり。定年退職して、これからは自分の人生を謳歌するぞと思いきや、生活不安が押し寄せてくる。
 一生懸命働いて収めた年金の掛け金でようやく安心な生活を送れると思ったら、どんどんどんどん年金は切り下げられ、税金が引かれ、介護保険料を取られ、その割には思った介護が受けられない。それが一人や二人じゃない。この一つの団地に何人ものそんなお年寄りがいるんです。
 今自分がここにいるのは先達や祖先の苦労や犠牲があってのこと。しかしそれを忘れ、自分のことを捨てて国のために尽くし生きてきた人たちに、置き土産が「先行き不安」とはあまりにも申し訳なさ過ぎます。
 本当に何とかしたい、しなくてはならない。しかし、自分ひとりだけでは何もできません。少しでもこの実情を知っていただくのが一番だと思い、書かせていただきました。

2007年02月21日

ローカルマニフェスト解禁!

 今日の参議院本会議で、知事選と市区町村長選での公約(ローカルマニフェスト)の配布を解禁する改正公職選挙法が全会一致で可決され成立しました。3月22日に施行され、4月の統一地方選から「ローカルマニフェスト」がビラの形で配布できるようになります。
 今回の法改正で現在は禁止されている地方選挙での選挙運動用のビラ配布を認め、ローカルマニフェストの頒布が可能になります。ただし、配布できるのはビラに限られ、国政選挙と違い書籍やパンフレットの形は認められません。配布枚数も選挙によって定められます。
 個人的には、一歩前進かなぁと思いますが、まだまだ現状とはかけ離れています。そもそも選挙中にビラなどを自由に配れない制度になっているのは、枚数多く回数多く配布するには多額のお金がかかり、お金の有無が選挙に影響してはならないという理念からです。
 選挙期間中には、国政選挙においてマニフェストの配布が許され、今回許された地方首長選挙でのローカルマニフェストの配布以外では、公営掲示板のポスター掲示、選挙公報、選挙用郵便葉書の郵送、選挙事務所の看板、選挙カーのデコレーション、自費の新聞広告が認められています。
 つまり、インターネットはこの中に入っておらず、今は禁止項目の中に含まれています。ただ選挙期間中にホームページを閉鎖することまでは求められず、新設したり、更新することが禁止されています。
 ホームページをつくり運営することにはそんなにお金はかかりませんし、有権者が興味を持たなければアクセスしてもらえないわけですから、主導権は有権者が持っているわけで、更新をできるようにしても問題はないと思います。
 これだけネットが普及しているのですから、早く取り入れていただきたいものですが、法律の改正ができる国会議員がネットを使えなかったり、その仕組みを理解していないから、手をつけない…とかじゃないですよね?

2007年03月02日

『当たり前』のことを『当たり前』に

 私は”紀州ルネッサンス”の中で「『当たり前』のことを『当たり前』に」と書いています。本来なら書かなくてもいいことですが、それを書かなくてはならない現実があります。それを思い起こさせるニュースがありました。

「本の借り逃げ、卒業させず」強硬策の大学相次ぐ
 大学の図書館から本を借りたまま返さずに卒業する学生が後を絶たないことから、強硬策に訴える大学が相次いでいる。
 本の返却を卒業証書授与の条件にしたり、返却の有無を卒業の判定材料にしたりするなど、「借り逃げ」に業を煮やした大学側の苦肉の策と言えそうだ。
 「未返却図書があると、学位記(証書)を受け取れないことがあります」。早稲田大(東京都新宿区)は2月20日、本を返していない卒業予定の学生・院生ら約2800人に、学生向けインターネットサイトで警告を流した。これまでは個人にメールで通知するだけだったが、未返却者が減らないため、目立つ場所に表示した。
 早大図書館の貸出数は年間約88万冊(2005年度)と国内の大学では最大規模で、卒業生の未返却図書は年間100~150冊に上る。
3月2日18時9分 読売新聞配信


 大学生でも「借りたものは返す」という『当たり前』のことを『当たり前』にできないのです。これからどんな世の中になるのか、本当に不安になります。

2007年03月03日

今もやっています

 今は3月3日午前2時22分、これを書いています。
 この時間、国会での審議が行われています。予算審議の混乱でこの時間に本会議が開かれています。政府・与党は何が何でも予算を通したいようです。
 NHKでは審議中継をやっていませんが、衆議院インターネット審議中継がありますので、本会議の様子を見ながらこれを書いています。
 私も永田町にいた頃、松浪健四郎議員がヤジに怒って議場に水をぶちまけたせいで、審議が混乱し、本会議が終わったのが朝4時半前だったことがあります。どうも今日もそのペースのようです。
 国民生活が良いものになるのなら、いくらでも審議していただきたいのですが、ご都合主義で予算を通すために審議を延ばすことだけはやめていただきたいものです。

2007年04月28日

「民主党公認」について

 選挙前後を通じて、「民主党公認」についてたくさんのご質問をいただきましたので、遅まきながらここでお答えしたいと思います。なお、ここに書かせていただくのは私自身のことであり、他府県や選挙の違いなどで条件が異なります。必ずしも一律ではないことをお含み置きいただいた上で、ご覧下さい。

Q1:「民主党公認」とはなんですか?
「民主党」という政党が、候補者として相応しいと太鼓判を押したということです。私の場合は、和歌山県連が初めて行った公募で選ばれ、公認をいただきました。

Q2:公認の人はお金がいっぱいもらえるのですよね?
いいえ、そうとは限りません。今回の選挙で私は民主党からお金をいただいていません。基本的には自分で選挙資金を集めなくてはなりません。民主党に所属していますが、個々人の独立は保たれています。

Q3:人手は確保してくれるのですよね?
いいえ、それも基本的に自分で賄わなければなりません。私の場合、同級生や支援者、岸本周平後援会の方々が支えて下さいました。

Q4:じゃあ、どんなメリットがあるのですか?
民主党に所属したり関わりのある各級議員と連携をとって、情報をやり取りしたり、市の要望を県や国につなぐパイプがあります。皆様のお声にお応えするための最大限の努力をする、そのための一つのツールとなっています。

2007年05月28日

政治家の命

 今日は「政治家の命」に関わる出来事が2つありました。
 ひとつは、4月18日に選挙事務所前で銃撃され亡くなった伊藤一長・前長崎市長の市民葬が行われました。伊藤市長が銃撃されたニュースはまだ記憶に新しいことと思います。同じく政治に携わる者として、非常に衝撃を受けましたし、殺せばすべてが終わると思われていることに怖ろしさを感じました。
 もうひとつは、今ニュースでもやっていますが、松岡農水大臣が自ら命を絶ったことです。「ナントカ還元水」は今年の流行語大賞に入る勢いでしたし、事務所費の問題では連日国会で追及がなされている最中での出来事でした。
 事情はどうあれ、今回大臣が自ら命を絶ったことはよろしくないと思っています。この間子どもたちの自殺が相次いだ時、確か政治家は「命を粗末にしてはいけない、思いとどまって欲しい」と言っていたはずです。しかし今回のこと。子どもたちからは「言ってることとやってることが違う」と言われるでしょう。
 また少しずつ、松岡大臣を取り巻く環境がどうであったかの話が出てくると思います。ただやはり、政治家である以上、説明すべきことがあったと思います。議席は命より重いとは思えません。全てを白日の下に曝すべきではなかったでしょうか。
 国会勤務の際、松岡大臣を何度もお見かけしたことがありました。政党が違い、お話することはありませんでしたが、しかし知っている方がこういう形で亡くなられるのはとても寂しく思います。
 ご両人のご冥福を心からお祈りいたします。合掌

2007年06月23日

「議員」への固定観念

 選挙が終わって2ヶ月が経ちました。本格的な議員活動を始めさせていただいています。
 たった2ヶ月ではありますが、しかしこの2ヶ月の間に色々な「固定観念」と顔を付き合わせることになりました。
 一番初めは、「先生」という呼び方。当選したその時から「先生」と呼ばれました。28.9才の若造が「先生」と呼ばれる、自分の中ではかなりの抵抗がありました。当然、変えていただくようお願いしました。理屈をこねれば、私は和歌山市議会「議員」にしていただいたのであって、和歌山市議会「先生」になった覚えはありません。しかし、慣例だったり、他の議員さんの手前、私だけ特別扱いできなかったり…。中にはご理解をいただいて、山本「議員」と呼んでくださる方もいらっしゃいますが、やっぱり9割ぐらいは「先生」です。
 無理に抗って、混乱を招いたり、困らせたりしても意味がないので返事はしますが、今でも慣れたくはないと思っています。

 あと、議員は必ず車に乗る。私が自転車で登庁したら驚かれました。というか、議員だと思われていませんでした。「どちらにご用ですか?」と警備員さんに声をかけられたぐらいです。別に選挙のときだけのパフォーマンスじゃなく、昔から自転車で走りまくっていますので、自分にとっては普段通りのことをやっているだけなんです。自分にとっては特別でも何でもありません。ちなみに、警備員さんにはその反動で、今はしっかりと覚えてもらっています。

 そして、自分で何もかもやったらあかんようです。つい秘書時代のクセで、何でも自分でやろうとするのですが、市の職員さんが気を回して、やってくださるときもあります。私を待ってくださっているときもあります。分かっていても、少しはお願いして、手伝っていただかなくてはいけないですね。

 回りにはまだまだ分からないこと、知らないことだらけです。ただ、幸い私の周りにはベテランの先生方ばかり。分からなければ、ちゃんと教えてくださいます。そのことがうれしいですし、感謝しています。

2007年06月25日

辞める辞めないは…

 「○○だったら辞める」という話が次々と出ています。
 自民党の中川秀直幹事長は5月12日、「参院選の勝利を目指し、政治生命をかけて取り組んでいる」と述べ、参院選で敗北した場合、幹事長職を辞任する考えを示しました。
 安倍首相も6月22日のラジオ番組で、参議院選挙に敗北した際の責任論に関連して「党総裁である私の責任も当然大きいと、ある意味では自覚している」と述べました。
 我が民主党の鳩山幹事長も今日、早稲田大学での講演で、参院選について「負けて幹事長にとどまれるという思いは一切ない。自公の過半数割れを成就できることを勝利と呼ぶ以外にない」と述べ、与党を過半数割れに追い込めない場合は辞任すると明言しました。
 正直、今、国民生活者には政治家が辞めるかどうかなんか、関係ないと思うんです。年金を守ってくれるかどうか、生活が守られるかどうかに関心があって、一政治家の進退はどうでもいいんです。意気込みは分かりますが、今そんなことを言う必要があるのでしょうか。
 そんなことをしているから、国民の気持ちが冷め、政治離れが進み、投票率が下がって、政治が見捨てられてしまうんです。国民に迎合せよとは言いませんが、しかしある程度の距離の近いところにいなければならないと思うのです。
 「生活が、第一」と言うのであれば、決して離れてはならない、そう思うのです。

2007年06月28日

「大滝ダム」ってご存知ですか?

 大滝ダムをご存知でしょうか。実は、大滝ダムは和歌山市民の命の水瓶なのです。
 奈良県吉野郡川上村にあります。昭和34年9月の伊勢湾台風(台風15号)により紀の川流域は大変な被害にあいました。その教訓から、上流域にダムが計画され、建設されたものです。
 しかし、十分な調査を行わないまま建設を行ったため、水を入れたときに地すべりを起こし、完全運用ができないまま今日に至っています。そして、その地すべりに対処するための工事費用の一部を、国は和歌山市に請求しようとしています。
 ダム建設や管理についての法律「特定多目的ダム法」というのがあり、これを使って運用をしています。大滝ダムのように、最初の計画から何度も計画変更され、その度に追加負担を要求されるようなダムに対して、下流域でその水資源を使う自治体が一度その計画に賛成し乗っかってしまうと、例えば財政面からの問題で手を引きたいと思うと、同時に利水権、つまり水を使う権利を放棄しなければならなくなるのです。昭和32年に作られた法律だからかもしれませんが、今の地方分権を推し進めるといっている中で、地方自治体には拒否権が与えられていないのです。
 その上、和歌山市の様に財政が危機的な状況でも、一銭もまけてくれません。財政破綻しても払えと国土交通省は言うのです。一方で同じ国の機関である総務省は、赤字が多いと財政再生処理にかけると言います。片方では赤字を増やさせといて、もう片方では減らせと言う。右の口と左の口で逆のことを言ってくるのです。
 水は守らなければなりませんが、財政も大事です。この八方塞の状況を打開する方法を考えなければなりません。

2007年07月03日

前略 久間章生防衛大臣様

 久間章生防衛大臣様、突然のお手紙を失礼いたします。

 原爆投下を「しょうがない」と発言され、各方面から針の筵の上におられること、心中お察しします。
 松岡農水大臣の時と同じく、安倍首相は大臣の辞任は「必要ない」とおっしゃって、大臣をお守りになりました。安倍首相の取り柄で、徹底的に大臣を守り切るのかと思っていたのですが、結構早く手放されてしまいました。もっと粘っていただければ、我々への追い風になりましたのに、残念です。
 また、辞任会見での大臣のお話にも感動しました。
「長崎市長もお見えになった。これ以上(政府・与党の)皆さんに迷惑をかけてもいけませんし、参院選が私の発言でマイナスになっても困る。一つのけじめをつけなきゃいかんと思いますので、辞任します。」
 国民、特に被爆された方々や被爆地の住民よりは、参議院選挙を自民党公認で戦う方々を向いたご発言に心打たれました。国民よりは選挙、国民よりは自民党、大臣という立場より選挙優先。自民党の一翼を担う方のお言葉としては最高です。謝罪相手は国民ではないということをはっきりと示された、そのご英断に心から敬意を表したいと思います。
 今後も一層ご活躍され、次の総選挙でも必ずや国会に戻ってこられることをお祈り申し上げます。

2007年09月01日

無残

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 旧サンピア和歌山の今日の姿。  正直、「あーあ」っていう感じです。

2007年09月05日

ガソリンが高い!

 日々の活動の足はほぼ、愛用の自転車です。私が高校に入り、買ってもらった13年物です。通常で30分の道のり。雨でも雪でも通いました。校舎が高台にあるので、ものすごい坂を登らなければなりません。それで、かなり丈夫な自転車を買ってもらい、今でも現役です。それに、家から議会まで近いということもあるのですが、多少の運動にもなりますし、ちょっとかしのエコゴコロです。
 しかし、市内も広いのでどこでも自転車というわけには行きません。また日程の関係で、小回りよく動きたいときもあります。そんな時は原付バイクを使っています。
 最近皆さんもお感じになってらっしゃると思いますが、ガソリンが高いです。レギュラーで150円台のお店も見かけるようになりました。
 ガソリンを入れた後、レシートをまじまじとご覧になったことがあるでしょうか?
 実はガソリンの値段の中には揮発油(ガソリン)税というものが含まれています。金額は決まっていて、リッターあたり53円80銭。下のレシートですと、リッター単価147円ですから、約37%が揮発油(ガソリン)税になります。結構な割合です。それが高いか安いかは別として、問題はここからです。
 そのガソリン代金にまだ消費税が上乗せされます。税率は5%。ここで何か気付かれませんか?そうです。揮発油(ガソリン)税に消費税、つまり税金に税金を掛けているんです!これを「二重課税」と言います。「二重課税」は解消されなくてはいけないものなのですが、未だに放置されています。なぜなら、国民が知らないのをいいことに、税収があるから放ってあるのです。
 53円80銭に対する消費税5%は2円69銭。リッターあたり2円69銭は余分に払わされているのです。
 和歌山県での1人当たり年間ガソリン販売量(平成9年)は430.5リットル。4人家族だと1722リットル。これに2円69銭をかけると約4632円。年間これだけ無駄に出費していることになります。たかが4600円かもしれませんが、しかし、車を多用する人にとってはもっと大きな出費となります。されど4600円。
 国にもまじめに考えてもらわなくてはならないと思います。

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2007年09月14日

ウルトラCはあるのか

 安倍首相の辞意表明を受けて、急遽次の首相選びを含めた、自民党総裁選がスタートし、どうやら下馬評の高い麻生さんを、虎視眈々と総裁の椅子を狙っていた福田さんが一気に追い抜こうとしています。
 「深く静かに潜行せよ」という言葉を岩國代議士から聞いたことがありましたが、まさにそれをやって見せた方が福田さんのように思います。
 自民党は選挙に勝てる手を必ず打ってきます。ウルトラCはあるのか。もしあるとすれば、私の勝手な予想ですが、「福田首相-小泉副総理」かなぁと思っています。そうなったら、自民党の支持率は上がるでしょうけど、目立たない首相になってしまいますね。

2007年09月17日

和歌山の道路についてどう思いますか?

 今、国土交通省道路局が「道路整備の中期計画の作成に向けたアンケート調査(第2回)」を実施しています。

 皆さんは普段お使いになっていらっしゃる「道路」について、どのようにお感じでしょうか。
 便利だなぁと思われたり、反面不便だと思われたり、こんな工夫があったらいいのに、だとか色々とお思いになることがあると思います。
 和歌山の場合、紀伊半島を一周する高速道路が整備されていません。そのため、一部の一般道路でかなりの渋滞になっています。それが原因で物流が滞ったり、遮断されていたりで、そのしわ寄せが住民の方に掛かるようでは、放置しておける問題ではありません。
 しかし、正直なかなか自分が住んでる地域のことしか分かりません。それぞれの地域にはそれぞれの特徴がありますし、勝手加減があります。
 ましてや、東京の霞ヶ関の中にいる人が、和歌山の個々の地域事情まで把握するのは不可能といっても過言ではないと思います。
 そこで、私達の声を聞いてもらえる機会が上のアンケート調査です。皆さんのお考えをぜひ国土交通省にお送り下さい。

2007年11月01日

インフルエンザ発生!

 今年はインフルエンザが異例の速さで流行しているようです。10月中にインフルエンザで学級・学年閉鎖になったのは9都道県もあります。和歌山市でも10月21日に加太地区で「A香港型」の患者が発生しています。
 しかし今流行しつつあるのが「Aソ連型」ウィルスで、「A香港型」と同じように突然高熱が出て、激しい咳やのどの痛みが発生します。これまで「Aソ連型」にかかった経験のある人が少なく、免疫がないため、大流行する可能性が高いと専門家は話しています。
 手洗いとうがい、そしてマスクの使用が効果的だそうです。皆様もお気をつけ下さい。

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2007年11月04日

突然の辞意表明

 14時過ぎに一つの連絡が入りました。「小沢さんが代表辞めるって」
 それから14時半ごろに、ちょうど見ていたテレビで、ニュース速報が流れました。「小沢民主党代表が辞意表明、午後4時から記者会見。」
 そのすぐ後に、ある支援者から電話、「どうなるんよ、民主党は!」

 小沢代表にとっては、そういう選択肢もありかな、と思いました。「無責任だ」という声があるようですが、必ずしもそうだとは思いません。安倍さんのように、首相の座に自らしがみついておきながら、突然放り投げたのとは違います。しかし、私のような民主党の末端からすれば、前途多難、大嵐です。
 小沢さんの頭の中には、かなり壮大な大計画、先のイメージがあったのだと思います。そこにたどり着くための道筋はいくつかあったはずですが、その中から今一番選ぶべきは「連立政権」や「政策協議の場の設置」だと思われたのでしょう。政権の懐に入って、その中でグリングリンかき混ぜてやろうと言うのは、小沢さんが考えそうなことです。
 その間の詰めた考えが小沢さんの中にあったのでしょうが、それが党の役員会でうまく伝わらなかった。この場合、小沢さんが全てをさらけ出して話すか、全役員が小沢さんの思いを忖度してついていくかしか、選択肢はありません。戦略を全て話すわけには行かないし、全役員は忖度しないし、役員総取っ替えもできない。結果として「不信任をつきつけられた」というところに落ち着いたのでしょう。
 政権を維持するためにはなりふり構わない自民党ですから、それに勝つためには我々もなりふり構わない戦略が必要だと、元自民党の小沢さんは考えたのでしょう。一度民主党に政権を持たしてみればどうなるかの大実験をしようとしたのかも知れません。ただ、これらは自らの浅はかな議員秘書の経験から、あくまで勝手に小沢さんに有利に想像するだけで、事実ではありません。マスコミから流れる情報が全てでもありません。その点、ご理解下さい。

 こういう逆風のとき、党本部は我々末端の人間の声を聞いたり、助けてくれたりはしません。しかし、最大の突風は我々に吹き付けます。明日から風に耐える日が始まります。

2007年11月09日

火事から見えること

 今日午後2時45分ごろ、東京都港区芝の7階建てマンション最上階から出火し、7階部分約145平方メートルを全焼した火事がありました。
 7階の家主(65)とその妻(61)、母(88)の3人が屋上に取り残され、妻と母が東京消防庁のヘリコプターで救助され、家主は階段から自力で逃げました。3人は煙を大量に吸い、都内の病院に運ばれたそうです。東京消防庁が、火災で逃げ遅れた人をヘリコプターで救助したのは初めてのことだったそうです。夕方のニュースではその模様が中継で流されていて、しばらく見ていました。
 今回の火事はまさに都市型の火事で、ビルが林立する都心で、ビルの周辺に十分な空地がなく、消火活動が容易でなかったこと、また隣のビルとの高さに差があり、移ることもできないなどの課題が見つかりました。
 同時に、都心だからといって若者だけが住んでいるのではなく、60代と80代の高齢者だけの世帯が存在し、その割合が案外多いということが分かりました。では、和歌山はどうか。
 今年3月末現在の和歌山県の高齢化率は24.6%で全国第10位。和歌山市は県内市町村で低い方から4番目ですが、それでも22.7%となっています。また県下で65歳以上の高齢者のいる世帯のうち、一人暮らしおよび夫婦のみの世帯は58.6%と過半数を超えています。和歌山は全国的に見て高齢化率が高い地域であることが分かります。
 今回の東京の火事と同じようなことが和歌山でも起こる可能性が高いです。早いうちに対策を考えなければならないと思います。

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(読売新聞ウェブからの写真)

2007年11月24日

中庸

 何事にも「中庸が大事」と教えられたことがあります。
 私は先日、小沢代表の示された大連立を肯定する考えをお話しました。あくまでもその向こうには、自民党のやり方をよくよく知っている小沢代表が自民党の懐に飛び込んで、テロ特措法と引き換えに年金や農業、薬害などで困っている方を助けるということがあります。決して私利私欲党利党略のためではありません。
 しかし、大連立が非現実の物となり、政策協議も持たず、何もかもを正面から戦いの場に置くといった今の現状はどうなのでしょうか。色々な法案審議が滞り、支障が出てきていると思います。
 やはり「何事も中庸」なのではないでしょうか。

2007年11月29日

ボーナスアップ?

 今開かれている議会で、市職員のボーナスアップについての議案が出されています。同時に、これまでの慣習で、議員のボーナスもアップすることになります。金額にして、4万円ぐらいです。
 支援者の方からメールで、私がこの事についてどう考えているのかと問われました。次のようにお答えしました。

「あくまでも個人的な考えと前置きした上でお話します。
基本的にはボーナスと給与については切り離して考えなければならないと思います。
ボーナスの引き上げについては、市職員全員がその対象となっております。人事委員会勧告を受けた場合、引き上げを行うのが、市としての通常の対応です。
同時に慣例で議員のボーナスも引き上げるという対応をこれまで行ってきました。今回の引き上げも慣例に則った形です。引き下げのときも同様に慣例で引き下げを行います。
今回慣例を使うことを否定すると、これまで市職員と同じように上下させるシステムを否定することになります。そうするとボーナス支給のための根拠を失うことになりますので、これまで通り慣例に従うべきだと考えます。
職員給与の削減については、職員の生活の基礎を支える根本ですので、本来なら削減はすべきではないと思います。
しかし、和歌山市自体が倒産しては元も子もないので、市民に対する負担増と一番の支出項目である人件費の削減に至ったわけです。当然議員も同等の痛みを分かち合わなければならないと思います。
明日から始まる議会の中で何らかの策を提示し、一定の結果をお示ししたいと考えています。」

 公務員には会社員のように、スト権が与えられていません。その代わり、給与の増減については、中央省庁であれば人事院が、市役所であれば人事委員会が組織から独立して、物価や一般企業の給与水準を基にして、金額を決めています。法で定められた制度である以上、これを遵守する義務があります。
 しかし、議員は別だと思います。私が上乗せ分を供託したりしてパフォーマンスしてもいいのですが、そこからは何も生まれない、ハレーションを起こすだけだと思うので、自ら襟を正して自分たちができる策を考えたいと思います。

2007年12月01日

質問後記

 今日、一般質問を終えました。
 これまでの2回の質問は、いくつかの分野について質問をしてきました。今回は教育に的を絞って質問をさせていただくことで、多少深い議論ができたように思います。
 ただ、ある支援者の方からは「子どももいない、結婚もしてないのに教育の話をしても、あまり重みがない」とのご指摘も受けました。確かにもっともなお言葉ですし、返す言葉もないのですが、だからと言って、教育の議論をしてはならないということはないので、気にせず行かせていただきました。
 今回の質問では、ひとつ気をつけたことがあります。それは、横文字を使わないということです。唯一「ジェンダー・フリー」を使いましたが、これは国の男女共同参画基本計画の中に出てくるので、勝手に変えることができず、そのまま使用しました。それ以外は全く使わず、質問しました。
 横文字を使えばすごく精通しているように見えるとか、カッコいいとかそんな問題ではないと思っています。市民の方が傍聴に来られますし、議事録として残り、公開される以上は誰が見ても分かるものでないといけないと思います。
 難しいことでも、如何に分かりやすく伝えるかが、政治家に課せられた仕事のひとつ「説明責任」だと思います。岩國哲人代議士も、いつもその点を注意され、私にもそう教えて下さいました。
 こんなところにも気をつけていますので、そんな目で改めて議事録を見ていただければと思います。

2007年12月21日

2日に1回のペース

 ウェブニュースで次のような記事を見つけました。

「新聞広告掲載は2日に1回、今年回収された食品は570品」
 異物混入や不適正表示などを理由に回収するための新聞広告を出した食品は今年に入り計570品に上ることが、三菱総合研究所(東京)の調査でわかった。
 掲載日数は延べ186日で、2日に1日のペースだ。
 調査は、食品回収が今年相次いだことを受け、初めて実施。国民生活センターがホームページで公開している情報を基に研究所が今月14日現在で集計した。
 570品の内訳は、菓子が最も多く全体の33%。総菜などの調理食品18%、サプリメント(栄養補助食品)11%、魚製品8%などと続いた。回収の理由は、異物混入や風味不良などの「品質不良」が58%、「誤表示」が35%。
 健康被害に関する記載については、「健康被害はない」が40%、「ある」が2%。残る58%は健康被害について何も記載されていなかった。
 同研究所は、今回の調査結果をもとに、消費者に分かりやすい食品回収のあり方を検討し、提言を発表するとしている。
(2007年12月21日21時19分 読売新聞)

 確か昨年はそんなに問題になっていなかったはずです。いや、問題がなかったのではなく、表に出てこなかっただけです。昨年11月に米産地偽装問題が発覚して、雪崩を打つように次々と…。
 今まではどうだったんだろうと思うと同時に、人間がやることだからこれぐらいのミスがあるのが当たり前と思うべきなのか、悩むところです。(騙すのを意図してやってる場合は問題外です。)

2007年12月22日

ゆずの香り

 今日は冬至です。かぼちゃを食べ、ゆず風呂に入るのが慣わしとされています。
 我が家ではかぼちゃは出ませんでしたが、毎年恒例のゆず風呂はしました。
 大小あわせて6個のゆずを湯船に浮かべて、ゆっくり浸かりました。浴室にゆずの香りが立ち込めます。
 夕方のニュースでは、銭湯の湯船にたくさんのゆずが浮かんだゆず風呂の話題が流れていました。あんだけたくさんのゆずが浮かんだ湯船に浸かってみたいなぁと思いました。
 ところで、一般家庭ではどれぐらいがゆず風呂をされているのでしょうか?5月には菖蒲湯もあります。皆さん結構実行されているんでしょうか。
 私は比較的うるさい方なので、七草粥などの文化風習行事をやってくれるよう、親に言っています。いつまでも残したい日本の伝統です。

2007年12月31日

今年を振り返って

 早いもので、2007年も幕を閉じようとしています。振り返ってみれば、今年は本当に大きな動きがありました。
 何と言ってもその一つは、私自身の選挙です。陣営を作り切れず、何も出来上がっていない、色々なものが中途半端な中で、選挙戦へと突入しました。同級生や友人、支援者の皆さんのお力を借りて、どうにかこうにか「選挙」と言えるような選挙になり、ギリギリの最下位40位で当選できました。2660.581票。この数字がどれだけ重たいものか、初めて実感した次第です。
 正直、選挙が終わって8ヶ月、未だに失礼をしている方もいらっしゃいます。少しずつ、お伺いをして、当然怒られもし、引き続きのご支援をお願いしているところです。本当に下手で申し訳ありません。
 今、議会の中では、最年少で唯一の20代。先輩議員の皆さんからは子や孫のように可愛がって頂いています。来年の5月には、私もいよいよ大台の30才になりますが、同時に議会では唯一の30代になります。

 今年は本当に政治が不安定な一年でした。政治が不安定だから生活に不安を感じるのか、生活に不安を感じるから政治が不安定なのか、どっちがタマゴかニワトリか分かりませんが、とにかく大変な一年であったことには変わりありません。
 少しでも和歌山で暮らして良かったと思ってもらえるよう、精進して参ります。引き続きのご指導とご支援をお願いいたします。
 皆様におかれましては、良いお年をお迎え下さい。

2008年01月01日

新年

 明けましておめでとうございます。2008年新しい年の幕開けです。
 議員になって最初のお正月を東京で過ごすことになりました。近大和歌山サッカー部に私の正月の全てが懸かっています。明日も2回戦の試合が、さいたま市駒場スタジアムで行われます。
 去年の正月とは環境も気持ちも全く違います。色々なことが大きく変わりました。せっかくですから、何か新しいことにもチャレンジしてみようと思っています。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 なお、政治家は、年賀状・暑中見舞状などの時候のあいさつ状(電報なども含まれます)を、選挙区内にある者に対し、出すことが禁止されています。あいさつ状をいただいたお礼など、答礼のために政治家本人が自筆で書いたあいさつ状は、出すことができます。

2008年02月20日

国防は大丈夫か?

 自衛隊のイージス艦が漁船と衝突した事故については、大々的に報道されているので、ご存知かと思います。
 昨日、議会のクラブ総会が終わって、NHKのニュースを見ていましたが、本当に気の毒な事故で、どうなっているんや?という思いでいっぱいです。
 他の先生方も、「どっかの工作船が来たら、突っ込まれて終わりやな」「上からには強いけど、下からには全然やな」という声も出ました。
 何千億と懸けた船が、国民を守るどころか、傷つけていては元も子もありません。
 何より、行方不明の二人の漁師が無事であることを祈るばかりです。

2008年02月23日

小泉さんの腹の内は?

 昨日、小泉純一郎元首相が自民党関係のパーティで講演をし、民主党が道路特定財源の一般財源化を求めていることについて「妥協は首相にしか言えない。そろそろ福田康夫首相が一般財源化を前提に『譲るべきは譲っていい案をまとめよう』と言えば、自民党内も『仕方ない』と妥協の話が出てくる時期だ」と述べ、首相が指導力を発揮して、民主党との調整をすべきだと述べました。
 また同時に暫定税率の問題では、「野党の主張にも多々もっともだと思わせる点がある」と野党側の考えに理解を示し、「自民の中にも一般財源化でもいいという議員が本音ではいる。私みたいにね」と語りました。
 小泉さんはなかなかです。こうやって揺さぶりをかけてくるんですね。当然マスコミに流れるのを前提で話すんです。
 確かに今は0か25円、期間は0か10年と両極端な話しか出ていません。それに「民主党は以後道路は作らないと言っている」というデマも流れています。落ち着いて冷静に考えなくてはならないと思います。

2008年03月07日

混乱の中の混乱

 昨日の報告には議事録を載せましたので、本会議についてのことを少しお話します。
 おとつい5日、私の前で議事進行がかかり、そのまま会議はストップしたまま、流れてしまいました。会議の日程はあらかじめ決められた、どちらかというと余裕のない状態で進んでいますので、5日の3番手の私は翌日に持ち越されると、どこかで帳尻合わせをしなくてはなりません。
 その帳尻合わせを翌6日にすることになってしまいました。そのことを朝一で聞かされ、「至上命令」のように感じてしまった私は、かなり焦りました。その上、皆様もご存知の通り、共産党の後みつる議員が飲酒運転で事故を起こし、逮捕されたということで、混乱の上の混乱でした。
 しかし、彼が逮捕されたことは議事を止める理由にならないとのことで、一般質問が行われることになりました。
 午前中は私の前の吉本議員の第三問目が残っていましたのでその続きと、私ともう一人で計3人が登壇しました。午後は2人立ち、1日で5人登壇。今までで一番過密日程でしたが、なんとか収まりました。
 さて、このことについて、お話ししないわけにはいかないでしょう。昨日の朝、その一報を聞いてかなり驚きました。飲酒運転など無縁の人だと思っていたからです。先程ニュースで、大艸市議団幹事長宛に辞職願が提出されたと流れていました。
 1月に行った視察の際、ご一緒させていただきました。移動の電車で席が隣になった際、ずっと本を読んでいらして、勉強熱心な方だなぁと思っていました。話してみれば、ノリの良い、明るい、幅のある方だと思いました。
 だからといって、飲酒運転が許されるわけではありません。福岡の何の罪もない子ども3人が犠牲になった事故など、私達はその悲惨さを目の当たりにしてきています。それ以上に言うことはないでしょう。
 今回のことは、本当に残念でなりません。

2008年03月08日

東京都よ、お前もか

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(写真は大滝ダム。国土交通省近畿地方整備局紀の川ダム統合管理事務所のウェブから)

 全国至る所で同じようなことが行なわれているようです。
 先程見たニュースですが、群馬県で建設中の八ツ場(やんば)ダムの規模を国土交通省が大幅縮小することを決め、関係する1都5県に意見照会したそうです。意見照会とは聞こえがいいですが、実際は「こうすると決めたのでよろしく。判子押して送り返して」というものです。
 八ツ場ダムは首都圏の水がめとして日本のダムで最も巨額な4600億円もの事業費が投じられているものの、計画浮上から半世紀経っても完成せず、3度目の計画変更となりました。当初の計画より約4割小さくなるそうです。
 八ツ場ダムは、昭和27年に調査が始まり、61年に基本計画が決まりました。その段階で平成12年度完成、総事業費2110億円とされていましたが、13年と16年の2度にわたって用地買収の遅れなどから計画変更が繰り返されました。
 東京都は「これ以上変更しない」との条件を付けた異例の意見書を国に提出し、変更を受け入れることにしたそうです。国土交通省はこの意見書を受け入れて、そのようにできるでしょうか。
 実はこれよりもっとひどい例があります。それは、和歌山市民の水がめである大滝ダムは、すでに6回も計画変更しています。そしてその度に事業費が膨らみ、今では当初計画の16倍弱にまでなっています。
 大滝ダムは昭和35年に調査が始まり、47年に基本計画が決まりました。昭和52年に完成の予定でしたが、昭和53・63、平成12・14・17・19年に計画変更とともに工期と事業費が積み増しされてきました。
 あっちでもこっちでも同じことを国土交通省はやっているようです。今回のように、東京都が文句をつけて再変更なし、和歌山市が言っても関係なしなら、和歌山市がなめられているということ。国交省の腹が分かりそうです。

2008年03月09日

質問後記

 今回の議会でも一般質問に立たせていただきました。4回目になります。今のところ皆勤賞です。
 今回の質問は、ひとつは高齢者や障害者など「災害弱者」と言われる方々を、地震などの大規模災害が発生したときにどう保護するかというものです。
 高齢だから、障害があるからといって、それが避難の足かせになってはならない。また、すばやく正しい判断ができないために犠牲になってはならない。それらのために、行政として何をすべきかということを考えてもらいたかったのです。何を準備しなければならないのか、どういう行動が必要なのか。どんなことを補助すればいいのか。そもそも、助けを必要とする人は、どこに住んでいて、どれだけいるのか。土台となる情報をしっかりと把握していなければなりません。具体的な内容や手法も含めて、質問を作らせていただきました。
 もう一つは喫煙についてです。ちょうど今月から、自販機でタバコを買う際にtaspo(タスポ)という成人識別カードが必要となる制度が始まります。まずは宮崎・鹿児島の2県からスタートし、7月には全国に普及します。和歌山では6月から運用が開始されます。
 そもそもこの制度は、未成年者にタバコを買わせない、吸わせないという目的から始まりました。運転免許証など顔写真入りの公的証明書のコピーを付けないと、カードがもらえません。カードがないとタバコが自販機で買えないから、未成年者は吸えないと言うのが役所や業界の論理です。しかし、本当にそうでしょうか。
 本当に買わせない・吸わせないなら、そもそも自販機なんかで売るべきではありません。taspo認識の機械を取り付けるのに7万円前後必要だそうです。これは自販機の設置者が支払っています。確かに、タバコ屋の収入のうち、7割近くを自販機が稼ぎ出しているというデータもあります。しかし、私は対面販売にしてもさほど収入は変わらないと考えます。タバコが欲しい人は自販機だろうが対面だろうが欲しいのですから。自販機は売れなくても電気を食います。世界的にタバコ自体に対する逆風、そして二酸化炭素排出の環境対策を考えれば、自販機大国日本はかなり遅れています。
 私は市長に対して、タバコの自販機を市内に置かせないという条例の制定を求めました。あえて極端な策を突きつけました。それ以外にも、タバコを吸った未成年者と保護者に対して厳しい罰則を与える条例や、市内での歩きタバコの禁止条例など提案しましたが、市長の反応は全然でした。
 一方ではタバコを原因とする疾患によって、医療費が増え、市の財政を圧迫していることを認めつつも、26億円のタバコ税が欲しいために何もしない。そうして、26億以上の損失を続けていくのです。思慮の浅さに正直呆れました。
 国際的には2010年2月までに国の法律として、罰則付きで受動喫煙の禁止を行わなければなりません。数年内にはそれ以上のことも求められます。私が提案したことは、きっと他の自治体でも検討しているかも知れません。こういうものはどこよりも早くやることが有効なのであって、誰かの後に続いたのでは何の効果もありません。
 市への取材や視察が増える。観光客が増えるなど間接的な効果は多くあります。福島県矢祭町などはその典型的な例です。
 こちらも何でもかんでも言えばいいと思ってやっているわけではありません。大したことないながらも、頭を動かして考えています。「やらない」というのは簡単ですが、やるように考えることも必要ではないでしょうか。
 今回の質問を終えて、思ったこと感じたことを書かせていただきました。

2008年03月31日

3月去る

 あっという間に3月も去っていってしまいました。明日から4月です。1月に続く区切りの月でもあります。
 ニュースなどでも取り上げられているように、道路特定財源ガソリン税暫定税率が廃止になります。福田首相は「この混乱の原因は民主党にある」という趣旨のご発言をされたようですが、確かにそれはそうでしょう。参議院で自民党が多数を取っていれば、自分達の都合の良いように持って行けていたのですから。
 一部には、この混乱が悪いようにおっしゃる方もいます。本当にそうでしょうか?今までのやり方が正しくなかったのですから、正しく直せば全く違うやり方になってしまうこともあります。今まで、どれだけの人が、ガソリン税53.8円のうち25.1円が暫定税率だと知っていたでしょうか?暫定税率って何?というところから始まったかもしれません。私も暫定税率という制度があったこと自体、知らなかった一人です。
 暫定税率がなくなれば、みんながガソリンをジャブジャブ使って、CO2を排出し、環境を重視したサミットの開催国として恥ずかしいと政府はおっしゃいます。しかし、そんなジャブジャブ使うほどの余裕がどこの家庭にあるでしょうか?食べることだけで窮屈している国民が五万といるのに、です。仕方なく通勤に車を使わざるを得ない家庭も多いでしょう。その家庭にとっては大助かりです。
 税金を集めることには必死でも、払うことにはかなり消極的です。年金の誰のものか分からない記録は、大部分が解決できないままです。その上、先日も書いたように「記録はがし・払い渋り」で一層国民を苦しめています。そんな嫌な部分は3月と共に去ってしまえばよかったのですが、そうはいきませんでした。
 しばらくは何かと混乱することがあるでしょう。案外心配するほどのことは起きないと、私は楽観視していますが、ないとは限りません。正しいことのための代償として、ご容赦いただければと思います。
 明日からも日程が目白押し。4月は「疾走」していきそうな予感です。

2008年04月05日

コミュニティ新聞の記者

 私の知人に和歌山でも有数のコミュニティ新聞の記者がいます。彼は私よりいくつか若く、いつも市内を走り回って取材活動をしています。
 私も彼も市役所や県庁によくいること、また彼の勤める会社が私の家の近くにあることから、よく顔を合わせます。
 先日、近附吹奏楽部の演奏会に行くとき、後ろから声を掛け、上り坂にもかかわらず、颯爽と自転車で追い抜いていったのも彼でした。当然、抜かれっぱなしは嫌なので、抜き返しましたが。
 自転車で取材に出かける、同じようなことをしているんだなぁと思いました。やっぱり自転車は、小回りが利くし、人との距離が近いんです。長距離を移動するには不向きですが、市内を回る分には大して差はありません。これからの季節、自転車での移動は気持ちいいんだろうなぁと想像しています。
 お昼過ぎからは、明日のおどるんや春祭りの準備に行きました。

2008年04月10日

若さのパワー

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 6日に行われた「おどるんや春祭り」には27チームもの参加と、3000人ものお客さんが来て下さいました。ステージの周りには常に人だかりができていて、ちょっと離れると踊っている姿が見えないぐらいでした。
 27チームの中には、この春祭りでデビューしたチームもあります。その一つが「和歌乱(わからん)」です。「和歌乱」は和歌山大学の学生で構成されています。そもそも、昨年の本祭で運営を手伝ってくれたことがきっかけですが、「踊りもしたい」ということで、チーム結成となりました。紀州よさこいには「紀風」というオフィシャルチームがありますが、「和歌乱」は第2のオフィシャルチームと言っても良いと思います。
 踊りの曲や振り付け、あおりも全て自分達で考え、生み出したそうです。まだまだ荒削りな部分もありますが、始めたばっかりにしてはかなりのレベルだと思います。平均年齢はほぼ二十歳ぐらい。彼らのパワーには驚きました。自分と10才違うとこれぐらい違うかと思ったりしました。
 10年前、私が二十歳前後の今頃は何してたかなぁと思い返してみると、浪人の後、ようやく大学に入って、手続きとかシラバスの説明なんかを受けながらも、うまく行かなかった受験に焦燥感を持っていた頃だと思います。目の前は明るくないけど、ずっと先に「政治家になる」という目標があって、ようやく自分を保っていました。その気持ちはずっと持ち続けていたので、爆発的ではなく、ジリジリと炭が熾るような思いの日々でした。
 私もまだまだ若いと思っていますし、パワーはあると思うのですが、彼らのように弾け飛ぶような勢いはなくなったのか、元から持っていないのか、そういう性質ではないのか。どれなのか分かりませんが、まだまだ負けたくないし、負けないし。彼らのパワーをもらいながら、自分のパワーも高めていこうと思いました。

2008年04月27日

花の命は短いのに

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 和歌山城では桜が葉桜になり、今はつつじが一番きれいな時期になってきました。去年より若干早目かなぁと思います。色々な花を見ていると、気持ちが明るくなりますが、残念なことにそんな花を傷つける人もいます。
 福岡県大牟田市では、公園の桜の木など10本が折られていました。葉桜になった桜9本の枝24箇所が折られたほか、ヤマモモ1本が根元で折られていたそうです。この公園では3月末にも見ごろの桜11本が根元から切られたり、枝を折られたりしていました。
 愛らしいチューリップに至っては、「第25回全国都市緑化ぐんまフェア」が行われている前橋では4月9日に約1050本、14日には約800本、19日には約65本がちぎられたり折られたりして、計約1915本が被害に遭っています。傘でチューリップをちょん切っている犯人の姿が防犯カメラに映っていて、これを公開し、犯人を捜しています。
 26日、埼玉県三郷市ではチューリップ38本の茎が切られました。20日には草加市の松原団地駅東口商店街のプランターに植えてあったパンジー約200本が抜き取られ、歩道上にまき散らかされていました。その後の捜査で26日に犯人が逮捕されています。
 今日も横浜市で公園のチューリップや菜の花、キンセンカが傷つけられました。
 どういうつもりでやっているのか分かりませんが、物言わぬ花に当り散らして、その無残な姿を発見した市民の方の気持ちは、想像するに余りあります。こんな暴力的な行動でストレス発散をしているならば、人心はどこまですさんでしまっているのでしょうか。
 これ以上、同じような事件が起こらないことを願うばかりです。

2008年05月02日

英語より、日本語でしょ

 今日の夕刊1面に次のような記事が掲載されていました。





小学英語、多難な必修化…自治体間で取り組みに差

◆指導員の人件費重荷
 学習指導要領の改定に伴い、2011年度に必修化される英語教育で、自治体間で取り組みの差が広がり始めている。3年後の実施に向け、教員を指導方法に慣れさせようと、新指導要領に合わせて小学校5、6年生で年35コマ(1コマ45分)の授業を行う地域がある一方、人件費を理由に必要な外国語指導助手(ALT)を確保できず、数コマにとどまっている地域も多い。中には、在住外国人らを臨時講師に雇ってしのぐ自治体も。今後、3年間で英語教育への取り組みの差は、さらに開く可能性もあり、専門家らは教育現場での早急な対策を訴える。

 ■先進地域
 京都市では今春、小学校5、6年生で年各35コマの英語活動を始めた。02年度から約20校でモデル的に取り組み、独自教材を作るなど、必修化をにらんだ試みだ。07年度は全校(179校)が平均22コマをこなしており、市教委は「必修化までに、教員の経験を積ませたい」と狙いを話す。
 国の構造改革特区の取り組みも盛ん。広島市は今年度、18のモデル校で新指導要領の倍の年70コマを計画。10年度には、全小学校に広げる。04年度から全学年で年34~35コマを実施している東京都荒川区も「必修化に不安はない」と自信を見せる。

 ■年1コマ
 07年度の文部科学省の調査によると、5、6年生の英語授業の全国平均は約15コマで、35コマを超える学校は約4%にとどまり、約10%が年1~3コマという。
 最大の問題はALTの人件費の確保。文科省は、35コマのうち3分の1程度にALTが補助に付くのが望ましいとの基準を示しているが、人件費は自治体の負担で、多くは十分な予算が確保できないのが現状だ。
 大阪市では、今年度の小学校のALT人件費は約2000万円。7人を雇用するのが精いっぱいで、299の全小学校の6年生だけにしか授業ができず、しかも年6コマ。5年生の授業は、中学校のALTを派遣してやりくりするが、昨年度の実施率は全校の約30%。市教委は「もっと必要なのはわかっているが、増員できず頭が痛い」と嘆く。

 ■自助努力
 そんな中、松江市は1998年度から、英語の出来る市民を「英語活動指導協力員」として募集し、全34の小学校の英語教育に当たらせている。ALTより割安の半日当5500円だが、商社や銀行など海外駐在経験のある日本人や、在住外国人の主婦など現在、19人が登録。平均年17コマのうち、ほぼ半分をALTが担当し、残りを指導協力員がフォローする。市教委は「地域の人を活用することで、学校教育への理解や関心も高まりつつある」と効果を指摘する。
 英語活動の研究指定校の大阪府河内長野市立天野小では、ALTに加えて、中学校の英語教諭を招き、積極的に取り組んでいる。
 小学校の英語教育に詳しい竹内理・関西大教授は「小学校教諭が英語に慣れるには時間が必要で、のんびりと構えている時間はない。財政問題など諸事情に合わせて工夫し、出来るだけ早く取り組む必要がある」と話している。

 ◇英語の必修化
 小学5、6年生を対象に年各35コマの授業を行う。英語のコミュニケーションに慣れるのが目的で、「話す・聞く」に重点を置き、「読み・書き」は行わない。中学校の英語とは異なり、「教科」ではなく、成績評価はしない。文科省が作成した教材「英語ノート」(試作版)には、2年間で285の単語と、50の表現が盛り込まれている。
(2008年5月2日 読売新聞夕刊)


 確かに英語は世界の大体どこでも通じます。英語を話す人口も一番多いです。母語とする人は約3億8千万人、第二言語として使う人は約6億人、外国語として使う人は10億人以上います。この三者を足すと約20億人、世界人口の3分の1を占めます。意思疎通のツールとしては最良だと思います。私も海外へ行ったとき、ほんの少しの英語がかなり助けてくれました。
 本格的に世界へ出て行くには、英語は必要でしょう。早くから英語に慣れていれば、身に付くのも早いと言われています。しかし、小学校から英語を必修にすることが本当に必要でしょうか?
 私は英語を母国語としない日本人であるからこそ、まず徹底して日本語を教えるべきではないかと思います。正しい日本語を使えずして、正しい英語を使うことはできません。土台のないところに城を築いても崩れてしまいます。
 土台となるべき日本語をしっかりと教えるべきです。古典まで含めて教えれば、脈々と続く日本文化を海外に発信することもできます。その上で、英語も学べば良いと考えますが、皆さんはいかがお考えでしょうか。

2008年05月04日

子どもの数は減少

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 明日はこどもの日。我が家では風習ものにうるさいので、必ず菖蒲湯が行われます。菖蒲湯をする家も少なくなってきているのでしょうね。
 もう一つ、少なくなっているのが子どもの数です。先程ネットニュースで記事を目にしました。
 4月1日現在で15歳未満の推計人口は、昨年と比べて13万人少ない1725万人で、1982年から27年連続減少し、過去最低を更新したそうです。総人口に占める子どもの割合は13.5%で、前年比0.1ポイント低下し、こちらも過去最低を記録、97年からは65歳以上人口の割合よりも低くなっているとのことです。
 都道府県別で見ると、沖縄が18.1%と最も高く、滋賀15.2%、愛知14.7%、佐賀14.6%と続き、低い方では東京が11.7%、次いで秋田11.8%、北海道12.4%、高知12.5%となっています。
 和歌山はどうかというと、13.3%で高い方から33位、低い方で言うと15位になり、前年度-0.2%の3ランクダウンです。65歳以上人口の割合である高齢化率は07年3月末で24.6%、全国第10位です。「高齢先進県」であることが数字に表れています。
 お金をつぎ込めば少子化が止まるものではないということも分かってきましたし、日々の安心があれば良くなると思うのですが、年金の掛け金も介護保険料も値上がりする一方です。
 道路を作るより、しっかり高齢社会を受け入れて、それに対応する方が和歌山は生き延びるのではないかと思ったりします。
 上記の詳しいデータは、総務省統計局のホームページでご覧になれます。

2008年05月15日

寂聴さんの誕生日

 なんばの高島屋で行われていた瀬戸内寂聴展へ行ってきました。今日が最終日だったので、何としても行かねばと思って行ったところ、5月15日は寂聴さんのお誕生日だったようで、記念の絵葉書を2枚いただきました。
 寂聴さんとの(一方的な)関わりは10年ぐらい前になるでしょうか。当時、源氏物語にハマっていて、大学受験の最中か終わった直後で、古典の原文のまま読んでいました。確かNHKの番組だったと思いますが、寂聴さんが出られていて、瀬戸内源氏を書かれたことを知り、読みました。
 しばらくして、京都・嵯峨野をぶらぶらしたとき、偶然寂聴さんのお住まいである寂庵に行き着き、そしてちょうど当日は寂聴さんの法話の日だったので、飛び込みで聞かせていただきました。もうあれから10年近く経ちます。
 展覧会では寂聴さんが創られたもの、寂庵に贈られた物、これまでの作家生活でしたためられた本など、多数展示されていました。
 今年は寂聴さんの作家生活50周年、そして源氏が書かれてから千年になります。長きに亘って愛され、読まれ続けるには何かしらの理由があります。寂聴さんが「生きることは愛すること。世の中をよくするとか、戦争をしないとか、その根底には愛がある。それを書くのが小説と思う。」とおっしゃっておられます。形は変われど、愛があるということが人を惹きつけて離さない魅力なのだと思います。
 また、直接お話を伺えればと思います。

2008年05月16日

小沢代表、ぜひ和歌山3区へ!

 本当かどうか分かりませんが、小沢代表が今の地盤である岩手4区から、東京12区へ国替えをするという話が出ています。
 なぜ東京12区なのかということがよく分かりませんが、それならば道路問題でも激突した和歌山3区で出てもらえないだろうかと、ふと思ったのです。そうすれば、全国一の注目選挙区になりますよ。
 まぁ、現実味のない話なので、これ以上はやめときましょう。
 こっちは現実の話。和歌山3区の公認候補者公募は来週19日から受付開始です。詳しい要領はこちら

2008年05月19日

CHANGEでチェンジできるか?!

 キムタクが主演するドラマ「CHANGE」が2回目の放送でした。前回の再放送も夕方やっていたようで、見逃しても大丈夫でしたね。
 前回は学校の先生から代議士になりました。今日は当選すぐの代議士が首相になれと言われるところで終わり。早速魑魅魍魎の世界で、ドロドロしてきました。
 さて、この先どうなるのか、勝手に予想してみましょう。朝倉は予定通り、総裁選に出て圧倒的な支持の下当選、首班指名され、首相の座に着く。そして、解散・総選挙は圧勝。引き続き首相に、と思いきや、何かでハメられて、首相の座から引き摺り下ろされる。その時ミスリードしたのが仲間と思っていた石黒賢。その後、神林(寺尾聰)内閣が発足、石黒賢は外相に。失意のまま、朝倉は政界を去り、小学校へ戻り、星を眺めながら、生活をする。おわり。
 オチがないようにも思いますが、それはさておき。3ヵ月後、どのように展開しているか、請うご期待!
 こういう番組を入り口に、リアルな政治に目を向けてもらえたらと思います。本当はどんなことが起こってるのか、どんな人がいて、身近な政治がどう動いてるのか。
 実際、同じようなことが起こるとすれば、T.S議員が首相になるってことなのかなぁと思いましたが、まずないですね。彼はそんなに支持取れないですから、今は。
 なかなかドラマのようには行かないけど、それに近いことはできます。それは皆さんが投票に行くこと、誰に投票するか真剣に考えること。これしかないと思います。
 リアルな政治も「CHANGE」してみたい!

2008年05月29日

30才になりました

 今日、30才の誕生日を迎えることができました。両親、ご先祖様に感謝しています。そして、議員活動を支えて下さっている支援者の皆さんにも御礼申し上げます。ありがとうございます。
 朝からお祝いのメールや電話をいっぱいいただきました。こういうのは久しぶりで、うれしかったです。
 論語には『三十而立(三十にして立つ)』とあります。まだまだ一人立ちとまでは行きませんが、努力はしていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。
 ちなみに、カラダスキャンの結果、体年齢は26才とまだまだ若いです。

 夜は青年会議所のオリエンテーションがあり、50周年記念映画『心の絆~この海から、ふたたび~』を鑑賞しました。

2008年06月11日

医療報酬制度は複雑

 今日はある方から相談を受けた案件を処理するために走り回っていました。
 その案件は、病院で治療を受けたのだけれど、診療報酬の明細(レセプト)が診療報酬支払基金へ回った際に、一部が保険で認められなかった旨の通知が社会保険事務所から来た。認められなかった分は自己負担になるのかという相談でした。
 先立って、ご本人が各相談窓口などでお話されたそうですが、納得されていなかったようで、私の出番となりました。
 まずは、ご本人が相談された窓口を順にたどりました。まずは県の医務課へ。県の医務課には電話で相談された事実と回答された内容が記録として残っていました。ただ医務課では対応できない内容だったとのことで、健康づくり推進課を紹介されたそうです。それで次に健康づくり推進課へ。
 推進課では応対された方がよく覚えていて話ができ、記録も残されていました。依頼者から預かった書類を見せながら、書類に書かれていることを解説していただきました。私が読んだだけでは、要するに何が言いたいのか結論が分かりにくい文章だったのです。まさに「お役所仕事」で患者さんがこんな文章を読んでも何のことか分からず、社会保険事務所から「あなたが医療に使った費用のうち、一部を保険の支払から減額しました。」なんて送られたら、誰でも動揺してしまいます。
 依頼者が一番心配していたのは、追加負担があるのではないかということです。私も、病院がすでに処方している薬についての費用を、支払基金が半分しか認めないという決定を出したら、保険で賄われない半分の薬代は患者が払わなければならないのかという点でした。
 健康づくり推進課の説明では、日本の医療制度は全額保険診療か、全額自己負担の2種類しかなく、一部を保険診療とするいわゆる「混合診療」は認めていない。支払基金が保険からの支払を認めなかった半分を患者さんが負担すると混合診療になるので、これまで保険で支払った医療費もすべて患者さんが負担しなければならなくなる。そのため、保険で認められなかった分は、病院が肩代わりしたと推測されるとの回答でした。つまり、患者さんは支払わなくてもよいとのことです。
 その言葉をもらって一安心しましたが、まさかこんなところで、今問題になっている「混合診療」に遇うとは思いもよりませんでした。
 依頼者に報告し、ご理解をいただかなくてはなりませんが、間に何人も挟んで噛み砕いて伝えなければならないほど、医療の制度は複雑です。こんなにややこしくていいんだろうかというのが、私の感想です。

2008年06月29日

前略 渡邉恒雄様

読売新聞グループ本社代表取締役会長 渡邉 恒雄様

 突然、このような形でご意見を申し上げる失礼をお許し下さい。
 昨日、我が党の鳩山由紀夫幹事長がこの和歌山に来られた際、東京から同行されてきた御社の優秀な記者について、お話をさせていただきたいと思います。
 できたばかりのスーパー前で街頭演説を行った後、すぐ近くの寂れてしまった商店街に鳩山幹事長をご案内しました。数年前までは、選挙の際は誰もが真っ先に挨拶に来ると言われていた商店街も、残念ながらお客さんはほとんどいませんでした。
 御社の優秀な記者は、党の党勢拡大にまで気を遣って下さり「もっと人の多いところへ連れて行けばいいのに」とアドバイスをくれました。
 本当におっしゃる通りなのですが、残念ながら和歌山にはいつも人が集まっている場所があまりありません。ぶらくり丁もとんと人が少なくなりました。東京の人の多さと比べれば、比べ物にならないありさまで、申し訳なく思います。
 私も若いので、ついカッとなって「これが地方の現状なんですよ」と怒鳴ってしまいましたが、全てが東京中心で回っているのですから、和歌山なんてどうでもいいのですよね。
 政治も経済も東京が中心。日本の人が多い場所である東京で起こったことを書いて、国民はそれを読み、知りさえすればそれでいいのですよね。数十年後には全人口の半分が東京にいるという推計まで出ていますから、東京集中でいいと思います。
 人の少ないこの和歌山に鳩山幹事長を呼んだために、御社の優秀な記者にわざわざ足をお運びいただいたことを心から感謝申し上げます。「人の多いところ」をご所望なら、もう和歌山へ着ていただく必要はないかもしれません。
 和歌山は「東京化」できないことを申し添えまして、お礼とお知らせに代えさせていただきます。

2008年07月02日

2つの意見書の行方

 昨日の活動報告にも書きましたが、今回の6月議会最終日に2つの意見書案が上程されました。
 ひとつは「各種健康保険制度の一元化によって、保険財政の健全化を進め、国民皆保険制度の維持を求める意見書案」、もう一つは「保険財政の健全化を進め、国民皆保険制度の維持を求める意見書案」です。前者は市民クラブから、後者は民主クラブ・新和クラブ・共産党・光クラブ・無所属議員の共同で提出されました。
 下記に両方の全文を記しましたので、ご覧下さい。




各種健康保険制度の一元化によって、保険財政の健全化を進め、国民皆保険制度の維持を求める意見書案

 本年4月から実施された後期高齢者医療制度は、高齢者の尊厳の否定、年金からの天引きによる生活不安等が、国民的な反発を招き、国政のうち参議院は廃止法案を可決、内閣及び与党は原案修正の道を選択するに至った。

 本市の国民健康保険事業は、累積赤字が平成19年度決算見込みで約54億円に達し、一般会計からの繰り入れなくして運営できない状況にある。

 特に、保険者、現役の被保険者にとって一般財源からの繰り出しは、保険料、税の二重払いであり、後期高齢者医療保険の財源、4割分負担を加えると三重払いとなる。

 このことは、将来、負担の公平性を欠く制度として、一世代間の対立を生むものと指摘せざるを得ない。

 私たちが世界に誇れる国民皆保険制度は日本国民の大きな財産であり、医療における安心、安全を保障する制度である。

 今回、介護保険制度に加え、後期高齢者医療制度を創設し、現行よりさらに小単位に分割することは、老若男女、弱者、強者の区別なく、お互いを助け合うという保険制度の主旨に反するものであり、制度の破綻に拍車をかけるものである。

 よって、本市議会は、表記に掲げるごとく、各種健康保険制度を一元化した制度の創設による保険財政の健全化、国民皆保険制度の維持を、国に対して強く求めるものである。

 次に発議第2号です。

 保険財政の健全化を進め、国民皆保険制度の維持を求める意見書案

 本年4月から実施された後期高齢者医療制度は、高齢者の尊厳の否定、年金からの天引きによる生活不安等が、国民的な反発を招き、国政のうち参議院は廃止法案を可決、内閣及び与党は原案修正の道を選択するに至った。
 本市の国民健康保険事業は、累積赤字が平成19年度決算見込みで約54億円に達し、一般会計からの繰り入れなくして運営できない状況にある。
 特に、保険者、現役の被保険者にとって一般財源からの繰り出しは、保険料、税の二重払いであり、後期高齢者医療保険の財源、4割分負担を加えると三重払いとなる。
 このことは、将来、負担の公平性を欠く制度として、一世代間の対立を生むものと指摘せざるを得ない。
 私たちが世界に誇れる国民皆保険制度は日本国民の大きな財産であり、医療における安心、安全を保障する制度である。
 今回、介護保険制度に加え、後期高齢者医療制度を創設し、現行よりさらに小単位に分割することは、老若男女、弱者、強者の区別なく、お互いを助け合うという保険制度の主旨に反するものであり、制度の破綻に拍車をかけるものである。
 よって、本市議会は、表記に掲げるごとく、後期高齢者医療制度の廃止も含め再検討し、各種健康保険制度の健全化、国民皆保険制度の維持を、国に対して強く求めるものである。

 文章のほとんどは同じですが、若干中身が違います。違うところは下線付きの赤文字にしました。ぱっと見、同じように思われがちですが、政策的には全く違います。その違いは
①各種健康保険制度について、1号は一元化を求めているが、2号は求めていない。
②後期高齢者医療制度について、1号は批判をしているだけだが、2号は廃止を含めた再検討を求めている。
の2点です。これは政策的にかなりの違いです。結果は次の通りになりました。

会派名

発議第1号

発議第2号

市民クラブ(12名)

×

公明党(8名)

×

×

民主クラブ(5名)

×

新和クラブ(4名)

×

共産党(4名)

×

新風クラブ(4名)

×

×

光クラブ(1名)

×

無所属(1名)

×

賛成者数

12名

14名

結果

否決

否決

 この表の通り、結果としては、両方の意見書は通らず、和歌山市議会として国に健康保険事業の改善を求めることはできませんでした。ちなみに、どの議員がどの会派に所属しているかは和歌山市議会のホームページからご覧になれます。
 市民クラブとの調整では「一元化は絶対」ということで、折り合いがつきませんでした。年金と共に、健康保険の一元化はかなり難しいものがあります。国民健康保険、政府管掌保険、共済保険、船員保険、健保組合保険とざっと思い出せただけでもこれだけあります。財政状況や成り立ちも全く違います。年金の一元化でも段階的に、と言ってる中で、健康保険の一元化はもっと難しいのです。
 今回の場合、最大公約数で調整できればと思ったのですが、「一元化は絶対」と突っぱねられるとどうすることもできません。市民のための仕事をしてないと言われれば、結果を出せていないので反論はできません。本当に申し訳なく思いますし、今後もあきらめず、国保会計の改善や後期高齢者医療制度の廃止を求めていきたいと思っています。

2008年08月07日

中国の体面か、国民の健康か

 中国から輸入された冷凍ギョウザに有機リン系の殺虫剤「メタミドホス」など、毒物が混入されていた事件。土用の丑の日を前にしたうなぎやその他の食品の産地偽装事件や福田内閣の改造、北京オリンピックなど、大きなニュースの影に隠れて息を潜めていました。
 しかし、同じ食品会社が製造した冷凍ギョウザが元で、中国国内でも食中毒が発生していました。あれだけ否定し、日本に罪を擦り付けようとしていたものの、やはり発生源は中国国内にありました。
 また、その報告を政府は受けていたにも関わらず、国民にはダンマリ。自分達に不都合なことには口を閉ざし、あげくは日本の中で毒が入ったと言いがかりをつける中国に、傷つけられた私達国民の威信はどうなるのでしょう。
 福田総理は中国が大好きで、中国が大事で仕方ないのでしょう。しかしその前に、総理あなたは日本人ではないのですか?同じ日本国民をどうして守らないのでしょう。中国の体面も大事にされたいのでしょうが、それ以上に我が国民の命を守るべきではないのでしょうか。
 「捜査に支障が出る」との理由だったようですが、日本での発表は中国での捜査にどんな支障が出るのか。ダンマリは認めないとどうして言えなかったのか。一国の総理が中国の言いなりでは、まさに属国扱いです。日本は中国の属国ではありません。毅然とした態度で臨むべきであると、私は思います。

2008年08月22日

雑感三種

①「やかましい」は正しいか?
 太田誠一農相は今月10日、NHKの番組に出演した際、中国製冷凍ギョーザによる中毒事件などを受けた食の安全対策について、「日本国内は心配ないと思っているが、消費者がやかましいから徹底する」とコメントしました。
 与野党内から批判や疑問の声が上がる中、自民党の麻生太郎幹事長が「関西以西では、やかましいって、みんな言うだろうが。うるさい、騒々しいという意味じゃない。『あの人、選挙にやかましいもんな』って言ったら、くわしい、プロ、そういったのをやかましいと言う。『よく知っている』という意味だ」と主張しました。
 これらをそのまま受け取って、重ね合わせてみると、「日本国内は心配ないと思っているが、消費者がくわしい、よく知っているから徹底する」となります。よく知っているからやかましい、やっぱり「やかましい」の意味ですね。
 関西以西では「やかましい」と言うと批判的な意味が含まれます。「あれこれやかましく言う人」とは色々言って来てうっとおしいという意味も含みます。反面、「うるさい」とは、例えば「味にうるさい」「礼儀にうるさく言う」など、確固たる博識や常識を持った人に使います。「味にやかましい」とは言いません。
 どう見ても、言葉遣いを間違えています。大学の教授までした人が、これでいいのでしょうか。

②「せいぜい」頑張ります。
 福田総理が8日、北京五輪開会式を前に日本選手団を激励するため、選手村を訪問した際、「まあ、頑張って下さい。せいぜい頑張って下さい。」と挨拶しました。
 「せいぜい」って何ですか?せいぜいもせいぜいですが、「まあ」っていうのもどうなんでしょう。やる気が削がれます。
 福田総理と自民党の皆さん、総選挙「まあ、頑張って下さい。せいぜい頑張って下さい。」

③城に唾する
 月曜の朝、よさこい祭りの後清掃を砂の丸でしていた時です。ある地方新聞の記者が城内の道に唾を吐きました。彼は私の存在には気づいていなかったようです。
 彼の記事はしっかりと論を持って、鋭い切り口で書かれており、議会での質問に値するものが多く、私も毎回しっかり読ませていただいておりました。
 故郷和歌山がまともに、当たり前のことが当たり前に行われるよう、ペンで戦っていると見えていました。そんな彼が和歌山市のシンボルで唾するという行為に愕然としてしまいました。残念です。

2008年08月23日

ある紙面から

 8月15日号の週刊報道ワカヤマに次のような記事が掲載されていました。




和歌山市の観光PR、なぜよさこい? 「ぶんだらや和歌祭売り込むべき」

 明日16日から2日間にわたって和歌山公園とその周辺で開催される第5回紀州よさこい祭り。最近ではことあるイベントでよさこい踊りが披露される機会が多くなったが、本紙にこんな意見が届いた。

 「よさこい踊りの発祥は高知県。和歌山の伝統文化とは異なるもの。和歌山を県外にPRするイベントなどで紹介するのはいかがなものか」

 意見者は、和歌山市の事業・城フェスタの一環で6月14、15日に行われた将棋まつり「女流王座決定戦」の前夜祭と、市内で事前合宿(8月4-13日)を行った北京五輪に出場するフランスの陸上選手の歓迎レセプションで、それぞれ和歌山市をPRするために披露されたよさこい踊りに違和感を覚えたという。意見者は「こんな時こそぶんだら踊りを披露すべき。ぶんだらじやなくても和歌祭や木ノ本の獅子舞など和歌山市の伝統芸能はほかにもたくさんある」と指摘する。

 将棋まつりの前夜祭を担当した市観光課は「会場スペースの関係上、進行する踊りのぶんだらは適さなかった」と説明。仏選手歓迎レセプションを開いた市教委体育振興課は「直前まで黒潮太鼓の予定だったが、会場側に低音が響くので避けてほしいと言われよさこいに変更した。ぶんだらは選択肢になかった」と明かし、「結果的には選手らも一緒になって踊り、楽しんでくれたと思っている」と話す。

 「観光都市」を口にしながらその絶好の機会に売り込まなくてはならない独自文化をPRしない観光行政。それは消極的というより安易な姿勢であり、改めなければ場当たり的で効果の薄いものとなつてしまう。


 確かに「よさこい」の発祥は高知です。しかし同時に、日本各地でこの「よさこい」が行われているのも事実です。北海道では「よさこいソーラン」として定着しています。紀州よさこいもこれに並ぶ観客動員人数で、日本三大よさこいの一つと言っても過言ではありません。
 紀州よさこいは高知のよさこいがベースにあることは事実ですが、決して何もかも真似をしているのではありません。楽曲も『まりと殿様』やぶんだら踊りをアレンジした曲を使うチームもあります。祭りの中でも総踊り曲を用意し、総踊りを行っているのは紀州よさこいだけです。
 我々日本人はこれまで様々な外来文化を受け入れ、自分たちの文化にするべく醸成してきました。仏教や漢字、世の中の制度などあらゆるものを自分たちの生活や文化に取り入れてきました。当初は反対する人もいましたし、戦争にもなりましたが、今ではすっかり定着しています。
 たかだか5年の祭りですから、とても伝統文化とは言えません。その点ではぶんだら踊りも同じです。それでも、少しでも和歌山に根付かせたいと多くの人間が努力をしています。では意見者の方は、和歌山の伝統文化といわれる和歌祭や木ノ本の獅子舞などを残す努力を何かされているのでしょうか?傍観しているだけ、残せと口にするだけで動かなければ残るものも残りません。
 およそ37万1千人の人口の街で20万人の観客を動員する。それが他の祭りでできるでしょうか。伝統文化を否定するわけではありません。それぞれの良くも悪くもを知って、使えばいいのではないでしょうか。
 フランスの選手団に和歌祭や木ノ本の獅子舞などを見てもらえば「すごい」と思ってもらえるでしょうし、感動もしてもらえるでしょう。しかし「参加した」という感覚は得られません。関空からの近さ、よさこいの楽しさ、食のおいしさ、いくつもの要素が絡み合って、観光が成り立つと考えます。
 紀州よさこいを表に出すことが場当たり的な観光行政であると言い切るのなら、「和歌山市には観光行政は存在できない」と言えると思います。

2008年08月30日

何かとゴタゴタしております

 マスコミでも報道されている通り、民主党所属参議院議員が離党して新党を結成しました。うち一人はドタキャンして4人でのスタートとなりました。そのうちの一人が県出身者だというのはご存知だと思います。
 色々な批判がありますが、しかし制度として認められている以上、仕方ありません。今後、国会に対して改めるよう求めることはできても、今回はどうすることもできません。最後は国民からの審判を受けるのですから、ご自身でしっかり受け止めていただければと思います。
 岡山では驚きの声が上がったようですが、和歌山では誰も驚きませんでした。やっとか…という感じです。これでお互いきれいサッパリ、楽になれたと思います。
 普通、こういうときはワクワクするものですが、そんな感覚は全くありません。何かが大きく変わる、大きく動き出すといった感じがないからです。
 大きく選挙で枠組みを変えるしか、私たちの生活を改善する方法はないようです。ご理解とご支持をお願いいたします。

2008年08月31日

代表選挙をしよう!

 昨日書きました党所属参議院議員が離党した件。一部のマスコミ報道では、小沢代表の3選が決まったタイミングを見計らったと伝えられています。
 心中の真偽については計りかねますが、小沢代表が民主党代表に3選選出と言うのは紛れもない事実です。
 ここ数年、民主党の代表選挙で党員・サポーターによる投票が行われていません。議員の中には「代表戦で戦うよりも、戦うべきは自民党だ」と言う方もいるそうですが、果たしてそうでしょうか。
 代表選挙をしたら分裂したようなイメージが付くと言われますが、無投票の方が談合したようでよっぽど悪いイメージが付きます。権力闘争でなく、きっちりとした政策論争をやって、やってるところを公開するぐらいでなければ、政権政党には覚束ないと思います。
 代表選挙が終わり、衆議院の解散総選挙で、もし思ったような結果が出なかったら、代表戦に出なかった人達は、それ見たことかと批判をするのでしょう。追認しておいて、相手の弱り目に揚げ足を取りに行く。それこそ見苦しいです。
 それなら、なぜ堂々と戦いに挑まなかったのか。北京五輪の柔道で金メダルを取った石井慧選手のお父さんは、彼がリップサービスをできるのは勝つからであって、負け犬の遠吠えは武士道に反する、とはっきりおっしゃいました。
 代表選挙をやらないというのは、のちのち必ず何らかの綻びが生じると懸念します。

2008年09月27日

人生にある「3つの坂」

 「人生には“3つの坂”がある。上り坂もあれば下り坂もある。もうひとつは“まさか”という坂だ」と言ったのは小泉純一郎元首相です。
 今回の突然の引退もなんとも小泉さんらしいと言う他ありません。まさに“まさか”というサプライズでした。
 私も政治の世界にいつまでもダラダラとパラサイトすることなく、時機が来ればサラッと辞めたい。なぜなら、ダラダラと居続けること、それは害以外の何物でもないと思っているからです。
 今回の引退劇にはもう一つの“まさか”がありました。それは自分の息子に跡を継がせること。小泉さんなのに、“まさか”そんなことを…というのが私の感想です。何でそんなところだけ普通なのか。他の人と同じなのか。しかし、それが小泉さん流のサプライズなのかも知れません。
 しかし、次の議員を誰にするか最終的に決めるのは小泉さんではありません。決めるのは国民です。横須賀の有権者がどのように判断するか、総選挙の日は注目していようと思います。

2008年10月12日

教育三題

 ここ数日、教育に関するニュースを多く目にしました。いくつか気になるニュースを取り上げてみようと思います。

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①益川先生の言葉
 今年は日本人のノーベル賞受賞者が4名も出ました。ノーベル物理学賞に選ばれた京都大学の益川敏英名誉教授と、高エネルギー加速器研究機構の小林誠名誉教授、そして米シカゴ大学の南部陽一郎名誉教授。化学賞は米ボストン大学の下村脩名誉教授が受賞されました。しかし、私は受賞者が多く出たことに着目するのではありません。
 益川・小林両名誉教授が文部科学大臣を表敬訪問された際、益川さんが文部科学大臣に対して、教育について持論を展開し、受験をめぐる教育現場の実態を強烈に批判した中身に注目しました。
 益川さんは「人間というのは本来、好奇心いっぱい。設問があれば、考えてみようと思う心は人間にみんなある。それが選択式テストの受験体制ですさんでいる。『教育汚染』だ!」「採点する側にとって負担の大きい記述回答の質問が少なくなっているため、考える力を低下させている。」「今の親は教育熱心でなく、『教育結果熱心』」「今の教育の試験を簡素化して、きちんと評価できるような体制を見直す必要があるんじゃないか」と注文をつけました。
 大学の教壇で、研究室で学生とふれあい感じた素直なご感想なんだろうと思います。確かにセンター試験は、鉛筆を転がせばまぐれ当たりもあります。ちゃんと考えれば正しい答えは出ますが、マークシートを塗る答えだけを探して、広がりはないでしょう。
 総合学習とか言いながら、最後はマークシートならば、自ずと先は見えてしまいます。

②奨学金滞納歯止め 支援機構 信用情報機関に通報へ
 大学生らに奨学金を貸与している日本学生支援機構は、増加する滞納に歯止めをかけるため、金融機関でつくる個人信用情報機関に年内に加盟し、滞納者情報を通報する制度を導入する方針を固めたことが10日、分かった。通報された対象者は銀行ローンやクレジットカードの利用が難しくなる可能性がある。
 支援機構が加盟を予定している信用情報機関は銀行など約1400の金融機関が会員。平成22年度の新規貸与者から「長期滞納した場合は通報する」という条件で奨学金を貸与する。所在不明の滞納者情報の提供を受けることも検討している。
 支援機構を所管する文部科学省などによると、奨学金は大学などを卒業後、一定期間内に返還しなければならないが、滞納は年々増加している。
 19年度の要回収額は3175億円だったが回収率は8割を切り、660億円が未返済。貸し倒れの可能性がある3カ月以上の延滞債権額も2253億円に上っている。
以上、産経新聞10月10日16時10分配信

 奨学金がこんなにも返ってきていないとは、驚きです。逃げる人もいるのですね。まさに「恩を仇で返す」の典型です。経済的に厳しい状態ですから、返済も大変かもしれません。しかし、話せば待ってくれるでしょう。無茶な取立てとかはないはずです。月1千円でもいいから、返済してもらいたいと思います。こんな時期ですから、奨学金で安心して勉強できる学生さんがたくさんいます。

③日本の高等教育力、世界6位=大学トップ200に10校-英情報会社
 英国の大学情報会社タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)とQS社は11日までに、高等教育力の国別世界ランキングを初めて発表し、日本は6位に入った。今年5年目となる世界大学順位では、上位200校から慶應大が外れ、前年の11校から10校に減少。国内トップは引き続き東京大だが、昨年の17位から19位へ低下した。国内勢が低下傾向の中、国内4位の東京工業大は90位から61位に躍進した。
以上、時事通信10月11日15時51分配信

 そうは言っても、日本の高等教育力はまだまだ高いことが数字で示されたようです。しかし、全体としては下落傾向ですから、益川先生のおっしゃるように、歯止めをかけるための試験の簡素化など教育改革が必要なようです。

2008年10月13日

一体何が言いたいのか、分かりません!

 もし、突然あなたのお家に次のような手紙が届いたら、あなたならどう思いますか?そして、どうしますか?


社会保険事務局業務管理室

 被保険者の皆様やその御家族が医療機関で受診された場合、その費用の総額の約7割が保険(政府管掌健康保険)から支払われます。
 この支払に際しては、社会保険診療報酬支払基金(以下、「支払基金」と言います。)において、検査や投薬といった診療の内容が、保険を使った診療として適合しているかどうか、審査した上で、医療機関にその費用を支払っております。
 この審査の過程において、保険診療に適合していない診療があった場合は、その部分の費用を減額して支払基金から医療機関に支払うこととなりますが、その減額に応じ、被保険者の皆様が医療機関の窓口でお支払いただいた一部負担金(約3割)も減額されることとなり、その減額された費用について医療機関から払い戻しを受けられる場合があります。
 今般、あなた様(又は御家族)が過去に医療機関において受診され、医療機関が支払基金に請求し支払われた内容を確認しましたところ、支払基金から医療機関に支払われた費用の一部が減額されており、医療機関窓口でお支払いただいた一部負担金の額も減額となることが判明いたしました。
 なお、保険診療としての支払基金からの支払いが減額された場合であっても、診療の状況等によっては一部負担金の減額分がそのまま返還されるものではありませんが、別添の「医療費のお知らせ」をご覧いただき、一部負担金の返還について、受診された医療機関にお申し出いただき、御相談をいただきますようお願いいたします。



社会保険事務局業務管理室

医療費のお知らせ

 あなたやご家族の方々が病気やけがのため、健康保険で診療を受けられた場合、健康保険から保険医療機関等へ支払われる医療費は、あなたや事業主の方々が負担された保険料と国庫からの補助金によってまかなわれています。
 この貴重な保険料等を有効に使うためにも、一人一人が自分の健康管理について十分心がけ、正しい保険診療の受け方について注意していくことが必要です。
 あなたとご家族の方々が健康保険で受診され、健康保険から保険医療機関等に支払いが行われた医療費の額等は、次の表のとおりですのでお知らせします。
 なお、医療費の額は、保険医療機関からの請求を審査し、※印欄の額を減額した額となっていますので、保険医療機関の窓口において支払った一部負担金等に過払いが生じていることが考えられます。
 過払い分については、診療の状況等によっては一部負担金の減額分がそのまま返還されるわけではありませんが、返還を求める場合は、受診した医療機関へ直接おたずね下さい。
 また、保険医療機関から審査により減額(増額)された医療費について、再審査の申出等の提起がなされた場合には、その時点で改めてお知らせいたします。


 さて、ご覧になられていかがでしょう。どういう意味合いでこの手紙を送ってきたのか、お分かりになりましたでしょうか?この手紙を受け取った人はどうすればいいのでしょうか?医療機関の受付にいる方などは分かりますが、一般の人には分かりにくい内容です。私も全く分かりませんでした。
 これを受け取った人は県庁へ赴き、3つの課を回って説明を受け、内容はようやく理解しました。社会保険診療報酬支払基金へも行って、説明を受けました。間違った治療をしているかもしれないと、分かりもしない係員が言いました。今後のことが不安なので、医療機関に勤める私の知人に相談し、話が私のところへやってきました。
 私も受取人と同じように、県庁の3つの課を回り、説明を受けました。少しは勉強して行ったので、中身はすんなり理解できました。理解できると同時にものすごい疑問が沸いてきました。何でこんな書き方をするのだろう?そもそも、ここに書かれた内容は、受診した本人に知らせなければならないことなのだろうか?
 そして読んでいるうちに怒りが込み上げてきました。2枚目の手紙の冒頭、なんだか、いかにも受診者が無駄遣いや不正受診をしてるかのような書き方です。誰も好きで病気したわけではなく、しんどい目をして病気と闘っている人に対して、「医療費使いすぎや、税金使うな」と言わんばかりの物言いはありですか?(一番無駄遣いしているのは社会保険庁なのに…)
 要するにこの手紙は、
①あなたは病院にかかって、健康保険を使いました。
②その一部が、健康保険から支払うことはできないことが分かりました。
③健康保険から支払えない部分の窓口で払った分は、病院から払い戻してもらえるかも知れません。
④しかし、場合によっては返してもらえないかも知れません。
という4つのことを言いたいだけなのです。しかし、最も患者にとって知りたいこと、なぜ健康保険から支払ってもらえなくなったのか?と言うことは書いてくれていません。不親切です。
 この方は社会保険事務所に問い合わせをして、診療報酬明細書(レセプト)の開示請求をし、約3週間後開示が認められ、その約1週間後に書留郵便で送られてきましたが、開示請求手数料300円とその郵送代は自腹です。そこでやっと原因が分かるわけです。この制度、本当にこれでいいんでしょうか?
 病気のことで精一杯の患者さんに対して、役所から見たこともない、内容もよく理解できない郵便が突然届いたら、動揺するのは間違いありません。変な不安をあおることが患者さんのためになるとは到底思えません。もっと患者さんのために、患者さんに寄り添う形で制度の改善ができないか。市議会議員としてすぐに改善できるものではありませんが、このまま放っておくわけにもいきません。力を貸してくれる人に相談してみようと思います。

2008年11月10日

「給付金」って何ですか?

 先日、麻生総理が3年後の消費税率引き上げとセットで発表した「給付金」の案。
 一人当たり1万2千円、18才以下と65歳以上の方には8千円を上乗せして一人2万円を出すというものです。総額2兆円、消費税で言うと1%分のお金を使うことになります。
 給付金の原資は国の予算のうち、すぐに使わないらしいお金。一時期流行った「埋蔵金」を充てるという話もあるようです。
 しかし、冷静に考えてみれば、この2兆円はどっかから降って沸いたお金ではありません。元々私達国民が収めた税金です。「埋蔵金」といえども、始まりは税金。「給付金」という名前は、いかにもお上が民に「くれてやる」という意思が含まれているようで抵抗があります。名前だけじゃなくて、制度の対する意識も同じかもしれません。
 閣内でも、分け隔てなく国民全員に配るのか、所得の高い人は除外するのか、意思統一が出来ていません。そんなものを強行する意味があるんでしょうか。そして、あえてこの時期に行うこと。なんか「給付金」という名を借りた合法的な選挙の買収に思えてなりません。
 穴を開けた予算は、結局私達国民がその穴埋めをしなくてはなりません。表には1万2千円の給付金と書いてあっても、裏返せば3万円の借用書になってるんじゃ意味がありません。後々返さなくてはならないのなら、いっそ給付金なんかない方がいいと思います。
 世帯ごとの収入の計算を市町村がまとめるのは難しいという話が出れば、所得の高い人は辞退してもらえばよいと、主導権を投げてしまう。これは制度やシステムとは言えません。
 皆さんはこの「給付金」について、賛成でしょうか?反対でしょうか?ぜひご意見をお伺いしたいものです。

2008年11月24日

イエローカードと給付金

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 3連休の最終日はあいにくの雨となってしまいました。そして寒い。昨日までの2日間の天気が余りにも良すぎたのでその反動でしょうか。
 さて今日は、そんな振替休日の一日ですが、政策のお話をさせていただこうと思います。
 写真はまもなく皆さんのお手元に届く、市報わかやま12月号の特別号です。地方財政健全化法の本格施行に伴って、和歌山市の財政はイエローカードである「財政健全化団体」になる可能性があることを、ここでもお話をしました。
 国からすべき仕事を決められ、それに必要なお金は必要なだけ下りてきます。しかし、それ以外の市が自由に使い道を決められるお金は年々減らされる一方です。権限と責任だけは渡されて、必要なお金は渡されない「なんちゃって地域主権」が進められています。
 例えば、同じ和歌山の中でも、和歌山市と隣の海南市では、人口も違えば地の利も違い、それぞれの特徴があることはご理解いただけると思います。しかし、国はそういうことを一切無視して、一律画一的に色々なものを投げてきます。高度経済成長の時代は行け行けドンドンでそういうやり方が良かったのかもしれません。しかし今は時代が変わり、そういうやり方は好まれないようになりました。人の好みで政策を決めるわけではありませんが、明らかに効果より弊害の方が大きくなっています。
 実は、この地方財政健全化法も官僚が作った一律画一的な政策の一つです。確かに夕張のようにはなりたくありません。しかし、和歌山には和歌山なりの事情もあります。例えば、法律で下水道を引くように決まった。これ自体も一律画一的ですが、その法律に従って一生懸命下水道を引いてきたら、今度は金がかかりすぎだといって指弾される。同じ国でも、国土交通省からは下水道で金を使えと言われ、総務省からは使いすぎでイエローカードだと言われる。私達市民はいつまでこの国の”多重人格”に付き合わされなければならないのでしょうか。
 今月に入って麻生総理がぶち上げた「定額給付金」構想。一人1万2千円、18才以下と65歳以上の皆さんには8千円を上乗せして一人2万円を給付するというものです。
 この「給付金」のために、2兆円の税金が全国民に薄く広くばら撒かれようとしています。和歌山市では約37万1千人の市民に約60億円が使われます。経済学者によっては、今回の給付金で、麻生総理の狙う緊急経済対策の効果は薄いと試算される方もいらっしゃいます。所得制限をかけるのかどうか決めるのも基礎自治体に投げて、堂々と「地方分権」と言い切ってしまう麻生総理の感覚には感心してしまいます。
 このように、全国民に薄く広くばら撒くよりは、せっかくの税金をある程度選んで集中させることが大事ではないかと思います。例えば、介護職員の賃金上乗せに使ってはどうでしょうか。
 全人口に対する65歳以上の方が占める割合を高齢化率といいますが、08年3月末現在の和歌山県の高齢化率は25.3%。4人に1人が65歳以上となってしまいました。和歌山市の高齢化率は23.5%と、確実に上昇しています。その一方で、仕事がきつい割には給料が安いということで、介護の職を離れる方も多くなっていて、お世話する方とされる方のバランスは悪くなっています。
 そこで、介護職員さんの賃金上乗せにこの「給付金」を使えば、介護からの離職に少しは歯止めがかかり、新たな雇用を生むことも考えられます。雇用があれば、経済効果も生まれますし、お世話される方も今よりは良いサービスを受けられるようになるのではないでしょうか。
 それ以前に、このお金を介護に使うのか、借金の返済に使うのか、その使い道を基礎自治体に決めさせるというのが本当の「地域主権」だと思いますが、皆さんはどう思われますか?
 こっちでは締め上げて、そっちではばら撒く。塩爺こと塩川正十郎元蔵相が「母屋ではおかゆ、離れではすき焼き」と例えられていましたが、まさにその状況がここにあります。麻生総理は思いつきで言って、引くに引けなくなってるのでしょうが、勇気を持って撤退することも必要だと思います。皆さんはどのようにお感じになってらっしゃるでしょうか。

2008年11月30日

田母神論文について

 お昼によみうりテレビで「たかじんのそこまで言って委員会」を観ました。この番組は好きで、時間があれば観るか、ビデオに撮ったりしています。
 いつもなら3つのテーマを大体30分ずつやって1時間半の放送ですが、きょうは1つのテーマで全部使っていました。テーマは「田母神論文について」でした。
 論文を書いた田母神さん自ら出演してお話されていました。田母神さんは航空自衛隊出身ですが、他に陸上・海上自衛隊OBも出られていました。
 番組を拝見した感想を言えば、終始一貫論理がはっきりしていて、私にとってはストンと落ちる内容でした。論文の中身についての議論で、異論はありません。その通りだと思います。
 その前に、肝心の田母神さんが書かれた論文を放送までに読んでいなかったので、あわてて全文を手に入れて拝読しました。率直な感想ですが、私には全く違和感がありませんでした。正直、頷けることばかりです。
 私は東京で、ある高名な日本史の先生から教えを受けていました。そのときの内容と異にしない論文の内容だと思います。(先生、もし間違っていたらごめんなさい。)
 「自衛隊は早く『自衛軍』にすべきだ」と私は常々言ってきました。その考えは今も変わりません。憲法で認められているのかいないのか分からない宙ぶらりんな立場で、その仕事と責任だけは大きく、何かと言えば槍玉に上げられる。その立場にいる人からすれば、たまったもんじゃありません。会社員より高い給料を渡していればいいだろう、という問題ではないのです。
 「自衛軍にしたらまた戦争をする」なんておっしゃる方もいますが、私はナンセンスだと思います。今の日本に戦争をしなくてはならない事情があるでしょうか。わざわざどこかを攻めに行く理由はありません。ですから名前も「自衛軍」なのです。
 総理大臣にはSPが付いています。小沢代表や石原都知事、橋下府知事にも付いています。自衛隊は日本国民にとってのSPだと思います。SPは普段から誰かにケンカを売って歩いているわけではありません。自分が護るべき要人が何物からか危害を加えられようとしたときに、その身をもって防ぐのです。敵がこれ以上要人に対して危害を加えられないと判断できるまで制圧します。それ以上はしません。SPが和歌山県庁に乗り込んで侵略し、橋下府知事が実権を握るなんてことはないのです。そんなことを議論しても時間の無駄です。
 日本国民には三大義務が課せられています。教育・勤労・納税です。ゆとり教育でまともな教育を受けさせない、宙ぶらりんで社会の奉仕者としての立場を確立させてもらえない、給食費を踏み倒したり、脱税して海外に逃亡したり。たった3つの義務さえ守られていない今の日本社会がどうかしています。
 色々な立場で様々なご意見があろうかと思います。それを分かった上で、大事なことなので、少し立ち止まって考えてみなければならないと思います。ぜひ皆さんのご意見もお聞かせ下さい。

2008年12月27日

介護報酬の増額改定

 今日の新聞1面には、介護報酬が初めて増額の決定が下されたとの記事が掲載されていました。
 2000年に介護保険制度が始まって、3年に1回の見直しですが、過去2回は減額されていました。今回は3%の増額になるようです。
 読売新聞にはザクッとしたことしか書かれていなかったので、日経新聞を見てみました。するといくつか気になる部分がありました。
 例えば、「人件費が高い都市部の報酬を高くした。」という点。確かに都市部は人件費が高いですが、人口動態から言うと都市部でないところの方が、高齢化率も介護を必要とする方の数も多いのです。この改定の仕方は実情に合っていないように思います。
 今回の3%引き上げに係る国の予算の上乗せは約600億円。介護保険の予算総額は約2兆円になります。そう、定額給付金に使われる税金の額と同じです。
 報酬引き上げに伴って利用者の負担も増えます。介護保険は利用者が全体の1割を負担しなければならない決まりになっているからです。
 ならば、定額給付金のための2兆円を介護保険に投入し、予算を総額約4兆円にして、現在の利用者の負担金額を変えないようパーセンテージを小さく調整し、介護職でも魅力ある給料が取れるよう報酬を引き上げることはできないのでしょうか?
 政府は雇用対策ということで23兆円を使おうとしているようですが、介護者が少なくなっている、またはいないというのは、日本の将来にとって危機的な状況を生むことになります。
 あちこちで仕事を解雇されている方の数が増えていますが、残念ながら介護職に移ろうという人は少ないそうです。それだけ介護職は魅力がないのでしょう。今、介護職に就いてらっしゃる方でも、生活をしていくのは厳しいのです。テレビの報道番組でも何度も取り上げられていて、何度も観ました。
 これだけ重要な仕事が敬遠されるその理由は「仕事がきつい、時間拘束が長い、給料が安い」からです。しかし、この仕事がなくなれば、何千万人の方が困ります。生活ができなくなります。自らを犠牲にして身を粉にして介護の仕事をしてらっしゃる方がたくさんいます。そんな介護職の方々に、せめて3つの悪い条件のうち、1つでもなくなるようにできないでしょうか。
 高齢化率がもうすぐ25%、和歌山市民の4人に1人が高齢者になってしまう状況の中で、待遇の改善はもっと強く推し進めるべきだと考えます。また高齢者に対してだけでなく、障害者に対しても相当の制度整備をしなければならないと思います。

2008年12月28日

今年が終わろうとしてもなお…

 昨日からイスラエル軍が、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム強硬派勢力「ハマス」を攻撃し始めました。相当数の犠牲者が出ているようです。
 2008年が終わろうとしているここに来て、新たな戦争が始まりました。この戦いがいつ終わるのか、目途は立たないようです。
 結局こうして、今年も戦争で暮れていく年末となりました。本当に残念です。

2009年01月07日

右と左

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小沢代表 髪型チェンジ前(左)とチェンジ後

 小沢代表が髪形を変えたという報道がありました。確かに分け目が右から左に変わっています。
 私の友人で、髪型や髪の色のマーケティングをしている人から「ものすごくイメージが良くなった」という声をいただきました。
 チェンジ、成功のようです。

2009年01月28日

定額給付金について

 今日、出張から帰ってきました。移動が多いとちょっと大変です。
 さて、市役所についてしばらくすると、控室に1本の電話がかかってきました。初老の女性の声でした。お話の中身はこうです。
 和歌山市は定額給付金をやらないと市議会が決めた。生活に困っている者の声を無視するのか。議員は自分の懐具合でそんなことを勝手に決めていいのか、六十谷の方ではその話で持ちきりだ、といったお話でした。
 先日も同じようなお話で、議会の控室を訪れた男性もいらっしゃいました。聞けば、議会事務局にもいくつか電話が入っているそうです。
 さてまず、和歌山市が定額給付金を実施しないというのは間違いです。国の方でまだ完全に法律が通っていないので、大本の方でやるかどうかが決まっていません。おそらく、先の議会で「定額給付金の再考を求める意見書」が採択されたことに、尾ひれ羽ひれがついて「実施しない」になったものだと思います。
 定額給付金が生活支援や景気対策になるという話は理解できます。しかし、現金で支給すれば使い勝手が良い分、貯金も出来ます。大阪で使うことも出来ます。大阪で使われてしまったり、貯金されてしまうと景気対策にはなりません。和歌山で配ったお金は和歌山で使って欲しいのです。その点で、現在政府がやろうとしているやり方には賛成できません。
 生活支援という点でも、本当に生活に困ってる方の手にお金が渡るのならいいのですが、のべつ幕無く困っていない人にも渡ります。困っている人であっても、住民票がなかったり、DVなどで逃げている人などはもらえません。制度として不備があるのです。
 定額給付金に使われるお金の元手は、言うまでも無く我々の税金です。元々どこかで使う予定のものを横取りして定額給付金に使うのですから、元のところに穴が開きます。開いた穴は、結局我々が埋めなくてはなりません。今は1万2千円の出費ですが、穴を埋めるときには2万、3万になっています。借金で穴を埋めるのは利息がかかるからです。
 その上、消費税の値上げも、総理の施政方針演説ではっきりと謳われました。電話の女性は「税金が将来上がっていくのは仕方ない。」とおっしゃりました。しかし、その覚悟があるなら、税金を上げなくて済む方法を考えませんか?目の前の1万2千円に飛びついて借金を増やすなら、もらわないという選択肢もあるはずです。
 これから選挙を戦っていくに当たって、1万2千円を配ることを容認した方が楽でしょう。私もそうです。しかし、未来志向で考えたとき、定額給付金は国に大きな傷を残します。みすみすそのことが分かっていて、認めるわけにはいきません。「税金が上がるときには、私はもう死んでるから関係ない」という考え方は、これからまだまだ先まで生きる我々にとっては迷惑でしかありません。
 老若男女誰かだけが損をせずに共存していくには、その損をみんなで分け合うしかありません。
 ぜひ一度、じっくり考えてみていただけませんか。

2009年02月26日

委員会での審査

 議会では、今日と明日で08年度補正予算案の委員会審査を行ないます。
 消防局、水道局、建設局の基盤整備部、住宅部、下水道部の順番で議案審査をしていきます。
 今回付託された議案の中で特に引っ掛かりがあったのが、スカイタウンつつじヶ丘内の緑道を特別会計から一般会計が買い取って、市道認定するという議案です。
 スカイタウンつつじヶ丘の造成を多額の借金をして実施してきたわけです。しかし、宅地を完売しても200億円以上の借金が残ることがほぼ確定的となりました。また今年度決算から地方財政健全化法によって縛りがかけられ、特別会計も赤字具合を判定されることになりました。
 今日の新聞紙面では、泉佐野市が関空開港を見込んだインフラ整備の借金によって、イエローカードである早期健全化団体になる見通しであると報じられました。まさに和歌山市もこれに近い状態にあったわけです。今年度は何とか免れましたが、2012年度には再び危機がやってくると予想されています。
 委員会質疑の中で、今回の緑道買い取りは一般会計から特別会計への支援であると副市長から答弁がありました。いつぞやは一般会計からお金を出して特別会計の借金をゼロにしなくてはなりません。また今回、県が実施する和歌山県市町村振興資金を借入れて、少しでも利子を安く上げようという意図もあったようです。
 スカイタウンつつじヶ丘を作るための特別会計を「土地造成事業特別会計」といいますが、この特別会計は一部一時借入金で回していて、自転車操業になっています。当然利子も1.2%と比較的高めです。それを利子0.5%の県市町村振興資金で借り換えをして、長期的に返済をしていこうとしています。
 私も質疑の中で、借り換えすることでどれだけの利子払いが軽減されるのか聞きましたが、委員会の席上では「1.2%から0.5%を引いた0.7%分」という子供だましのような答えが出てきました。
 私が秘書をしていたときには岩國哲人代議士から、「まず相手にする仕事の数字をちゃんと拾いなさい」と教えを受けました。「1.2%から0.5%を引いた0.7%分」ということは、説明を聞いていれば小学生でも分かります。そうではなくて借り換えをすることによって、市にとって財政効果額がどれだけあるのか、メリットはこれだけですよと具体的に提示できなければならないと思うのです。
 結局、市当局は私のところへ来て、「0.7%分です」と言うだけで、担当者の前で私が電卓を叩いて、単年度でおよそ400万円の利子負担が軽くなることが分かりました。
 緑道にすることで道路とみなされ、国から交付金が下りてくるというメリットもあるそうです。それでどれだけ有利なのか、その答えもないままです。
 1期目だから適当にやっときゃいいやと思われてるのかもしれませんね。明日は議案に対する討論と採決が行なわれます。
 19時からは、よさこいの打ち合わせに参加しました。終って帰ったら22時前でした。

2009年03月15日

定額給付金を巡るやり取り

 そろそろあちこちで定額給付金の支給が始まりました。和歌山県では北山村が1番目でした。先日も私の電話に、「早くもらえるように言ってくれ」という電話もありました。和歌山市では、懸命にやっていただいているようですが、何しろ人口が多いのでそうすんなりとは行かないと思います。
 さて、もう時効だと思いますので、私が受けた電話でのやり取りを公開したいと思います。和歌山市議会が「定額給付金の再考を求める意見書」を可決して後、和歌山市では市議会が勝手に給付金をもらえなくしたという話が広まり、掛ってきたものです。

電話主(以下、電)「和歌山市でもらえなくて、隣の海南市だともらえると言うことが、不公平だと思わないのか。」

忠相(以下、忠)「確かに不公平かもしれません。しかし、不公平感が生じる制度を国が作ってきたので、その中でやっています。」

電「国がやれと言っているのに、なぜやらないんだ。」

忠「最終的に実施するかどうかの権限を地方議会に与える制度になっていますので、自分の良心に従って政治家として判断しています。私は定額給付金を実施することで、財政に多額の穴を開け、後々我々自身がその穴埋めを、我々がもらった額以上でしなければならなくなるので、反対します。」

電「もしやらないなら、市議会を解散して選挙をし、そのことを市民に問え。」

忠「一つの政策毎で解散選挙をしていたら、毎度毎度解散選挙をやらなくてはならなくなり、そんな前例を作れば市政が停滞しますので、それは正しくないと考えます。」

電「市議会議員が多すぎる。」

忠「そのようなお声も聞きますが、条例の上限である46名から自主的に40名に減らしていますので、努力はしていると思います。」

電「もっと減らせばいいじゃないか。」

忠「地方自治法の決まりで、和歌山市の場合は38名以上46人以内と決まっていますので、それに従っています。」

電「なんでそこだけ国の言うことを聞くのか。」

忠「法律で決められていますので、私達が勝手に法律を変えることはできません。」

電「私は年金12万で生活している。あなたはいくらもらっているのか。」

忠「手取りで46万ほどいただいています。」

電「議員なんか無報酬でやればいい。」

忠「それが理想かもしれませんが、議員を片手間でできるほど楽な仕事ではないですし、私にも家族がいます。霞を食べて生きていけませんので、無報酬というのは無理だと思います。」

 こういうやり取りもありました。結局は最後までお互いの意見をぶつけ合うばかりで、平行線のままでしたが、最後に電話主の方が「ちゃんと話を聞いてくれる市会議員がいるんやな」とのお言葉が救いでした。

2009年03月28日

命に関わること2つ

 命に関わることが2つあったので、触れたいと思います。
 まずは、「先生を流産させる会」について。愛知県半田市の市立中学で1月に1年の男子生徒11人が「先生を流産させる会」を結成し、妊娠していた30代の担任教諭の給食に異物を混ぜたり、いすのねじを緩めたりする悪質ないたずらをしていたことが分かりました。
 理科の実験で持ち出したミョウバンや食塩を、先生の給食のミートソースに入れたり、チョークの粉や歯磨き粉、のりをまぜたもので車を汚したりしていたそうです。
 11人のうち6人が会の趣旨や目的を分からずに入ったと言っているそうですが、「流産させる会」と名付けられていて、会の趣旨や目的が分からなかったという言い訳は通用しないのではないでしょうか。ましてや中学1年にもなって「流産」が何か分からないと言い逃れできないと思います。
 命が軽々しく扱われている残念で、非常に恐ろしい事例の一つです。

 もう一つですが、ある市民の方から相談がありました。昨年1年間の年金が36万円余りしかないのに、介護保険料と国民健康保険料で27万円余りも払わなければならないという事例です。
 確かに2年前には年金以外に給与所得があったので、1年遅れの計算で年金しかなくても、誰がどう考えても生活できないような金額しか残りません。12ヶ月で割ったら1ヶ月あたり7680円。テレ朝の黄金伝説より低い金額です。
 前の年の収入がそこそこあったからという事情は理解していただいていましたが、それでも今年これからはどうなるのか、不安を感じてらっしゃいました。貯金の取り崩しで生活してきて、維持するのが困難になってきたので、相談されました。
 そのお話の中で、「こんなんやったら長生きなんかしたくないよ」という言葉が耳に残って仕方ありません。これまで日本を支えてきた人に「これ以上生きたくない」と言わせてしまう今の社会。やっぱりおかしいと思えてなりません。
 平成22年度以降、介護保険料が2%ほど値上がりするようです。年金は減らされるかも分からない状況で、本当にこの日本で国民を生きさせる気があるのかと思いました。

2009年03月29日

高札 桜祭りの惨劇

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 先日、奈良県川上村から帰ってきた日に、旧消防局跡地横に写真の高札が掲げられていました。4枚の写真とともに、次のように書いてあります。


高札 桜祭りの惨劇

 和歌山公園は国指定の史跡です。花見をされるのは結構ですが、史跡地内での遺構等(樹木を含む)に影響があると考えられる炭火などによるバーベキュー等の火気の使用はご遠慮ください。(特に重要文化財である岡口門、附帯物である土塀などの周辺でのバーベキュー等は遠慮してください。)

過去2年間の被害状況
・桜の根元に放置された炭の跡。桜の根は地表近くに根を張るため熱に弱いと言われている。
・放置された缶と炭状態の木材。燃え盛っている状態を想像するとぞっとする。
・岡口門西側の石垣沿いに点在する炭の跡。炭の空き箱をそのまま放置している。石垣も文化財です。
・表門東側の水路に捨てられたおでんの具。雨が降ると流れ行く先は堀。

 後始末もせず放置し、余ったからといって酔いに任せて水路に不法投棄することは花見をする資格がないものと考えます。また、桜の枝を支えている支柱を炭を熾す燃料代わりにする者もあり、今回見付け次第、器物損壊で警察に通報します。昨年、火の不始末で消防の出動もありました。さらに、キャンプ用テーブル、バーベキューセットをそのまま放置した者もありました。
 尚、今年の花見については携帯ガスコンロ、電気プレートの使用は許可しますが、不法投棄などが行なわれた場合は、来年全面的に火気の使用を禁止します。また、花見で生じるゴミなどはできるだけ持ち帰られるようお願いします。

和歌山城管理事務所

 残念ながら一部のマナーが悪い人によって公園が荒らされています。マナーというより最低限のルールです。そのために和歌山城で桜を楽しめなくなることは、和歌山市民にとっても不幸なことではないでしょうか。
 お花見される方は、一度ぜひ高札を見ていただいて、みんなでルールを守って楽しみませんか。

2009年03月31日

1万2千円もらいます!

 いよいよ年度末です。役所でも人事異動があり、数人の方が挨拶に来られていました。
 今日、私に関係する政治団体の収支報告書を県庁へ提出したのですが、ちょうど市町村課で課を離れる方が挨拶をされているところで、タイミング悪くそこへ入っていくことになってしまいました。
 私の所属する会派で、昨年までお世話下さっていた女性事務員さんも今日付けで退職されました。出会いと別れの春です。

 今日31日、定額給付金の申請書が全世帯に対して発送されたようです。明日には皆さんのお宅に到着し、市役所へ返送していただいたくか、持参していただき、処理が済み次第、第1回目の振込みが4月28日に行われます。
 さて、ここでも何度かお話してきましたが、私は定額給付金の実施に反対をしてきました。その理由はこれまでに述べたとおりですし、昨年12月5日に行った一般質問でも反対の意思とその理由を明らかにしてきました。
 和歌山市における定額給付金に係る予算は、08年度補正予算に組み込まれていました。当初は、先の2月定例議会でこの補正予算の中から、定額給付金の部分だけを削った修正案を提出しようと画策していました。もらえるものをもらえなくするのですから、市民から石を投げられることも覚悟したうえで、政治家として議を通そうと腹をくくっていました。
 数日後、ある京都市会議員とお話しする機会がありました。その時に今考えてることをお話ししたら、その方は「実施に反対してそれが通っても、給付金のお金は国庫に戻るだけで、市民に対してメリットがない。和歌山市の60億が国庫に戻ってきても、給付金実施のための事務費にもならない。それなら配ってその後で、『やっぱり効果がなかったでしょ』と議会で問えばいい。そのためには、あなたももらって使えばいい。」とアドバイスを下さいました。
 やはり議会の先輩、私のように考えが浅はかではありませんでした。〆木先生も同じことをおっしゃっておられました。
 ということで、私も1万2千円をいただいて、使うことにします。何に使ったかも、ここでお話していきます。そして半年経って、「やっぱり効果がなかった」ということを証明していきたいと思います。

2009年04月11日

年金と生活保護について

 いつぞやは書こうと思っていたのですが、偶然好機を得ましたので、私の考えを書かせていただきます。まずは「紀州じゃーなる」という情報誌の09年4月5日号に掲載された記事をご覧下さい。

年金と生活保護
40年間、年金納めて月額6万6000円の支給
一度も年金納めずに生活保護で月額約10万円の支給

 人の最低生活を保障する《生活保護》。病気で働けない、高齢化で身寄りもなく働く場所もない人達にとっては本当に《弱者に優しい》日本の制度だ。
 最近では、生活保護に占める行政負担も増えたが、行政は、《公平・公正》の立場で、この素晴らしい制度を永遠に残していかなくてはいけない。
 しかし現実の社会では、保護申請が認められず自殺などという悲しいニュースも目にする。こんなことはあってはならない。
 本紙は、3月26日付FAX配信で増え続ける生活保護について和歌山市の現状を記事にした。
 この時、高齢者の場合についても触れた。その時、不思議に感じたのが《生活保護と年金者》の関係だ。『年金生活者より、生活保護を受けている人がいい生活をしている』という声も聞かれるからだ。実際はどうなのか、調べてみた。

【生活保護】 《老人一人暮らしの場合》(60歳~69歳)
 ◇月額約10万円(住宅費含む)

 和歌山市の国民年金課が発行する「絵でみる国民年金ハンドブック」(平成20年度版)を見てみた。ここに書かれていたのが、
【年金生活】 《40年間保険料を収めた場合の満額》
 ◇年額79万2100円(月額約6万6千円)

  もちろん、25年間以上納めていても年金の支払い月数が四十年間満たない場合、これよりさらに低い支給額となる。
 国民年金は平成28年度まで年々引き上げられ、同29年4月から1万6900円で固定される見通しだ。これは、国の見通しでこの先、どうなることやら…。
 生活保護課では、「年金をもらっていても生活に不足する分は、チェックし、補助する体制が出来ている」と、言い切る。
 しかし、本紙は現実にはパーフェクトだとは思わない。その証拠に生活保護を打ち切られ命を断つ人もあとをたたない日本の悲しい現実があるからだ。本当にチェックは完全なのかという疑問も持たせる。
 そしてもうひとつ、本紙は、「義務を果たすから権利も生じる」との考え方だ。生活保護を受ければ当然、医療費もタダ。安心して生活が送れる。先程も書いたが、《生活保護制度》そのものは素晴らしい。
 しかし、年金を一度も払わない人と、40年聞払い続けた人が、究極の生活に追い込まれた時、同じスタートラインに立つというのはいかがなものか。
 読者のみなさんには、もう一度、生活保護者と年金者の収入を見ていただきたい。これが日本の平等なのか…。
 高齢化が進み、年金だけでは生活出来ない人が増え、自治体の財政負担も膨らむ。生活保護の場合、行政のチェックが行き届くというのは基本だ。
 「生活保護を受けながらパチンコ通い」なんて噂も耳にする。これでは、年金を払い続けていた人達は、たまったものではない。
 高齢者の中には、「自分の生活は自分で…」と、生活を切りつめ年金生活を続けている高齢者はどれだけいるだうか。「生活保護で1万円増えるだけなら、生活切り詰め、役所の世話にはならない」と、頑張り続ける老人も多いことだろう。
 日本の《最低限の生活保障制度》は評価する。しかし、年金を払わない人、払い続けた人が同じ、いや現実は払い続けた人が苦労している現実が、行政が言い続ける《公平・公正》なのだろうか。

 この記事は私が言いたいことの大部分を書いてくれています。実は私も以前から「なぜ生活保護が年金より高いのか」、いや正確には「なぜ年金は生活保護より低いのか」ということが疑問でした。
 ご存知の通り、憲法第25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と記されています。これを基に生活保護の制度ができました。
 老後の生活を保障するということで作られた年金制度が、最低限度の生活を保障する生活保護より低いというのは、年金の記録を消した、改ざんしたという問題よりももっと重大なものであり、行政の不作為から生じた違憲状態ではないかと思うのです。
 本当に40年間満額払い込んで、年金月額約6万6千円しかもらえず、その上介護保険料や国民健康保険料が引かれたら、どうやって生活していくのか。できないでしょう。
 これを裁判所に「違憲だ!」と訴えたら、最高裁はどんな判断を下すのでしょうか。当たり前のことが当たり前に行われる社会にしなければならない、と改めて強く思います。

2009年05月05日

こどもの日にちなんで

 毎年こどもの日になると、今年の子どもの数が発表されます。
 今年の子どもの数(15才未満人口)は昨年より11万人減って1714万人となり、28年連続減少となったそうです。
 総人口1億2760万人に占める子どもの割合は13.4%と、これも過去最低で35年連続の低下となったそうです。
 和歌山県で見ると、県人口に占める子どもの割合は13.1%と、やや全国平均を下回っています。また65歳以上の老年人口が占める割合は26.1%と、子どものほぼ倍となりました。孫1人に対しておじいちゃんおばあちゃんが2人いる計算になります。
 国も少子化対策といいながらも、決定打は未だ出ていません。それ以上に、経済状況が悪くなって、夫婦共働きで食べていくのがやっとで、子どもまで…というのが実情ではないでしょうか。
 仕事を増やして、安心して生活していけることが、一番の少子化対策だと思います。公共工事を増やして仕事を作り出すのもいいですが、どうしても継続性に欠けます。そうなると、重きを置くべきは医療や介護になると思います。
 特に介護は、老年人口が増えていくばっかりで、今の時点でも追いつかない状態です。最も人手不足に喘いでいる業種ではないでしょうか。
 風が吹いたら桶屋が儲かるではないですが、お年寄りを大事にすれば子どもが喜ぶ。そんな社会を創っていかなくてはと思います。

2009年05月12日

大々的に代表選挙をやろう!

 昨日の15時過ぎ、小沢代表が代表辞任の意思を固めたと、東京にいる先輩秘書から連絡がありました。17時から小沢代表の記者会見が行なわれ、私もテレビでその模様を見ていました。
 辞める時期がどうとか、辞めるべきかどうかについて、論じるつもりはありません。
 ただ、残念ながら、今回のことで民主党に対する風向きがだいぶ変わったのは事実です。この選挙区の岸本周平さんも『風に頼らぬ、「岸本周平」個人の政治活動をして』こられたとのことで、考え活動されています。候補者にそう考えさせてしまうだけの影響はありました。
 現在の報道では、16日に衆参両院の国会議員で両院議員総会を開いて、新代表を決めると言う段取りになっているようです。しかし、このやり方は国民市民に見えにくいやり方だと思います。この逆風を追い風に変えるためにも、党員・サポーターの投票によって、新代表の選挙を行なうべきではないかと思います。
 全国で代表選挙街頭演説を行なって、候補者同士で政策を戦わせ、来る総選挙へのマニフェストの土台を作っていく。市民の関心も一気に高まるし、民主的で透明な決め方だと思います。
 私は大々的に代表選挙をやるべきだと思いますし、そう提案したいと思います。

2009年05月13日

和歌山県連のことは無視ですか?

 昨日からの引き続きで、民主党の新しい代表を決めることについてです。
 今日のニュースで、民主党岡山県連は独自に党員・サポーターを対象とした代表選予備調査を実施して、その結果に比例させた形で、国会議員票を配分すると報じていました。
 このやり方は、あくまで国会議員のみで決めることを可とした考え方に則って進められています。配分できるだけの国会議員票がある、つまり国会議員がいる県連はそれでいいでしょう。
 では、和歌山県連はどうか。国会議員は一人もいません。私達が予備選挙を行ったところで、それを反映させるところがないのです。では、私達和歌山県の民主党員・サポーターの意思はどうなってしまうのか?東京からは全く無視されています。
 毎年毎年党員・サポーターを集めろ集めろと言ってきて、それぞれが支持してくれる人を増やしているのに、支持支援者の気持ちを汲もうという見かけだけで、実際は一切汲もうとしない。
 権力者が恣意的に決める代表選挙こそ、全くもって民主主義ではない、ファシズムと言っても過言ではないでしょう。
 党所属の市議会議員がこんなこと書いて大丈夫なんか?と思われるかもしれませんが、これぐらい書いて党から除名させられる党なら、端からない方がマシです。そんなのは「民主党」じゃありません。中身と看板が違うときは、看板を下ろすか中身を替えるかのどちらかしかない、と岩國哲人代議士がよく、出雲市役所を引き合いに出しておっしゃってました。
 やはりここは、国会議員だけでなく、これから戦おうとする公認候補、そして各県連にも一票を投じる権利を与えるべきです。そして、代表選挙を慌ててやらない方が良いのではないでしょうか。
 本当の「民主党」になってくれることを願います。

2009年05月15日

敵に塩を送られる

 血は水より濃しと言います。やはり兄弟だから、党派を超えて気になったのか、それとも最大の嫌味か。
 民主党の代表選について、鳩山総務大臣が「他党のことですから、それほどくわしく情報はわかりませんが、幅広く党員等の声を聞くようなやり方をなぜしなかったのかなと」と述べたそうです。
 また続けて、兄の鳩山幹事長が民主党代表に選ばれた場合、「かんぽの宿と同じで、出来レースでは印象悪い」とおっしゃられたとか。
 話した時の感情として、兄弟として、対峙する政党構成員として、どちらのウェイトが大きかったのか分かりませんが、同じように思っている人が多いでしょう。
 他の大臣も「昔の自民党と同じようで、時代に逆行している」と発言されています。
 敵からご指導をいただきました。うれしいやら、情けないやら。自民党にとっては、今回の透明感のないような代表選挙をやってくれることが、チャンスになるのでしょう。
 残念ながら、私には未だに腑に落ちません。

2009年05月24日

恩師を見送る

 昨日も少し触れましたが、同じ隣保班に住む恩師が亡くなり、今日彼岸へと見送りました。
 最近はどうだったのか分かりませんが、先生もかなりのヘビースモーカーで、肺がんで入院中にお見舞いに行かせていただきました。
 私は先生にそろばんを習っていました。今思えば、正直言って真面目な生徒ではありませんでした。よくサボりましたし、サボるが故に上達せず、級も全然上がりませんでした。
 しかし先生は、よく終戦前後の事を話して下さいました。先生が「ニイタカヤマノボレ」を打電したこと。零戦乗りになって、いくつもの敵機を落としたこと。終戦後、電車の中で、敵機を探す鋭い眼の動きのために、警官にスリと間違われたこと。そろばんとは関係のない話を私にしてくれました。それがとてもうれしかったのを、昨日のことのように思い出されます。
 もう一つ、先生はとても特徴のある声の持ち主でした。自分とは全然違うその声が好きでした。時間を計りながらそろばんの問題を解くときに、先生が「はい、よーい、始めっ!」と野太い声で告げる、その声と言い方が好きで、よく真似ていました。
 私が進学し、東京に行きで、近所でありながら、少し疎遠になっていました。先生と再会したのは、私が選挙に出ることを決めたとき。まずはご近所へご挨拶をして回ったときに、10年以上ぶりの再会でした。私が当選したときも、先生はとても喜んでくれました。
 その次にお会いしたのは、病院のベッドの横でした。少しやせられていましたが、それ以外は何も変わっていませんでした。そのとき、先生は私にお願い事をされました。私にとっては容易いことでしたが、結局それが、唯一、最初で最後の先生からのお願い事になりました。最後まで不出来な教え子である私に、愛情を注いで下さいました。残念ながら、私がお返しできたのは、この一つだけとなりました。
 棺の中で、先生は笑顔でいらっしゃいました。最後に先生の手に触れてお別れをしたかったのですが、花に埋もれていて、叶いませんでした。
 眼を閉じると、先生の大きな背中が浮かんできます。悔やんでも過ぎた時間は戻りません。今までにいただいた色々なことを記憶に刻んで、これからも生きていきます。

 豊田茂雄先生に、感謝と哀悼の意を込めて。

2009年05月28日

他人の話はよく聞くこと

 タイトルに書いたとおり、その昔学校や身内に「ひとの話はよく聞きなさい」と言われたのを思い出しました。
 昨日国会で行われた鳩山代表と麻生総理の党首討論。始めのうちはよかったものの、段々と野次が大きくなり、二人の声が聞き取りにくくなりました。
 今日になって自民・民主の両党が、野次を自粛しようとの話になったそうです。肝心の話が聞こえなくなると言うのは本末転倒です。そこで思い出されたのが、最初の言葉でした。
 大の大人が、それも国会議員が、党首討論を分かりづらくするまで野次を飛ばすと言うのは、どうなんでしょうか?
 少し前に読んだ本で、野次は何でも飛ばせばいいと言うものではないと書いてありました。個人攻撃はもっての外、野次は「言い得て妙」、味がなくてはならないと。
 野次のない国会も寂しいですが、何でもありの野次もうっとおしいだけですね。

2009年05月29日

議員定数と議員報酬

 今日マスコミから取材を受けました。議員定数と議員報酬についてです。まずは発端となった出来事を記した記事をご覧下さい。

和歌山市自治会連絡協:市議の定数削減を 議長に要望書を提出/和歌山

 和歌山市自治会連絡協議会は25日、市議の条例定数(40人)の削減を求める要望書を、遠藤富士雄議長に提出した。要望書は「行財政改革に取り組む本市では、大幅な削減は民意であり、実施する意義は大きい」と主張。市内42地区の連合自治会長全員の署名を添えた。
 連絡協の杉山清一会長(65)によると、先月から3回の会議を重ね、総意として提出を決めた。次回市議選までに定数削減と議員報酬カットを実現するよう求めた。杉山会長は「市議が何をやっているのかが住民に見えない。以前から削減を進めているのは分かるが、自ら進んで努力してほしい」と話した。遠藤議長は「少数意見の反映も大切だ。極端に減らして、地域に密着した仕事ができるかどうか。検討します」と述べた。
 市議は現在39人。議会事務局によると、条例定数は40人で、法定上限より6人少ない。定数削減の条例改正は82年以降4回あり、07年には定数を2人減らした。【安藤龍朗】
毎日新聞 5月26日朝刊

 さて、ここからは私の意見です。
 まず議員定数の削減ですが、生活者が望むなら10でも20でもいいと思います。ただ、そこまで減らした後、本当に生活者の声を市議会が受けきれるか。声が大きい人の意見ばかりが通ってしまうのではないか。また、不都合が出て、再び増加させた場合に、誰が責任を取るのかという問題があると思います。不都合が出て、生活者が割を食ったと言う点で、責任を取ったという考え方もできます。
 私は個人的に生活者1万人に議員1人が適正ではないかと思っています。しかし、本当に議員一人が1万人の声を聞き切れるかといえば、かなりしんどいと思います。そういう意味では、生活者5千人に議員1人でもいいのではないかと思いますが、これは感覚的なもので、はっきりとした根拠はありません。
 次に議員報酬のカットですが、現在和歌山市議会議員の報酬は66万円となっています。この数字は市報わかやまなどで公表されていますので、隠すつもりはありません。そこから所得税、住民税、会派の維持費などを差し引かれて、手取りで約46万円です。これ以外にも国民健康保険料、国民年金保険料の支出があります。
 私の場合、両親と妹の4人暮らしですが、報酬の一部は生活費に充てられます。後援会活動にもお金が要りますし、次の選挙に向けた資金も置いておかなくてはなりません。住まいは親の持ち家なので、家賃は要りませんが、結婚して居を構えるとなるとまた費用が要ります。正直、今でトントンです。
 私の場合は「職業政治家」ですから、議員報酬が収入の全てです。中には本職と兼業してらっしゃる方もいます。その場合は余裕があるかもしれませんが、私にはありません。兼職が良いか悪いかは、私には判断が付きません。しかし、私にとっては議員の仕事でめいっぱいです。

 今回の和歌山市自治会連絡協議会からの要望について、いくつか申し述べたいことがあります。
 まず、議員定数の削減を主張するなら、何議席にすべきなのか、根拠も含めて示すべきだと思います。政策形成や制度設計の際、「~する、なぜなら~だから」と言うのが基本です。ですから、和歌山市自治会連絡協議会には「市議会は〇〇議席にすべき、なぜなら~だから」と政策提案をしていただきたいと思います。これは議員報酬についても同じです。
 また、議員の大幅な削減は本当に「民意」なのかどうか。「民意」とは一体どこにあるのでしょうか。和歌山市自治会連絡協議会は「民意」の一部ではありますが、「民意」の全てではありません。「民意」が非常にあやふやです。
 和歌山市自治会連絡協議会は「市議が何をやっているのかが住民に見えない。」とおっしゃっておられます。「見えない」のと「見てない」の落差はとても大きいと思います。市議会は委員会も含めて、全ての会議が公開されています。協議会の皆さんは、年4回行われる議会のうち、何日傍聴にいらっしゃってるのでしょうか?
 また、和歌山市自治会連絡協議会の皆さんが求める「見える」市議会議員の仕事ってどういったものなのでしょうか?”理想”の「見える」市議会議員の仕事、議員像を示すべきだと思います。
 私も委員として入って作成している「市議会だより」。市議会だよりがどういう手段で生活者の下に配られ、年に何回発行されているのかすら知らなかった協議会のメンバーもいたと聞いております。
 2年前の選挙では投票率が48.32%、有権者の2人に1人も選挙に行っていないのです。選ばれるべき政治家の方に、魅力がないとか、問題点があるかもしれません。それなら白票を投じればいいのに、投票にすら行っていない、権利を自ら捨ててしまっている状況です。
 先日読んだ北海道大学の山口次郎先生の著書にあった文章を少し引用させていただきます。

権利の上に眠るなかれ

 近代の民主主義社会では、様々な権利が保障されている。しかし、権利を持っているだけで、それを使おうとしなければ、権利そのものが消滅してしまうという仕組みもある。たとえば、民法に時効という制度がある。あなたが友達に金を貸したとしよう。あなたはその友人に対して債権を持つ。つまり、期限がきたら金を返せと要求できる権利を持つ。しかし、その友達が借金を返さず、あなたもそれを放置して、返せという意思表示をしないまま十年が過ぎると、債権は消滅してしまう。つまり、あなたは借金を返せと言う権利を失い、友人は借金を返さなくてもよくなる。踏み倒しが合法的に許されるのである。この制度を時効という。もちろん、貸した側が返せと言いさえすれば時効は中断され、時効の時計はまたゼロに戻る。
 とはいえ、借りたものは返すのが当然であり、借金をした側が長い間だんまりを決め込んでいたら、借金が帳消しになるというのは不当な話のように思える。
 この点について、政治学者丸山眞男は次のように説明している。
 時効制度には、「権利の上に長く眠っている者は民法の保護に値しない」という趣旨が含まれている。「請求するという行為によつて時効を中断しない限り、たんに債権者であるという位置に安住していると、ついには債権を喪失するというロジックのなかには、一民法の法理にとどまらないきわめて重大な意味がひそんでいる」と丸山は言う。日本国憲法第12条には、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」と書かれている。債権者が請求という行為を怠っていれば、金を返してもらえなくなるのと同じように、主権者も権利を行使する、政治に参加するという行為を怠っていれば、政治に対する発言権も決定権も失うという警告を、この条文は発しているのである。

(山口次郎著 『若者のための政治マニュアル』講談社現代新書 P142~P144)

 私達は知らず知らずのうちに投票権だけでなく、あらゆる権利を捨ててしまっているです。ですから、投票率が100%か、限りなくそれに近づけば、その民意に従いたいと思います。また、そうでなければならないとも思います。
 今回、私がこのようなことを書いたことで、和歌山市自治会連絡協議会の全員を敵に回したと思います。当然、その覚悟をした上で書いています。私は市議会議員の仕事を命懸けでやっています。私は2660.581票をいただき、選んでいただいた議員の一人です。言うべきことは言わなければならない、そのようにも思っています。
 こんなことを書けば、ネット上で晒されるかもしれないですし、異論・反論をお受けすることになります。喜んでお受けします。徹底的に議論しましょう!ご意見をお待ちしています。

2009年06月16日

婚姻届に署名捺印

 お昼過ぎに支援者から、至急お願いしたいことがあるから、市役所まで戻ってくれないか、という電話がありました。ちょうどお昼を食べてお金を払っているところで、あわてて市役所へ走って戻りました。
 会派の控室には、電話をくれた支援者ともう1人の支援者がいらしてました。私にお願いとは、もう1人の支援者の婚姻届を代書してほしいとのことでした。
 私はその方から住所や生年月日、本籍など分かり得る範囲のことを聞き、用紙に書き込みました。書きながら色々なお話を伺いました。元々は今のご主人と籍を入れられていたのですが、一度事情で離婚しました。しかし、お互い年老いていく中で支え合い、長く内縁状態だったのですが、ご主人が身体を壊され、今後のこともあるからと、復縁されることになったそうです。
 そんなお話を伺いながら、書き上がった用紙をお渡しすると、電話をくれた支援者が証人の欄に署名捺印しました。すると、届けを出される支援者から、ぜひ私に証人になってほしいとお願いされました。「私、まだ自分の婚姻届も書いてない人間やのに、いいんですか?」と伺ったら、それでもぜひということだったので、署名捺印させていただきました。
 初めてのことだったので、ちょっと気合を入れて、お気に入りのペンで署名させていただきました。しかし、市販のペンなので、こういう公文書には不向きだと思い、ちゃんとサインするために万年筆を買おうかと思います。相手にも失礼ですし、こういう場合は形式張らなければならないと思いました。
 何はともあれ、初めての経験をさせていただきました。

2009年07月22日

うれしい書き込み

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 同級生がやっている焼鳥店「新太郎」へ久しぶりに行きました。
 私がキープしているボトルを出してきてくれたのですが、見ると見覚えのない書き込みがされていました。
 前回新太郎を訪れたのがもう何ヶ月も前で、その間に書いてくれたらしく、全然知らなくて、驚いたやらうれしいやら。
 こういうのってどんなことよりもうれしいものです。禁酒令が解けて飲めるようになったら、残りを飲んで、空瓶をうちへ置いておこうと思います。
 きっとこの記事も見てくれていると思います。ありがとうございました。しっかりがんばります。

2009年08月07日

したたかおばあさん

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 今日、とてもいいテレビCMを見つけました。AC公共広告機構が2009年度のキャンペーンとして放送しているものです。テーマは「したたかおばあさん」。リンクを張っておきますので、ぜひ見てください。
 1回目見たときは、面白いCMだなぁと思ったのですが、見れば見るほど奥の深い、考えさせられるCMです。
 高齢者に向けたオレオレ詐欺に対する警告と、親を一人にしている子ども世代への、親をもっと大事にしろという警告が含まれているように思いました。二つの要素を融合した、とてもウィットに富んだCMだと思います。
 私は、今は両親と一緒に住んでいますが、東京にいたときはあまり電話とかしなかったですね。親不孝の部類に入ると思います。
 遠く離れている方は、ちょっと電話でもしてみてはいかがでしょうか。その時には、くれぐれもオレオレ詐欺に間違われないようになさってください。

2009年08月09日

マニフェストを読まない若者

 先程ネットニュースで気になった記事が出ていました。

大学生、マニフェスト「読まない」理由は…

 選挙に関心はあるが、積極的に政権公約(マニフェスト)を読むまでの熱意は薄い―。30日投開票の衆院選に向け、室蘭工大の永松俊雄教授(公共政策論)らが、20歳以上の学生230人を対象に行った調査で、学生たちのこんな意識が浮かびあがった。
 選挙に関心がある学生は76・9%に上る一方で、マニフェストを読むつもりがないとした回答は55・8%。各党のマニフェストをめぐる攻防が過熱しているが、若年層への浸透度はまだ十分とはいえないようだ。
 調査は7月28、29日の両日、同大の永松教授と、行財政を研究する学生サークル「PAネットワーク」が共同で、同大の学生らを対象に行った。未成年も含め341人が回答。選挙権を持つ20歳以上の230人を抽出して分析した。
 マニフェストを読まない理由は、「読んでも分からない」が25・8%で最多だった。マニフェストは各政党がホームページで公開しているが、「どこで入手できるか分からない」とする回答が22%。「読むのが面倒」も20・4%に上った。
 一方、8割近くが選挙に「関心がある」と回答しており、重視する政策は、「景気・雇用対策」が39・9%で最多。就職活動などが目前に迫る世代だけに、経済対策は気になるようだ。また、「消費税の増税」については、「必要」が38・4%、「必要ではない」が34・8%だった。

8月9日15時40分配信 読売新聞

 実は昨日のミニ集会でも、同じような話が出ていました。マニフェストを見ようと思わない。書いていることが分からない。それに、全ての政党のマニフェストを手にできるわけではないので、比較のしようがない。何かを一つ見れば、全部の政党のマニフェストが分かって、比較ができるようになっていればいいのに、という意見が出ていました。
 確かに、全てのマニフェストが手に入るわけではないんですよね。わざわざ選挙事務所までマニフェストをもらいに行くことは、よっぽどのことがない限りしないと思います。
 こういうのをどう対処すればいいのかが、今後の課題になりそうです。工夫が必要ですね。

2009年08月17日

周平さんへのエール

 いよいよ明日から12日間の選挙戦が始まります。全国各地の候補者にとっては、これまでの活動の集大成となります。
 周平さんは前回の選挙、8月8日に立候補を表明し、9月11日の投票日まで、1ヶ月ちょっとで選挙をやってのけました。
 私は周平さんが立候補を表明した1週間前に、2区の候補者となる当時の現職と共に、和歌山へ戻ってきて選挙を戦う約束をしていたため、周平さんの選挙には携われませんでした。しかし、実家から通っていたので、その動向はとても気になっていました。
 敗戦の翌日から、周平さんのリベンジが始まりました。そのうち、周平さんから「一緒に朝の街頭をやりませんか」と声を掛けていただき、市駅や和駅に立たせていただくようになりました。
 夏の暑い最中、また年末年始の寒さ厳しい折に行った、スーパー前での街頭演説にも参加させていただきました。
 私は先に市議会へ行かせていただき、周平代議士の誕生を待ち構えることになりました。衆議院の解散総選挙はもっと早いと思っていましたが、結局ほぼ4年かかってしまいました。なんとも言葉では言い表せない4年間でした。

 私はこの4年間をマラソンに例えます。
 最初、周平さんは10キロマラソンだと思ってスタートした。そのつもりのペースで走り、8キロぐらいになってくると、突然「これは20キロマラソンでした」と言われる。おかしいやろと思いながらも、ゴールに向けて走るしかない。
 もうちょっとでゴールかなと思っていると、今度は「フルマラソンになりました」と言われる。途中で距離を変えるなよと憤りながらも走り続ける。そうこうしていると、途中で主催者がコロコロ変わり、スタートした時の主催者はマラソン界から引退しちゃってる。
 結局100キロマラソンにちょっと足りない、フルマラソン2周を走らされることになってしまった周平さん。走ってきた本人も回りで応援する人も本当に大変だっただろうと思います。本当にお疲れ様でした。
 このマラソンもあと12日間、8月30日にはゴールとなります。そこまではしっかり応援しましょう。そして、周平さんには申し訳ないですが、8月31日からは私達国民の生活を守るためのマラソンを走っていただきましょう。
 31日からのマラソンでは周平さんに先頭を走ってもらいたい。そのためには我々が周平さんを列の先頭へと押し出さなくてはなりません。決して違う人を先頭にしてはならないのです。先頭は周平さんに走ってもらいましょうよ!
 回りは出来得る限りのサポートをします。地面をならしたり、給水したり、少しでも走りやすいように。12日間、一緒にがんばりましょう!

2009年09月16日

民主党政権下での地方議会

 本格的に民主新政権がスタートしました。これで本当のスタートラインに着いたと言えます。
 さて、私は元々民主党で当選した市議会議員ですから、新政権に対して今までとスタンスも変わりませんし、政策の変化はありません。そういう点では、元々秘書をしていたこともあり、パイプがあって、情報などもらいやすいと思います。
 ただ、和歌山市議会に関わらず、全国的に懸念しなくてはならない点もあるように思います。
 これまでは「ねじれ国会」と言われ、衆参の勢力が正反対で、異なる議決をし、自民党が多数である衆院の議決が優先されてきました。
 今回の総選挙の結果、民主党が308議席という絶対安定多数を国民の皆さんからいただいて、政権運営に乗り出しました。国会の中はがらっと変わって、民主党の意思が国の意思になったわけです。
 しかし、国会の中が変わっても、変わらないものがあります。それが地方議会の勢力です。
 例えば、和歌山県議会の場合、46人中29人が自民党県議団です。民主党の対地方政策に反発し、議会で否決する可能性もあります。今なお多くが自民党中心の地方議会です。そうすると、地方と中央の「ねじれ体制」が生まれ、親民主党議会と反民主党議会の間に格差が生じるかもしれません。
 民主党の地方議員として、また党派を度外視して一人の地方議員として、中央の政策に向き合っていくかが課題です。地域主権が確立されたときに、それから受ける準備していたんじゃ遅いので、ちゃんとした受け皿になる準備も今からしなければなりません。
 このような状況下で、地方議員の責務はますます重くなりますし、市民の付託に一層応えていかなければならないと、改めて感じた次第です。

2009年09月21日

おくりびと

 先程まで、MBSテレビで映画『おくりびと』が放送されていました。
 映画館で上映されていたときは、見に行きたいと思いつつも、結局行けないまま、上映が終わってしまいました。
 そして今日。まさか自分が父親を送ってから、この映画を見ることになろうとは思いも寄りませんでした。しかし、考えてみれば世の中何でもそうです。予め分かっていたなら、それぞれが望む好き勝手な世の中になって、グチャグチャになります。だから、人間には未来を見透かす能力を、通常は与えていないのでしょうね。
 父親の死を境に、「人の死」に対する考え方が変わりました。これまでは、生と死は全く別物で、臨終を境にして人が人でなくなる、別のものになるというような感じで捉えていました。また、死は忌み嫌うもの、こちらから近づいてはならないものといったようなものと思っていました。
 しかし、父の最期を看取っていて、少しずつ拍動の波が小さくなっていく。間隔があいていく。耳元で呼べば、それに反応するかのように心臓が動く。そんな姿を見て、目の前の存在自体に変わりはなく、ただ動かなくなっただけで、それ以上に何も変化していない(ように見える)。それをどうして忌み嫌うのか。その意味が分からなくなり、そうすることに意味がないようにも思いました。
 医師は臨終を告げても、動かなくなったという以外に何も変わらない。線引きが自分の中では未だにできていません。そもそも線を引くべきところがあるのかどうか。今、動くことのできる人間が動くことのできない人間を別物と勝手に決めているだけで、本来その差は存在しないのではないか。
 そんなことを考えていると、キリがありません。高校で使った倫理の教科書や、哲学の入門書を引っ張り出してきたりしましたが、掴みきれていません。
 映画の中では、広末涼子扮する主人公の妻が、納棺を終えて帰ってきた夫に対して仕事について問い質し、触れようとした夫に対して「汚らしい」と言ったシーンがありました。少なくとも自分の親を送った人にとっては出てこない台詞です。でも、ちょっと前まではそれに似た感覚を持っていたんですからね。
 この映画で、妻を送る夫役の山田辰夫さん、主人公を捨てた父役の峰岸徹さんは、共に彼岸の人となってしました。映画の中のように、ちゃんと送る支度をしていただいたのでしょうか。
 この映画をきっかけに、死について考えてみて下さい。

2009年12月06日

小倉小学校の学校給食民間委託について

 この場でも何度も触れてきましたが、今関わっている問題に小倉小学校の給食の民間委託をする問題があります。
 ひょんなことからPTAの会長さんと出会い、11月15日に初めて小倉小学校でPTAの執行部の方々とお会いし、12月2日には役員さんたちと会い、お話を伺いました。
 市教委からは年間約350万円の財政効果が出るとのことで、何とか進めたいとの話を伺いました。一方、PTAの皆さんからは絶対に民間委託は反対と、真っ向から意見衝突している状態です。
 12月2日に私はPTA役員の皆さんに、このまま行き切って時間切れになり、最悪の状態で民間委託されてしまったら、不幸になるのは子供たちだとお話しし、妥協策を探っていきたいと自分の考えをお伝えしました。
 すぐに「反対してる人間に妥協しろと言うのか」とご批判がありましたが、できるだけ現実路線でいきたいと考え、お話しした次第です。
 今日の説明会までに、市教委とも話しました。これまでの説明文書では余りにも不足がある。保護者の知りたいことを全然説明できていないので、ビジュアルも駆使して分厚くなってもいいので、分かりやすい説明文書を作るようにお願いしました。
 なぜなら、行政のおかれた環境がすっかり変わっているからです。事業仕分けが公開で行なわれるように、密室で何かを決定するということは、今の時代にそぐいません。市が決めたから市民はすべてそれを飲めという時代は終わりました。
 保護者が一番知りたいのは、小倉が選定された理由と手順。市教委から説明を受けましたが、私にもはっきり分かりませんでした。普通は①の条件、②の条件・・・と絞り込んでこうなりました、というのが当たり前の話です。しかし、今回はその条件をはっきり示せていませんでしたので、それは分かるように示さなければならないと申し上げました。
 また、民間に給食を委託するわけですから、市教委の直接手の届かなくなります。そのカバーをどういう手順でやるのか、これは保護者に示す義務があります。これは出して欲しいと市教委にお願いしました。
 そして、今日の説明会になったのですが、配られた説明文書はいままで配っていたものに少し付け加えただけで、進歩がありません。私の提案は見事に無視されたわけで、憤りを隠せません。1年生議員の意見など聞く耳を持っていないことが、よくよく分かりました。そんな状態で、納得しろと言われても、納得できる保護者はいません。
 その上、今回の説明会で新たな事実も分かりました。これまで市教委は平成19年度から第1共同調理場、第2共同調理場、貴志・貴志南小学校の学校給食を民間委託にしています。しかし、やりっぱなしでその後のフォローや追跡調査を全然していないことが分かりました。
 そんなことを聞かされて、そんな状態で、誰が「はい、そうですか」と了解できるでしょうか。
 共産党は民間委託を「偽装請負」だと攻撃します。先日の本会議で、これまでの民間委託の契約の中に、偽装請負と取られかねない濃いグレーゾーンの条項も明らかになり、修正すると教育長は発言されました。そもそも、自分がやろうとする仕事に違法な点がないか、勉強して理論武装しておくべきですが、それさえしていなかったのです。労働基準法や労働者派遣法は市教委の範囲外と考えていたのでしょうか。
 結局、そういう市教委の姿勢が、ありありと見えてしまいました。たぶん、頭の中が前時代のままなのでしょう。本当に残念です。
 私はPTAの皆さんに「ソフトランディングさせたい」とお話しましたが、どうも離陸さえしていなかったようです。根本的に頭の中を切り替えていただかないと、これ以上話は進まないでしょう。

2010年01月31日

給食費未納者にはあげない

 子ども手当をめぐるお話です。給食費を払わない親がいる。それも経済的な理由じゃなくて、単に払わないだけ。いわゆるジコチュー。
 甲府で視察した際に、地元の市長から要望があって、同行記者からの問いに鳩山総理が「うん、検討してみたいなと。」と答えたそうです。
 大方の親は子ども手当を子供のために使うでしょう。直接子供の為でなくても、生活を維持するなど、間接的に子供のために使われると思います。しかし一部の親が、ギャンブルや嗜好品、遊びなど子供と関係のないことに使い、給食費まで払わない。
 そこで、もっとシンプルに考えてみれば、最初から自治体の教育委員会に対して、子供の数だけの給食費相当分を交付税として落とし、親からは給食費の徴収をなくせばいいのではないかと思うのです。
 確かに、子供一人当たり毎月1万3千円や2万6千円をもらえるのは親としてうれしいし、ありがたいと思います。しかし、実際子供を持つ親から、給食費をなくしてくれる方がよっぽどありがたい、という話を多く聞きます。
 金額の多少じゃないようなのです。100%子供に使われるという分かりやすさかもしれません。分かりやすいということが一番大事なのかもしれませんね。
 お金を配るだけで終わらせない、そういうやり方を考える必要があると思います。

2010年04月02日

エイプリルフール考

 昨日はエイプリルフールでしたが、私の回りではこれといったウソもなく、私のブログでも面白いことを書けませんでした。
 実は簡単なようで、とても難しいんです。ある程度共通の認識や知識の下にあるウソでなければなりませんし、一瞬「ハッ」とするようなリアリティがなければなりませんし、考えれば考えるほど難しいです。考えてる時点で、アカンのかもしれませんが。
 国内でも言うほど盛り上がらなかったように思います。あまり余裕がないのでしょう。
 しかし、そういう意味では海外はユーモアに富んでいて、練られたネタが多いです。例えば、Googleが社名を「Topeka」(トピーカ)に変えたと発表しました。米カンザス州のTopeka(トピーカ)という町が、町名を「Google」に変えると発表したことに対して、敬意を表す意味で社名の変更を決めたそうです。ちなみに、トピーカが町名をGoogleに変更するのは本当で、Googleのブロードバンド計画を誘致するために、一時的に変更するそうです。この話にはそういう前フリがあります。
 あとは、コダックが香りが出るデジタル写真技術「Aromatography」を開発したとか、スターバックスではこれまでのドリンクサイズに、新たに超特大の「Plenta(プランタ)」と特小の「Micra(ミクラ)」を投入すると発表しました。プランタはまさに鉢植えサイズ。リンク先のスターバックスホームページには「環境を考えて、ポップコーンのカップ、雨帽子、鉢植え、ランプシェード、ヨガのときに使うバランスブロックに再利用できます」と書いてあります。
 アメリカも経済的に苦しいと思いますが、こういうことは忘れないでやるのは、面白いことをやれば、注目を浴びて、波及効果として跳ね返ってくるからだと思います。きっとそこまで計算してのことでしょう。
 日本でも数社はやったようですが、そんなに注目を浴びるところまで行かなかったように思います。
 私も何か書こうとは思いましたが、最初に書いたとおり何も出てこなかったのと、書いた影響が大きくなると思ったので、止めました。政治家の言葉は影響力がありますから。「知事選に出ます」とか書いてもいいんでしょうけど、冗談じゃ済まなくなるんで。まあ、誰が見ても冗談だと思われるでしょうが・・・。

2010年06月08日

夕張からのメール

 今日も活動はしていますが、少し皆さんに知っていただきたいことがあり、書かせていただきます。
 私はメルマガをあまり購読していないのですが、数少ない自分から進んで登録したものの一つに、行革の勉強会などでよくお世話になる前 佐賀市長の木下敏之先生が発行されている『夕張市立総合病院を引き継いだ「夕張希望の杜」の毎日』があります。
 なぜ、これを取り上げるかというと、夕張市立診療所が自殺を図った男性の救急受け入れを断ったと、6月2日付けの新聞で報道されたからです。


夕張市立診療所:自殺図った男性の救急受け入れ拒否 「外来に対応」/北海道

 夕張市は1日、市立診療所が先月、自殺を図り心肺停止状態になった市内の50代男性の救急受け入れを断っていたと発表した。昨年9月にも同様のケースがあり、市は同診療所の村上智彦医師から事情を聴いた。
 市の説明では、5月19日午前8時前、「首をつり、自殺を図った男性がいる」という119番通報があった。救急隊員が駆けつけると、男性は心肺停止状態で、診療所に受け入れ要請したが、外来患者診療のため、対応不可能として断られたという。男性は市内の別の医療機関で死亡が確認されたという。
 村上医師は「首つりと聞いて検案(死亡確認)のケースと判断した。緊急性が低く、自分は外来もあったため、他の医療機関で対応してもらいたいと伝えた」と話している。
 同診療所は昨年9月27日夜、同様に首をつった状態で見つかった男子中学生の受け入れを断った。市と診療所は、二度と同じような事態が起きないようホットラインを設けるなどしている。藤倉肇市長は「誠に遺憾という思い。市立診療所の開設者として総括が必要だ」と話した。【吉田競】

毎日新聞6月2日朝刊

 記事を見たとき、「これは何かあるな」と思っていたのですが、昨日メルマガの臨時号として、この記事に対する村上智彦医師の反論が配信されましたので、ご覧になって下さい。


救急搬送拒否報道に対する反論  村上智彦

 6月2日の北海道新聞で夕張医療センターが救急搬送を断って、後日それに対して市長が遺憾の意を表明した件ついて、私なりに説明させていただきます。

 まず、今回の報道では私自身は一切取材を受けていません。
 北海道新聞の記者に確認したところ、「取材を申し込んだが事務で断られたので、市に取材してそれを書いただけ」との答えでした。
 つまり内容を検証したり、事実確認をしないで報道して、他のマスコミも同様に報道しています。
 夕張医療センターの常勤医は私一人ですので、確かに取材を受ける時間は限られていますが、私は来た取材を拒否した事はなく、時間があれば受けるようにしています。
 市長さんの会見も、会見前には私に一切の話はなく、会見後に事情を聴きに来ています。その席でも
「1人で受けられない事は分かるが、重症者は受けてほしい」
「以前には受けると言った」
「他には受けた事もあるのだから受けれたはずだ」等 
総務課長を筆頭にどう考えても意図的なものを感じてしまいます。
 1人で365日24時間重症者を受ける事は不可能ですし、診療所ですから時間外に検査等も出来ないし、人も少ない状況です。
 夕張市には医療機関は5か所あり、全て診療所ですので重症の方は周辺の医療機関に搬送します。
 救急車で隣町の栗山赤十字病院まで20分位、岩見沢市立総合病院まで30~40分、札幌まで1時間と、夕張市が陸の孤島という訳ではありませんし、周囲の医療機関もとても協力的で受け入れて下さっています。後は市がどう連携するかの問題だと思います。

 夕張医療センターは公設民営方式で私達が指定管理者として運営していますが、そもそも契約上は有床診療所と老人保健施設の維持・運営を委託されていますが、救急医療や在宅医療は契約には入っていないのが事実ですし、それを決めたのも夕張市です。
 その事についても以前から「市の責任として救急体制を考えて、指定管理の契約も見直して充分な予算を取ってやってほしい」と要望していました。
 4月から夕張医療センターは医師1人体制になっています。診療所ですから珍しい事ではありませんし、運営上必要な事でした。
 しかし、19床の入院病床を持ち、120軒の在宅医療、110床の特別養護老人ホームや複数のグループホームの嘱託医、かかりつけ患者や観光客の時間外対応等をやっていますので、重症の救急患者の受け入れは物理的に無理な状態です。(完全に労働基準法違反になります。)
 実際4月からの2ヶ月間、講演等で外に出る週末以外は毎日1人で当直していますので、買い物にも不自由する状態で、夕張から出られない状況が当面は続きます。
 その事は1人体制となる4月以前に市長や市の担当者の方に話をしてありますし、4月に医師会、救急隊、行政が参加して実施された救急医療の会議でも説明し、皆さんが認識していました。

 救急医療は営業的には不採算な部門です。
 以前の夕張市の救急の予算は年間120万円程で、その予算も人件費等で消えていて、医療センターには一銭も入っていない状況ですが、「財政再建団体だから確保出来ない」と言われています。
 しかし、夕張市財政再生計画では市営住宅の建て替えなどには数十億の予算が計上されていますから、予算が無いのではなくて私の目からみますと「夕張市の救急医療に対する優先順位が低かった」としか思えません。
 そんな中でボランティアでも可能な限り救急を受けていましたし、時間外にも対応していたのですが、ここの施設では受けられないと判断して後方病院への搬送を指示すると「拒否した」と言われてしまいます。
 以前は救急指定病院で総合病院だったかもしれませんが、今は医師1人体制の診療所ですから、主たる機能は時間内の外来や在宅医療、老人保健施設の運営や地域包括ケアです。
 そして、その総合病院を破綻させたのは私ではありません。
心肺停止状態(CPA)になる様な病気は心筋梗塞や脳卒中が代表ですが、夕張市の様に周囲に専門病院がある場合そこへ出来るだけ早く搬送するのが大切だと私は思っています。
 また、今回の様に自殺である場合、これは病気ではなく、殆どの場合死亡診断ではなく検案になりますので、医療より警察の問題になる事が多いと思います。
 また市の自殺対策等が大切ですので、昨年の9月の中学生の自殺の時に、その事を市にも要望していましたが、マスコミも含めて今日まで何もしていなかったのが現状です。
 いくら救急を充実させても自殺は減らせませんし、これこそ問題のすり替えだと思います。
 昨年の中学生の自殺の時に「自分の判断ミスを認めて謝罪した」と言われていますが、これは夕張の朝日新聞の記者が「そう言わないとお前は出ていく事になるぞ!」等と何度も電話をかけてきて無理やり記事にした事です。
 私自身は「若い方なのでヘリを呼んででも高度な医療が出来る施設に搬送すべきだ」と判断して、後方病院への搬送を指示したのが実際のところです。
 要するに市や夕張市のマスコミも総合病院時代の時代の対応をしないと批判し、予算は出さないけど口は出し、責任は取りたくないというのが本音だと思いますが、このやり方は破綻した時のやり方ではないでしょうか。
 私は同じ過ちを繰り返したくないので、今後も以前の悲惨な状況に戻す努力はしたくはありません。
 この事で夕張市の医療がまた破綻しても誰も責任を取らないので、とても無責任だと思いますし、そうやって医療崩壊が助長されてきたと思っています。

 私達は民間の法人ですから今回の件で風評被害が出た場合には、夕張市の雇用を守るためにも法的手段に出るつもりです。報道する側にも責任がある事だと思います。
 夕張へ来てからこの様な対応はいつもの事ですが、それでもこの3年間で真面目に通院して生活習慣を改善して検診を受ける患者さんや、在宅で家族を支える様な方がとても増えました。必要のない救急車の使用も激減しています。
 安月給でも文句も言わずに地元の為に働く職員も増えて、批判して投げ出す事も無く医師1人体制の医療センターを支えてくれています。救急隊も私への負担を考えてトリアージをして搬送先を考えてくれるようになりました。
 市役所も真剣に再生の為に働く若い職員がいて、保健福祉分野の担当者も以前に比べたらとても頑張っていて、医療センターに足を運んでくれるようになりました。

 そんな人達は「気にしないで頑張って下さい」「分かっていますから」と声をかけてくれて、高齢者施設の責任者の方も気にして、先日わざわざ励ましに来て下さいました。ありがたい事ですし、感謝するしかありません。
 問題なのは破綻させた事に責任がある立場の人達が、また以前のやり方に拘っていて、マスコミと一緒になって誰かのせいにしている事です。
 いつもより長くなりましたが、これが現時点での私の意見です。

 夕張へ来てから全く同じ考えでやっていますし、今後も変える事はありません。今後も破綻を受け入れて自ら立ち上がって夕張で頑張る人達を支えていくつもりです。


 またJBpress社のサイトにて村上先生の別の原稿も公開されました。
 未だにこんなことがあるのかという感じです。民主党のことでも色々ありましたが、それと同じ構図だと思います。
 「そう言わないとお前は出ていく事になるぞ!」なんてのは、マスコミの力を利用した脅迫強要です。ひどすぎます。
 直接村上先生からお話を伺ったこともありますが、本当にご苦労されています。破綻した夕張の医療の灯を消してはならないと、試行錯誤されています。そういう人を、どうして無意味に、自己満足のために、叩き潰そうとするのでしょうか。
 一人でも多くの方に真実を知っていただきたいと思い、メルマガを転載しました。

2010年07月06日

子ども手当の一考察

 事務所で電話番をしていると、時々「民主党は公約を守ってないやないか!」といったお叱りのお電話をいただききます。
 本当はそんなことはないのですが、負の部分しか報道されないということもあり、正直つらい立場です。
 実現した政策の中に「子ども手当」があります。衆議院選挙の時には、とてもいい政策だと思って皆さんにもお知らせしましたし、皆さんも同じように思われたことだろうと思います。
 実際始めてみると、制度的な欠陥や財政的な手当ての難しさが分かってきました。当初、事業仕分けで見つけた無駄の部分を子ども手当の財源に充てると考えていました。しかし、無駄が思ったほどの金額になりませんでした。半額での施行がギリギリなのに、満額での実施はもっと困難だと分かりました。
 また、どの子供に支給するかの資格制限でも課題が見つかりました。国内にいる外国人が、海外に置いてきた養子縁組をした子供数百人分の手当てを求めたという話もありました。結果的には、子の存在を証明できなかったのと現実的でないことから、支給されませんでした。
 誰に支給するのかということは基本中の基本ですので、対象をきっちり決めなくてはならないと思います。海外に居ようとも、日本国籍の子供には無条件で支給すべきだと思います。
 あと、支給する方式は改めるべきだと思います。現金で渡せば本来の目的とは違う用途にも使えます。この点について、党は「保護者の皆さんを信じています」と言います。しかし、他に使われる可能性がある以上、それは良い方法とは言えません。それよりは、直接子供のために使われる方法を採るべきです。
 子供には多くのお金がかかります。乳幼児期にはヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種。保育所や幼稚園では保育料や給食費。小学校・中学校でも給食費や修学旅行の費用、卒業アルバムの費用が必要です。この他にもお金のかかることはあります。
 そう考えれば、親の負担が軽くなる制度にしなくてはならないのでは、と思うのです。私が数人の親に話を聞いた結果、たとえトータルの金額が下がっても、上に書いたようなものの支払いがなくなる方がいいという意見を得ました。
 現金給付は目に見えていいのでしょうが、本当に効果があったかという検証が難しいです。また、自治体の事務的経費的な負担が重いです。
 理念は正しいと思うので、あとは方法論をきっちりと積み重ねる必要があります。ぜひご意見がございましたら、お寄せ下さい。

2010年07月23日

シルバーシートにまつわるお話

 今月に入って「シルバーシート」を巡るトラブルが気になったので、それについて書きたいと思います。
 まずは一つ目。
 事件は4月27日の朝8時前に起こりました。長崎市内を走っていた路線バスの車内で、60歳の女性がシルバーシートに座っていた男子高校生らに対して「高校生のくせに、何でシルバーシートに座らんといかんとね」と怒り、顔を数回殴りました。さらに「何で殴るとか」などと反論した高校生を蹴り、傘の先で顔を突くなどしたそうです。結果、高校生は鼻の骨を折るなど、4週間の重傷を負いました。
 この女性は、その後バスを降りて逃走していましたが、7月8日長崎県警に逮捕されました。
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 もう一つは中国のお話です。
 7月16日の16時ごろ、中国四川省でのこと。始発のバス停で出発を待っていた公共バスに、手に杖を持った白髪のおじいさんが乗車してきました。おじいさんがバスを見渡すと座席は空いておらず、4席ある優先席もすべて満席だったそうです。
 普段であれば誰からともなく席を譲ってくれるようですが、いつまで経っても誰一人としておじいさんに席を譲ろうとする者は現れなかったそうです。
 これに怒ったおじいさん。バスが出発する直前、運転手に向かって「席を譲ってくれないなら、発車させません!」とバスから下車し、バスの目の前に立ちはだかりました。運転手は驚いて優先席に座る乗客に向かって「席を譲るように」と呼びかけるが効果なし。結果として警察が出動する騒ぎになってしまったそうです。
 その後、30才代の女性が席を譲ったそうですが、バスは大幅に遅れてしまったようです。
 中国のネット上では、身体を張ってバスを止めたおじいさんより、席を譲らなかった若者に批判が集中しているとか。
 日本でもかなり前に、同じように論争になったような記憶があります。ただ、中国ははっきり言えるようですが、日本では注意した人が刃物で刺されたという事件があったりで、正しいことを言えない雰囲気があります。そういうのは決していい風潮ではありません。
 正していかなければならないですが、かといって刺されるわけにもいかないので、難しいところです。いつから一体、こんなに捻じ曲がってしまったのでしょうか。

2010年08月01日

投票率36.45%

 先程、和歌山市長選挙の結果が出ました。市民は現職の大橋市長に3期目を任せることを選びました。
 しかし、投票率は36.45%と、これまでの市長選挙でも最低となりました。参議院選挙の直後ということも影響したかもしれません。大きな争点がなかったからかもしれません。だからと言って、3人に1人ぐらいしか投票に行かないというのは異常です。
 国政選挙は全国同時に行われるので、マスコミも大々的に取り上げ、国民を煽ります。その一方で、地方分権・地域主権といいながら、地方選挙には光を当てようとしません。なぜでしょう?
 市内を回れば、市政に対する不平不満を耳にします。不平不満を持つ方々は投票に行ったのでしょうか?また現状でいいのだと思った方は、なぜ信任票を投じなかったのでしょうか。
 信任投票だという側面から見れば、大橋市長以外の候補者の得票が、大橋市長の得票を超えます。それだけのいわゆる「批判票」があったということを重く受け止めなければならないと思います。
 3期目は大橋市政の総決算という声も聞かれました。どんな提案をしてくださるのか、楽しみにしています。私の市議会議員としての任期も残り8ヶ月。来年度の予算審議もありますので、是々非々で大橋市政に挑みます。

2010年09月21日

対日輸出全面禁止にすれば

 連日、尖閣諸島沖で領海侵犯した漁船が海上保安庁の巡視船2隻に衝突し逃走、同漁船の船長を公務執行妨害で逮捕したという事件が報道されています。
 中国は日本政府に対し、船長を速やかに無条件解放するよう圧力を掛けています。しかし、国内での犯罪者に対して、外国人であろうとも法に従って粛々と手続きを進めるのが正しいことです。その点では、中国国内でも、麻薬を密輸した日本人に死刑を執行しているのと同じです。
 これに付随させる形で中国は、中国企業の行う日本への1万人規模の慰安旅行を中止させたり、今日から予定されていた日本の大学生ら約1千人の上海万博訪問が取りやめになり、SMAPのイベントも中止。上海第1ヤオハンで9月9日~19日まで開催の「日本商工会連合会主催 日本全国特産展」が17日に突然、公安当局から中止命令が下されたようです。
 また、中国紙によると、中国産石炭約600万トンの来年4月から5年間の対日輸出契約に関し、中国側が日中間の会合を一方的に延期したとも。
 中国は丹羽大使を真夜中に呼び出して抗議するなど、非礼の限りを尽くしています。日本を属国と思っているのでしょうか。
 中国は「強烈な対抗措置を取る」と言っています。どの程度のことをやってくれるのでしょうか。いっそのこと、対日輸出全面禁止ぐらいやってくれるんでしょうか。そうなれば、一時的には日本国内は苦しくなりますが、苦しみに耐えて中国依存から脱却し、国内自給率も上げ、産業再生の布石を打てるのではないかと思います。対中国円借款事業も全て停止し引き揚げ。アフリカなどの発展途上国への円借款に振り替えればいいのです。
 とにかく、官も民も十把一絡げにして言ってくる、不条理な圧力には決して屈しない!これを曲げてしまえば、尖閣諸島侵略の足がかりを作ってしまうことになるので、徹底的に戦いましょう。

2010年10月02日

Twitterでつぶやいて

 昨日の活動報告で、議員の定数削減案が可決されたことを書きました。これから本会議で採決するという直前に、Twitterで議員定数の削減が行われることと、自分はそれに反対することをつぶやきました。
 本会議が終わって、控室のパソコンに向かうと、何も反応がないだろうと思っていたのに、お一人だけ私の書いたことに返事を書いてくれた方がいらっしゃいました。そのメッセージをご覧になっていただきたいと思います。

全国何処の市町村も定数削減ってのが正論みたいに言われてますが、一概に人数減らせば良いって問題じゃないよね。市民が減らせ減らせっていうのはそれで人件費が減るからなんだろうけど、だったら人数そのままで議員給与を減らせばいいじゃん(経費も)

または議員の人数を極端に減らして高給を与えて徹底的に仕事させる。

でもね、市民は仕事もしてない奴らに給与を払うってのが正義感として気に入らないだけで、業務的にも経費的にもどうでもいいんだってのが真意。

 この方は3回に分けて、つぶやいて下さいました。私の反対表明に対してのお返事はこの1通です。前回、まだTwitterを始めていないときに、ブログで議員定数のことを書いたら、かなり厳しいご意見をいただきました。今回はその反対です。
 この方のご意見が全員一緒とは言いません。ただ、同じようにお考えの方が多いのではないかと思います。
 もう結果は出てしまっていますが、皆さんのご意見を伺えたらと思っています。

2011年01月11日

荒んだ社会にタイガーV

 この年末から、「タイガーマスク」「伊達直人」を名乗り人物から児童養護施設にランドセルや文房具、現金などの寄付が続いています。
 年が明けてからも同じようなことが、全国で見られるようになりました。おそらく最初のタイガーマスク登場のマスコミ報道を見て、次々と突き動かされた方が出てきたのでしょう。
 「タイガーマスク」「伊達直人」以外にも「矢吹丈」や「桃太郎」まで現れました。そして和歌山にも「伊達直人」が出てきました。紀の川市役所に現金を託していったそうです。これらの動きに、マスコミは「タイガーマスク運動」なる名前をつけています。
 ちょっとしたブームのようになっていますが、こういう状況をCNNファクター(CNN Factor、CNN要因)やCNNエフェクト(CNN Efect、CNN効果)と言います。アメリカの大手ネットワークCNNが流した情報により、人々が動かされ、ちょっとしたブームのようになることです。今回の「タイガーマスク」も同じだと思います。
 ただ、元々私達の気持ちの中に、今の荒んだ社会を何とかしたいという想いが募っていたところに「タイガーマスク」が現れたのです。幼児児童や高齢者といった社会的弱者に対する虐待や、高齢者が所在不明になったり、遺体を隠され年金が不正受給されていたりと、人を人として扱わない社会の闇に光が当たりました。
 このような現象を目の当たりにする度に心苦しく思い、また何とかしたいと思っていたはずなのです。そこに「タイガーマスク」が現れ、タイガーV(タイガーマスクの必殺技です)を食らわしたのではないでしょうか。
 残念ながら、荒んだ社会を作った責任の一端は、政治の世界の我々にもありますし、少しでも改善していくようにするのが、我々の仕事の一つだと思っています。
 私は民主党の一員ではありますが、今の子ども手当制度は必ずしも子供達にとって為になる制度だとは思っていません。改善が必要だと思います。老後を安心して生活していく社会保障を創り上げることも急がなければなりません。
 今回の「タイガーマスク」登場は、これらの状況に対する国民の叱咤であり、ただ単なる美談に終わらせてはならないと思っています。

2011年02月03日

節分に響く豆まきの声

 今日は節分。暦の上では今日まで冬で、明日から春。とはいえ、そんなに急に暖かくなるわけではありませんし、春を感じられるまではもう少しかかるようです。
 最近は「鬼は外、福は内」の声を聞かなくなりました。私が子供の頃は近所から良く聞こえてきましたし、我が家でも大きな声で豆をまいていました。特にどういう理由があるというのではないのですが、豆はまくものの、大きな声を出すことはしなくなりました。
 しかし今日、豆まきをしている家族に遭遇しました。お父さんと男の子が鬼のお面を被り、お母さんとおばあちゃんと女の子が豆をまいていました。その姿をほほえましく思いながらも、文化の継承は大切だと思いました。
 文化といえば、恵方巻きは関西だけの風習です。それが数年前から全国区となり、関東でも食されるようになりました。
 それと、柊の木に鰯の頭をつけて玄関先につるすのも、関西独特の風習です。実は全国共通だと思っていたのですが、関西独特のものだったと今年初めて知りました。昔からやっていたので、てっきりそうだと思っていたのですが、正直ちょっとびっくりしました。
 絶えることなく残り続けること、残し続けることが人と人のつながり、地域を支える力の一つになるのだと思います。そんなことを考えた今年の節分でした。

2011年07月26日

刈草はゴミか?資源か?

 この時期、草木は大きく成長します。周りを見渡すと、木々は一層青々としています。雑草も伸びが速く、暑い最中に草刈りをされる方もいらっしゃるかと思います。
 草刈りをすれば、当然刈草ができます。おそらくほとんどの方は、ゴミ袋に詰めて、燃えるゴミとして出していらっしゃるのではないでしょうか。
 市内には、この刈草をバイオの技術で肥料にして、もう一度土に戻そうと活動している方がいます。そして、これを一つのビジネスとして大きくしようとしています。ビジネスにするならば、一般のお家から出される刈草では安定性に問題があったり、収集の手間がかかったりと、効率的とはいえません。
 そこで、植木屋さんと組んで、植木屋さんが刈った草を分けてもらうことにしました。植木屋さんとしては、お金を払って処理していた刈草を引き取ってくれる。業者としては安定的にある程度の量の刈草が得られる。と、両者にとっていい結果をもたらすと思っていました。
 しかし、そこに壁が立ちはだかったのです。それは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(通称 廃棄物処理法)です。
 廃棄物処理法では、有償無償に拘らず、許可を得た者以外、業としてゴミを引き取ってはいけないと定められています。有価物、つまり金銭的に価値のある物はゴミではないので、これにあたらないのです。この「有価物かどうか」というのが、抽象的で個人によっても異なります。ある家庭では刈草はゴミと思われても、この業者にしてみれば立派な「価値あるもの」になります。
 昭和45年に作られた廃棄物処理法は、不法投棄の防止を目的として作られた法律で、その中には「リサイクル」という概念は含まれていません。法律自体が今に遅れているという欠陥があります。
 和歌山市の場合、刈草や小さな植木の剪定枝などは、ゴミとして青岸エネルギーセンターで受け入れています。しかし大きな植木枝は、機械の処理能力を超えるとのことで、一般の廃棄物処理業者に引き取ってもらうことになっています。
 一方で、和歌山市はゴミの減量化を市民の皆さんにお願いしています。焼却後の灰は埋め立てるしかないのですが、現在受け入れてもらっている大阪湾のフェニックスも、よくもって3年と言われています。それ以降、和歌山市には焼却灰の持って行き場所がありません。
 そんな中で、少しでもゴミを資源にリサイクルしようという方を応援していきたいと思っています。和歌山市には、一般廃棄物を資源化するために引き取る業者を指定するための条例や規則がありません。産業廃棄物にはあるのに、どうして同時に作らなかったのかという疑問もありますが、他の都市でも行われていることを、和歌山市でも早く行えるよう整備を進めていきたいと思います。

2011年08月04日

子ども手当の廃止に思う

 2年前の衆議院選挙のマニフェストで、1番はじめに掲げられていた「子ども手当」。これがどうも廃止されるようです。
 これまで、子ども手当についての私の考えを、各所でお話してきました。今も考えは変わりませんので、改めて明らかにしておきたいと思います。
 まず、マニフェストにも掲げられた「社会全体で子育てを支える」という理念については、全く異論はありません。これからの日本社会を支えていくには、子どもという財産が必要であり、その存在が重要です。
 しかし問題は、その支え方の方法論です。私は1万3千円や2万6千円を現金で給付するというやり方は良くないと考えています。
 子育てにはお金がかかります。それを現金で渡すのではなく、現物で支給するのです。
 例えば、保育所や幼稚園の保育料、小・中学校の給食費、教材費などを、子どもの人数分だけ自治体や学校に直接支払いをし、保護者からは徴収しないという方法がベストだと、2年前から言い続けています。
 ただ、大都市圏と和歌山市のような地方都市とでは、おかれた状況が違いますので、一律にはいかないでしょう。そこは、各地域にある程度の判断権限を持たせて、実情に合った運用を行なえばいいと思います。
 大都市圏では生活インフラが整っていますが、保育施設は不足しています。和歌山市は大都市圏ほどの生活インフラではないですが、生活が苦になるほどの支障はありません。そして子育てする環境は、大都市圏よりは整っています。ぜひ和歌山市へ移り住んで下さい!と言えるわけです。
 現物支給の方が、現金で保護者に給付するよりも、直接子どもにその効果が現れると考えています。
 ぜひ、皆さんのお考えもお聞かせ下さい。

2011年08月27日

代表選が始まりました。

 民主党代表選が始まりました。政権交代後、2年弱の間に3人目の総理・代表が誕生しようとしています。
 もうええかげんにせえ!という怒りの声、どうでもいい。という落胆の声、誰がやっても一緒。という無関心。様々な国民の思いの中で、5人が立候補をしました。
 そして、今回もまた任期途中の代表選であるため、一般の党員やサポーターだけでなく、私のような党所属の地方議員も投票に参加できません。県連にも投票権がないため、私達の声を託す、代理するものは何もありません。
 せめて県連に1票だけでもあれば、すぐに県連の投票用紙を県内の党員・サポーターに送り、声を聞いて、生かすことができます。たとえ候補者の名前を書かなくとも、ご批判やご意見を書いて下さるかもしれません。それもまた声です。しかし、それさえもできない。
 国会議員だけで決めるのは、確かにスピードは一番速いです。しかし「民主」的ではありません。今まで同じことを何度も繰り返してきました。なのに全く改善されない。この点には憤りを感じています。

 さて、今回の代表選では、私には一票はありませんが、もし投票できるなら誰を選ぶか。私は馬淵澄夫候補を選びます。
 これまで国会で秘書をしてきた中での経験、それ以降見てきたものなどを総合して決めました。
 確かに3期目と、総理になるには経験は浅いと言われるかもしれません。しかし、パフォーマンスに走らない、一つひとつ詰め将棋をするような、今一番国民が欲している人格の人ではないかと思うのです。
 今回の代表選で、私の手元にまで、候補者側から政見が届いた唯一の候補者です。色々ご意見はあろうかと思いますが、馬淵候補者の政見をご覧になって下さい。

国民一人ひとりのため、私は逃げずに立ち向かう

衆議院議員 馬淵澄夫

 3・11で日本は決定的に変容してしまいました。津波ですべてを洗い流された東北の農山漁村の光景、原子力災害で不幸にして行き場を失わざるを得なかった福島の住民の皆さんの姿をみて、明治維新以来幾多の困難を乗り越えて積み重ねてきたわが国近現代の歩みを見つめ直さなければならない、と感じた方も多いのではないでしょうか。あの大震災のとき、どんなに生活が豊かで便利になっても、私たちは人と人とのつながりのなかでしか生きられないのだ、という当たり前のことを私はしみじみと感じました。6人の子どもを持つ親として、両親と妻の母親と暮らす大家族の一員として、人と人とのつながりこそ、これからの日本の復興・発展のための基礎となる不変の価値観、拠り所なのだということを再認識致しました。

 今、国民一人ひとりが家族のようにお互いに身を寄せ合って、地域のみんなで協力しながら、逞しく、そして凛として復興に立ち上がろうとしているときに、わが国の政治の有様はどうでしょうか。こういうときこそ、前例や既成概念を超えて、思い切った対応を、スピード感を持って実行することが必要です。政治家は、逃げたり、あるいは行政のせいにするのではなく、全責任を背負う覚悟で仕事をすることが必要なのです。それが、私たちがあの2年前の暑い夏、全国で国民に訴えてきた「政治主導」の政権運営であり、「国民の生活が第一」ということであったのではないでしょうか。残念ながら今の私たちの政権運営は、政権交代の原点からかけ離れており、胸を張って国民に報告できるものではありません。

 政権交代前の私たちがなぜ国民から期待されたのでしょうか。私たちは結党以来、常に、天下り、税金の無駄遣い、耐震偽装や道路整備の問題に見られる際限なき裁量行政、あるいは不作為の連鎖による無責任体制を地道に調査し、国会で質し、長きにわたる政権支配で腐敗しきってしまったこの国の権力構造を変えることを訴え、国民の皆さんから支持されてきました。そして、国民の皆さんにマニフェストを提示し、実現を約束して参りました。これまでマニフェストが実現できなかったのは、マニフェストが正しくなかったからではありません。マニフェストを実行するための政権運営体制を、旧政権下から大きく変えることができなかったからです。「政治を国民の手に取り戻す」ためには、この二年間の反省を踏まえて、民主党らしい「政権運営の型」を作り、規律・規範に基づいた、国民生活のための政治行政を実現しなければならないのです。

 国難の時にあたって、400名を超える私たち民主党議員は、傍観者であってはなりません。今なおがれきが残る中、避難所生活を余儀なくされる被災者の皆さん、放射能の影響におびえながら生活する福島県の皆さんの現状に、私たちも大きな責任を負っていることを自覚しなければなりません。だからこそ、党利党略との決別に向けた政治の刷新、民主党政権の出直しのために、全党一丸となって立ち上がるのが私たちに課せられた歴史的使命ではないでしょうか。

 私は、三十代前半で当時最年少の上場企業役員として働く機会を持ちました。企業経営では、社内で派閥争いをしていては、士気は上がりません。経営者がパフォーマンスばかりをやっていても、業績は上がりません。リーダーたる経営者は、高い意識を持って誰よりも困難な仕事に率先して取り組み、さらには社員が失敗を恐れずに全力で仕事に取り組める環境を作っていくことこそが最大の使命であるということを学びました。私は、民主党に足りないと指摘されるのはこうした「経営」実践であると思っています。会社の経営経験が、国家の経営に反映されるべき時が来たのではないか、生き馬の目を抜くビジネスの世界で身につけた経験と力が、混沌とした政治状況を収めるのに役立つのではないかと考え始めました。当選回数の少ない私の挑戦は、永田町の常識からは外れているかもしれません。しかし、私は「新しい次代のリーダー」となるべく社会経験を積んできたつもりです。1998年に民主党が結党され、10余年で念願の政権交代を果たしました。会社でいえば、創業から上場に到ったところです。私は、これまでの代表経験者と違い民主党以外の政党に所属したこともなく、生粋の民主党の国会議員として政治活動をして参りました。そんな私は、諸先輩方の経験やご見識を最大限に生かし、党内をひとつにまとめて、民主党をそして日本の政治を立て直すことの先頭に立っていきたいと考えています。

 私は、絶対に逃げない。私は絶対にぶれない。これが民主党再生の最後のチャンスと思って、この戦後最大の国難に立ち向かうために、すべてを賭けて戦ってまいります。


政権政策

~慈しみの心で分かち合う国へ~

 震災、経済危機、そして、地域や貧富の格差。いま人々の心に、不信と不安が渦巻いている。国難に直面した今、国民一丸となって復興に立ち上がれる国を作らなければならない。成長を取り戻し、国民生活を底上げし、格差を縮小し、日本国民がひとつになって、それぞれの役割を果たし、助け合う国をつくる。人に対する尊厳をもって、慈しみの心で、総和としての恵みの豊かさを分かち合う国へ。

 1.二つの国家的危機を脱する 

【①東日本大震災からの復興、原子力災害の収束】

○復興庁に強大な権限と独自財源を 各省縦割りを超えた強大な権限と独自財源を持った復興庁を年内に設置し、被災地に副大臣・政務官を常駐させる。

○被災地に国家プロジェクト特区 地域分散型の電力供給、省エネ環境住宅、最先端の農業・医療等を世界に先駆けて実現する国家プロジェクト特区を、復興のシンボルとして被災地に設置する。

○原子力災害対策を一元化、世界の英知を結集 原子力災害・放射能被害に対応する組織を一元化、世界の英知をも結集し、国が前面に立って事態の収束を果たす。

○国の責任で原発被害に対処 こどもや健康への影響、汚染がれきや土壌の処理、農林水産物への被害等に、国が最終責任を負い、大胆かつ迅速に対処し、最大の透明性・情報公開で国民のみなさんと国際社会からの信頼を取り戻す

○安易な増税に頼らない復興 1000年に1度の天災から世代を超えて復興するとの観点から、その財源は長期償還の国債や無利子非課税国債等でまかない、安易な増税には頼らない。

【②世界経済危機からの脱却】

○積極財政で経済危機に立ち向かう 平成23年度第3次補正予算と平成24年度予算は、急激な円高・株安や世界経済の不透明感を踏まえ、機動的に積極的な予算編成を実施する。

○大胆な金融緩和でデフレ脱却 長期デフレからの脱却と円高の是正を目指し、3年間の集中デフレ脱却期間を設け、マネーサプライの増加など大胆な金融政策を駆使してマクロ経済政策にあたる。

○経済の司令塔「経済戦略会議」を 主要閣僚、日銀総裁、経済界、労働界、学識者等からなる経済戦略会議を司令塔に、オールジャパンで経済政策の基本戦略を策定する。

○財政再建と社会保障の安定 2010年代半ばまでに経済を安定成長路線に乗せ、自然増収を確保する。その上で、中期かつ複数年を枠組みとする財政再建に着手し、医療、介護、年金等社会保障制度の抜本的見直しを図る。

 2.世界の先頭に立つ地域分散型国家へ 

○「脱・原発依存」、「国策から国責」へ 原子力発電所の再稼動には、新たな厳格な規制体制の下で安全性を徹底的に確保する。耐用年数の経過した原子炉は段階的に廃炉し、「脱・原発依存」のエネルギー政策へと転換する。再処理方針はまず凍結とし高速増殖炉もんじゅ等の核燃料サイクル政策は抜本的に見直す。

○「生活の安全保障」 地方の活性化に向け、農村の6次産業化、再生可能エネルギーを活用した地域分散型の電力供給等に政策資源を重点投下する。日本の豊かな水、肥沃な土地、そして四季折々降り注ぐ太陽といった固有の資源を最大限活用した「未来型食料・エネルギー供給体制」を作り、そこから新たな環境調和型の産業を生み出し、地域分散・循環型の持続可能な産業を実現する。

○危機管理型「首都機能強化」と危機管理本部 危機対応のための専門組織となる危機管理本部(仮称)の整備、首都機能を強化し国家としてのサバイバル機能を強化する。また、首都機能バックアップ都市の整備を図る。

○日米同盟基軸にアジアの安全確保 日米同盟を基軸とし、新たなアジアの安全保障リスクに対応できる安全保障体制を構築する。海上警察権の見直し等により様々な事態に毅然と対応できる体制を整備する。

○経済重視の実利外交 米国、ヨーロッパとのバランスを取った経済連携を行うとともに、中国・韓国・ASEAN・インド等の成長を取り込むことが可能となるアジア中心の経済連携協定の締結を促進、人的交流を深めるなど、現実主義に基づいた実利外交を展開する。

○中長期ビジョンとしての「ひとづくり」「ものづくり」「くにづくり」 技術、環境、教育、観光等を、ニッポン復興の中長期の基幹として位置づける

 3.「ねじれ国会」を超えるための国家のガバナンス強化 

○ねばり強い国会運営 「大連立」について選択肢を排除するものではないが、現在の政権の枠組みを維持することを前提として、立法府たる国会において政策本位の丁寧な政党間協議を積み重ねる現実的対応を忍耐強く続けることから逃げない。

○政治主導確立のための機能強化 「国家戦略スタッフ」「政務スタッフ」として国会議員、官民の優秀な人材を政治任用する。これにより、政権交代当初に企図していた国家戦略局、行政刷新会議等内閣周辺組織の機能強化を図る。

○政府と党の連携 各省の政務官の一人は国会との連絡調整に専念するものとし、党国対・政調とともに与野党間協議を行う。

○議員立法の充実、政調での法案修正 政調の各部門会議では、野党とも協議しながら積極的な議員立法の作成、政府提出の法案の修正を行うこととし、役所からの報告や勉強の場に加えて、国会対応と一体となった緊張感のある実質審議の場へと役割を強化する。

○党の機能を強化、国の「営業本部」に 政調、国対を束ねる党執行部と官邸・政府の連携を緻密に行い、党執行部は会社で言えば「営業本部」として、一方で国民各層の意見を幅広く吸い上げ、また一方で政府の活動を報告し、各党との調整協議を行うなど対外関係を取り仕切る双方向型組織として機能強化する。

○郵政改革法案の成立 与党3党の最重点合意事項であることはもとより、現在の4分社化では、国民共有の財産である郵便局ネットワークが崩壊してしまう。国会対策上のあらゆる手段を講じることによって、臨時国会で成立させる。




2011年08月29日

野田さんが新代表に

 皆さんすでにご存知の通り、今日民主党の代表選挙が行われ、5人の候補者に対する投票と、その選挙での上位2名による決選投票の結果、野田佳彦候補が民主党の新代表に選ばれました。
 投開票の様子を、県連事務所にて、〆木幹事長とともに見ていました。今回の選挙では、国会議員のみに投票権が与えられました。私は党の地方組織の一端でありながら、今回の選挙に関わることはできませんでした。これは非常に残念です。県連に投票権は与えられていなくても、党員・サポーターの皆さんにご意見を聞くための、何らかの行動を起こせば良かった、とも思っています。
 とにかく、被災地の復旧復興、被災者の生活再建、そして和歌山を含めた被災地以外の経済的影響を最小限に食い止めることが、新代表・新総理に求められると思います。
 確かに財源は必要ですが、それを増税で賄うのは簡単だけれども、ボディブローのように、徐々に国民の生活に悪影響を及ぼすと思います。増税なき財源確保を何とか考えていただきたいと強く願います。

2011年11月28日

大阪ダブル選挙に思う

 大阪でのダブル選挙の結果が出ました。
 大阪市長選・府知事選とも橋下維新の会が圧勝しました。とマスコミは報じていますが、私個人としては圧勝だとは思っていません。
 例えば、ノック知事2期目の選挙では、投票率がほぼ同じなのに、松井新知事より35万票近く多く獲得しています。ダブルスコアに届かない状況で、圧勝と言っていいものかどうか、疑問が残ります。
 選挙結果の論評はさておき、これから大阪がどうなっていくのか?です。これは、直ちに直接的に和歌山に対して影響があるのかと問われれば、そんなことはないと答えますが、では全く影響がないかと言えば、そんなことはないと思います。ただ、今の時点でどんな影響がもたらされるのかは、皆目見当がつきません。
 しかし、大阪がこれから混乱と混沌の渦に巻き込まれるであろうことだけは、見えてきます。それは橋下市長と松井知事の差です。
 この二人は確かに、府市合併・大阪都構想実現の1点では完全に一致していて、これに関わる部分では揺るぎないと思います。しかし、行政が抱える仕事や課題は「府市合併・大阪都構想実現」で突破できるものだけではありません。
 大阪も広く、兵庫・京都・奈良の府県境から、南は和歌山との境にある岬町まで、地域差もあり、文化も異なります。橋下さんはご自身のバイタリティやパワーでまとめ乗り切ったのでしょうが、同じことが松井知事にできるでしょうか。
 また維新の会の中では橋下さんが代表だからといって、松井知事が何もかも橋下さんに相談していたのでは、事も進まないですし、橋下さん自身もうっとうしいと思うようになるでしょう。つまり、橋下さんと松井知事の頭の中が違う、全く同じではないので、府政は案外何もできないで停滞してしまうのではないかと思うのです。
 結果として、府民が期待したような結果を出すことができないまま、4年が過ぎ去ってしまう。そんな状態になるのではないでしょうか。大阪が浮上できなければ、近畿の原動力は生まれません。
 これからどう動くのか、注視しながら、上に書いたことが取り越し苦労であってほしいと願うばかりです。

2011年12月31日

平成23年の締め括りとして

 早いもので、平成23年もその幕を閉じようとしています。今年は本当に色々なことがあった年でした。
 言うまでもなく、3月11日の東日本大震災。多くの尊い命を失いました。福島原発の事故発生に伴い、広範囲に放射性物質が拡散し、今なお多くの方々が故郷を離れなければならなくなりました。
 当時の菅内閣による事故処理の不手際にも、多くの批判が寄せられました。事故処理の不手際もさることながら、そもそも我々日本人が、なぜ原発を設置しなければならなかったのか、その根本的な点から検証を始める時期が来ているように思います。
 菅内閣の後を受けた野田内閣の誕生。そして、9月初めの台風12号の被害。紀伊半島を中心に甚大な被害をもたらしました。政府はすぐさま災害対策本部を設置し、対応に当たりました。過去の事例では、災害発生後数ヶ月かかっていた激甚災害指定も、2週間ほどで行われ、迅速な復旧活動が実施されました。これには県知事も「120%の対応をしてくれた」とのコメントを出されました。
 地震、台風と自然の力をまざまざと見せ付けられた、そんな1年であったように思います。私達は今、文明社会の中で生きていますが、人間が万能だと思い上がる姿を見て、警告を発しているのではないかとさえ思えます。
 私事では、4月の統一地方選挙で2回目の当選を果たさせていただきました。引き続き、和歌山市議会では最年少議員として活動させていただきます。
 1期目は5人ないしは6人の会派でしたが、2期目は私を含めて2人の最小会派となりました。年数の関係から、私が会派の幹事長をさせていただいています。様々なことで、ベテランの先輩方と渡り合わなければなりません。まともに交渉できるのか、不安を感じつつも、今のところは何とかなっています。
 民主党の一員としては、大変厳しいお言葉を頂き続けました。菅内閣のときは本当にピークで、後半は批判よりも諦めや嘆きに近いお言葉を頂くことが多かったように思います。
 やっている張本人や国会議員は東京にいて、あまり直接声を聞く機会は少なかったのでしょうが、地方にいる我々は一種出先機関のような形でモロに受けることになりました。民主党という錦の旗を掲げている以上仕方ないと思いながらも、やった張本人じゃないのにそこまで言われなければならないのかと、不条理さも感じましたが、飲み込みました。
 ツイッターにも「民主党で恥ずかしくありませんか。」というメッセージが届いたりもしました。「前途有望な若いあなたがなぜ民主党に?」なんていうのもありました。頼りなかったり、不甲斐なかったり、約束を守らなかったり、そんな党に所属している。確かに違和感があるのかもしれません。
 自分の支援者から「民主党を辞めないなら応援せん」と言われたりしました。実際は応援してくれましたが。先日もある支援者が「もう民主党辞めたから。党員も継続しないから」と言われました。残念ながら「ちょっと待って下さい」とは言えませんでした。「一緒に辞めたら?」と誘われましたが、「それはできません」とお答えしました。
 私は1999年9月に、当時の岩國哲人代議士の下に置いていただいた時から民主党の一員です。苦しいしんどい時期は何度もありました。しかしそれでも辞めることなく、今日までいます。なぜならそれは、民主党は必ず良くなると思っているからであり、そのための一端を担いたいという思いがあるからです。見捨てるのは簡単ですが、最後まで見捨てないというしんどさを率先して引き受けているところはあります。
 先日も国会議員が数名離党しました。なんでこの時期なのか、想像はつきますが、しかし、特に比例区で選ばれた議員が党の名前で当選しておきながら、党を辞めるというのはどういうことなのか、納得がいきません。制度が悪いと言えばそれまでですが、保身に走ったと見られても仕方ないでしょう。
 どうして中に残って、中から変えようとしないのか。変えるための努力をどれだけしたのか、見えてきませんし、伝わるものがありません。
 当初掲げたように「当たり前のことが当たり前に行われる」政治を実現したい、その思いが一層強くなっている今日この頃です。
 年の終わりに愚痴っぽくなりましたが、自分の胸の内を少しでも分かっていただければと思い、書かせていただきました。

2012年01月01日

凛として和歌山、凛として日本

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 2012年、新しい年が明けました。昨年のことを思えば、素直に「おめでとう」という言葉が、口にしにくい正月です。
 しかし、後ろ向きのことを言ってばかりもいられません。それでも、私達は生きており、生きていかねばなりません。そのためにも、少しずつでも動かなければならないと思うのです。
 元日、年の区切り。私達はなぜ365日ないしは366日を「一年」として区切っているのか。そんなとりとめもないことを正月に考えてみました。
 人類が人間に近づいていくにあたり、多くの過程をたどりました。ヒト科のサルから猿人、原人、旧人、そして現代人と同じグループである新人となります。新人は現生人類とも呼ばれますが、この新人が地球上に現れたのが、およそ20万年ぐらい前です。
 20万年は7300万日。もし、これを何の区切りもつけずに暮らしていたとすれば、
「きょうは何日だったかな?」「7299万6491日ですよ。」
「7304万15日、夜のニュースです。」
「そういえば7300万1125日に友達と会ったんだけど・・・」
みたいな会話が交わされていたのかも知れません。しかし、人類は自然の状況、季節の移り変わりなどを捉えて、「365」という区切りを見つけ出し、暦にしていったのでしょう。
 ただそれは、人類が自然の流れを捉え、自分たちに分かりやすくしただけではなく、同時に心の整理もしやすくした先達の智慧ではないかと思ったのです。
 個人差はあると思いますが、得てして私達は「1月1日から何かをやる」とか「12月31日で止める」ということを言い、実行します。節目・区切りがあれば、何かに取り組みやすいという点は大いにあるでしょう。
 気持ちの部分、また自然の一部として生きるものその両方を兼ね備えさせる形で、1年は365日という区切りをつけたのではないでしょうか。区切りなく、際限なく続くものではなく、どこかで「それまで」と「これから」を分ける節目をつけたことは、先達の智慧なのではないでしょうか。
 そんな誰もが分かっている当たり前のことを、あえて難しく考えることから、2012年は始まりました。ムダかも知れませんが。

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 今朝は和歌山城お正月恒例の「歩こう走ろう会」に参加するつもりが、うっかり目覚ましをセットし忘れ、砂の丸広場へ着いたときにはすっかり撤収も終わっていました。そのまま、初日の出も済んだ天守閣へ登り、元旦の市内を望みました。正月からやってしまったなぁという感じです。
 ここ数年、議員また公務員といった仕事が相当なバッシングを受けています。現状が良くないのは、過去に特定の人にだけ特別の利益がもたらされることを行ってきたことが、原因の一つだと言えます。現在、そういうことはゼロではありませんが、ゼロに限りなく近くなったと思います。
 そうなれば、私達は自分の仕事で評価をしていただくしかありません。政治はどうしても結果責任を問われますから、全てうまくいくとは限りませんが、媚びることなく正々堂々と議論で辿り着きたい、そんな凛とした気持ちで、この一年も仕事に取り組んでいきます。

2012年02月16日

「夢を追い続けられる」こと

 今朝は国会議事堂内で、党の地域対策協議会があり、出席しました。
 この会は、全国でも様々な課題を抱えている県が選ばれ、それぞれの課題をどう改善していくか、党本部とともに考え、対処していくための組織です。和歌山以外に島根・愛媛・高知・宮崎が選ばれています。
 今日が2回目の集まりで、前回私は出席できませんでしたが、阪口県連代表と出席し、今年県連が取り組むことや党本部への要望事項を伝えました。

 その後は、友人のマスコミ記者と一緒に昼食を食べました。東京へ異動してからしばらく会っていなかったのですが、今の担当がかなり忙しいらしく、会ってすぐに寝不足だと分かるぐらいの暈ができていました。
 永田町から少し離れたところにある喫茶店で、本格ビーフカレーを食べながら2時間近く、友人の今の仕事のことや和歌山のことなど話しました。政界関連では、消費税の増税や社会保障改革、公務員の制度改革など、日々ニュースに取り上げられていることについて、取材しながら感じることなどを聞かせてもらいました。
 そんな話の途中で、どういう流れだったかは定かではないですが、ロストジェネレーション(ロスジェネ)の話になりました。
 ロスジェネとは、直訳すると「失われた世代」であり、1973~1982年生まれの世代を指し、ちょうど社会へ出る時期に、「失われた10年」による不景気によって就職が非常に困難であった年代を指します。1978年生まれの私は、ちょうどこの真ん中に位置します。5年前の初陣の際に「ロスジェネ議員」と名付けられた取材も受けました。
 バブル崩壊のあおりを受けて、不景気の不利益をまともに受けてしまったことから「ロスジェネ」なんて呼ばれたようですが、その世代である我々、少なくとも私には非常に違和感があります。
 何かを失ったかどうかを比較する基準点は「バブル経済」であり、我々世代はほとんどバブル経済の恩恵を受けていない。元々受け取ってもいないものを「失った」と言われることの不快感。未だにバブルの頃からの視点で言われる違和感。後ろ向きの言葉から発せられる影。そういう物事に対して反発する気持ちがあるという点で、お互い一致しました。
 でも、今この世に生きている全ての世代も「ロスジェネ」に思えるのですが。

 夕刻、飛行機で和歌山に戻ってきました。
 隣に座った女性が、窓から見える羽の機構の動きを楽しそうに見ているところから、お話しすることになりました。彼女は大学3回生で、航空会社の客室乗務員(CA)を目指して、目下就職活動中。今日は飛行機の整備場などを見学した帰りだったそうです。
 飛行機の羽が空気抵抗を受ける仕組みや先日テレビでも放映された映画『ハッピーフライト』の話などをしました。一番ビックリしたのがCAの競争倍率。400人の枠に対して200倍になっているそうです。あんまり大きな数字なので、何度も確認したのですが、就職活動している子の情報ですから、間違いないでしょう。
 自分も夢を追いかけて政治家になったので分かりますが、夢を追いかけられる、追いかけることを許される社会がある、状況であることがどんなに幸せなことか、を改めて感じました。そして自分が享受した分を、自分の仕事で社会に返していかなければならないと気持ちを新たにしました。
 CAになったあなたと機上で会える日を楽しみにしている、といったような激励をして、それぞれの帰路に着きました。
 後ろ向きな言葉を拡散するよりも、前向きな言葉を繋いでいくことの方がどんなにいいか、を再認識した一日でした。

2012年05月29日

34才になりました。

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 今日、満34才の誕生日を迎えることができました。
 昭和53年5月29日午前1時1分、私はこの世に生を受けました。そして、今日まで大過なく過ごすことができました。
 紆余曲折、しんどい時期もありましたが、自分がやりたかった仕事もでき、今に至っています。
 議員にならせていただいて5年を満了し、6年目に入りました。和歌山市議会では2期連続の最年少で、まだまだ若輩者ですが、多くのご支援くださる方々に支えられて、未熟ながらも仕事をさせていただいています。
 議員として、まだまだご満足いただけるような仕事と結果は出せていません。しかし、色々なことに取り組ませていただき、学んで、100%とまではいかないまでも、できるだけ高い満足度を得ていただける仕事ができるよう、一層努力していきます。
 ブログの更新もかなりほったらかしになってしまい、お伝えしたいこともたくさんあるのですが、なかなかできないままになっています。今日から気持ちを切り替えて、改めて様々なことについて発信していきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

2012年07月03日

離党しましたか?

 支援者からこんなメールを頂きました。

 「離党しましたか?大丈夫ですか?」

 私からは「離党せずにいてます。」とお返事したら、「良かった。これからの活躍期待してます。」とお返事を頂きました。
 東京で起こっていること見聞きすることにつけ、気を揉んでメールを下さったのだろうと思います。
 自分で言うのもなんですが、私は自分のことを「ミスター民主党」だと思っています。結党間もない1999年10月から党員です。辞めようと思えば、辞めるタイミングは何度とありましたが、辞めずに残っています。別に機を逸したわけではありません。
 良いところも悪いところも分かった上で残り続けています。今回のことで、少しだけすっきりするだろうと思います。
 引き続きご支援をお願いします。

2013年05月04日

市民の足をどう確保するか

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 大都市でない限りは、どこの地方でも鉄道やバス路線の維持に頭を悩ませていることだろうと思います。御多分に洩れず、和歌山市もその一つです。
 「たま駅長」で有名となっている和歌山電鐵貴志川線もその一つです。元々は南海電鉄が運営していましたが、累積赤字から平成15年に廃止の方針を表明しました。その後、沿線住民を中心に「貴志川線の未来を”つくる”会」が結成され、貴志川線存続の活動が始まりました。
 この会の注目すべきところは「乗って残そう貴志川線」を合言葉に、沿線住民が利用して存続させていくための活動を今日においても行っているところです。
 往々にしてこういう会は圧力団体となって、行政に税金から補助金を出すよう求めてくるだけのものが多いのですが、この会は異なりました。
 現在、和歌山市は紀の川市と共同で、貴志川線運営の赤字補填、つまりプラマイゼロになる分の補助を行っています。しかしこれも10年という期限付き。残り3年を切っています。
 つくる会では補助のない運営を目指すべく、「チャレンジ250万人」と掲げて活動を展開しています。年間250万人の利用があれば、独立採算で運営が可能です。最大の敵は「人口減少社会」なのかもしれません。

 もう一つ、和歌山市で4月から始まった取り組みがあります。市南部の紀三井寺団地を中心とした地域で、地域バスが走り始めました。写真は、使用するバスのお披露目式のときのものです。
 紀三井寺団地には路線バスが走っていましたが、平成21年10月に廃止となり、以降公共交通の空白地となりました。高度経済成長期に形成された団地であるため、高齢世帯も多く、路線バス復活を渇望する声が高まってきたそうです。
 平成23年6月には、地元住民からなるバス問題対策委員会が設置され、話し合いがもたれてきました。結果、1年10ヶ月を経て地域バスが運行されるようになりました。
 ここでも注目すべきは、運営の主体は地域住民からなる「地域バス運営協議会」であり、行政ではないということです。
 和歌山市は地域バスの運行に当たって、バスの車両とバス停を提供しました。バス停の場所やバスの運行ダイヤは協議会が住民の要望を聞き、話し合いで決定しました。また、運営に関して市は補助を出しますが、乗ってもらえなければ意味がないので、運賃収入が一定割合以上なければ補助しないと定めました。廃止の意思決定も協議会で行います。
 このように、運営についての大部分の権利を地元が持つ代わりに、乗るという義務も積極的に背負ったわけです。このようなやり方は、京都でも見られますが、全国的には始まったばかりです。

 和歌山市の事例で共通することは、ともに主体が住民であるということです。「これらは行政の仕事ではないか」とお感じになる方もいらっしゃるかもしれませんが、それは違います。必要ならば必要なりの自助努力をしていただかなければなりません。税金にも限りがあります。いくらでもあるわけではありません。ましてや、市内全域から集められたものです。一部の地域に集中して投下することはできないと考えます。
 貴志川線も紀三井寺団地の路線バスを運行していた会社も「民間企業」です。利益が上がらなければ、止めなければならなくなります。しかし同時に「公共交通」を掲げています。将に「公共」と「民間」の狭間で苦しい立場に立たされていることも理解しなければなりません。
 紀三井寺団地の地域バスは1ヶ月が経ったところです。地域の足として定着するよう願うばかりです。

2013年05月05日

子どもは親の鏡

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 今日は和歌山城とけやき大通りで、和歌山市のこどもの日恒例の「こどもなかよしまつり」が行われました。私は和歌山青年会議所のメンバーとして、スタンプラリーのお手伝いをさせていただきました。
 砂の丸広場前からスタートして、城内に3箇所あるチェックポイントを全部回ると景品がもらえるというものです。私はそのうちの1箇所でスタンプを押し、くじを引いてもらって出た数字のスーパーボールを渡すということをしました。
 はじめは、すべきことをこなしていただけだったのですが、慣れてきたのか、途中からあることに気付きました。
 ある子は自発的に「ありがとう」と言い、ある子はボールをもらったら一目散に去っていく。色々な子どもがいるんだと思いました。
 そんな目線で見てたら、結局は親なんですよね。2,3才の小さな子でも親が「ちゃんとありがとうを言いなさい」と言えば子どもは言います。親が言わなければ、子どもは言いません。それが当たり前になってしまう。やはり躾が大きいと思います。
 中にはこんな子もいました。スタンプラリーの用紙は400人分しか用意していませんでした。ボールも400個と予備少々。スーパーボールを見つけて、欲しいとせがむ子もいましたが、参加者でなければくじを引けないことを丁寧にご説明して、保護者に納得していただきました。
 しかし、子どもは納得しない。机の前で留まってボールを見つめ続けたり、親に欲しいと言ったり。極めつけは大きな声で「ケチ!ケチ!」と連呼しながら去って行く子。
 その姿を見て先輩が「自分とこの子やったら、張り回してるけどな」と。私も同感でした。でも、その親は子どもを制止しなかった。結局、子どもの行動から親を見られるのではないでしょうか。自分が親なら恥ずかしいと思うし、親として恥をかくと思いますから。それとも「恥」の概念が薄れてきてるんでしょうか。
 私も人の子。自分の親に恥をかかせぬように、と改めて戒めたこどもの日でした。

2014年05月07日

引っかかり

 ちょうどひと月前から非常に引っかかっていることがあります。少しずつ頭の中を整理していましたが、この連休中文章にまとめてみました。
 報道ではあまり取り上げられませんでしたが、国会ではある2つの国際協定が承認されました。正式名称は「原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とアラブ首長国連邦政府との間の協定(略称:日・UAE原子力協定)」と「平和的目的のための原子力の利用における協力のための日本国政府とトルコ共和国政府との間の協定(略称:日・トルコ原子力協定)」という2つの国際協定です。
 これらはともに、今年の1月24日に衆議院へ付託され、4月2日外務委員会で審査が終了し承認、同4日衆議院本会議で承認後、直ちに参議院へ送られました。参議院では9日に外交防衛委員会へ付託、17日には委員会審査が終了し承認、翌18日には参議院本会議で承認されました。
 これらの協定は一体どのような内容なのか。簡単に書けば、日本がUAEとトルコ両国に原子力発電所の建設の資材や燃料、運営の技術などを提供するというものです。
 私の引っかかりは、なぜ今、日本がUAEとトルコ両国に原子力発電所の技術などを提供するのか、ということです。福島第1原発の惨禍が未だに収束せず、13万人あまりの原発避難者がいる中で、その技術を国外へ出すのか。
 確かに、日本が持つ原発技術は世界一かそれに匹敵するものだと思います。一方で、散らばってしまった放射性物質の回収や除染の技術も確立していません。放射性廃棄物の処理も現時点では「貯蔵」という方法しかなく、放射能を抑えるのは「日にち薬」しかありません。フィンランドでは「オンカロ」という、固い岩盤の地下に、世界で唯一の高レベル放射性廃棄物の最終処分場を建設しています。生物にとって安全なレベルにまで放射能が下がるまで10万年。それまで地中の奥深くに閉ざそうというものです。1000世紀を跨ぐ壮大な計画は、現在の人類が成功したかどうかを誰も確認することはできません。
 5月5日、日本とフランスが高速炉の研究開発で合意したとのニュースがありました。この高速炉によって、天然ウランと同じだけの放射能レベルになるまで10万年かかると言われている高レベル放射性廃棄物の放射能が300年で下げることが可能になるそうです。しかし、それでも300年はかかるのです。
 火山列島・地震大国の日本は「オンカロ」のような施設の設置には向きません。そもそも最終処分できないものを我々は持ってしまったのです。よく「トイレのない家」などと比喩されるのはその点です。
 今私達日本人がすべきは、原発の輸出ではなく、放射能や放射性廃棄物を無害なものに処理できる技術を探し出すことです。そのための技術研究は最優先で、相当の費用を掛けてでもすべきであり、人材発掘と育成を今こそしなければならないと思います。これが完遂できるのは、広島・長崎に原爆を落とされ、地震と津波に加えて福島第1原発から放出された放射性物質と戦っている日本にしかできないことだと思います。
 また日本とトルコの浅からぬ縁もあり、その始まりが和歌山であるということも忘れてはなりません。
 今から123年前の明治23年9月16日、トルコ(当時のオスマン帝国)の軍艦エルトゥールル号が串本町沖で遭難し、乗組員69名が助け出されたものの、残りの587名は死亡・行方不明となった事件が発生しました。これがきっかけとなって、今の日本とトルコの友好関係が築かれています。
 そんな親日国のトルコに、最終の出口がない原発技術を輸出していいのか。もしトルコで、輸出した原発が事故を起こし、トルコ国民を苦しめることになったら、そう考えたとき、胸が締め付けられる想いがします。トルコじゃなきゃいいのかという話でもありません。友好国のトルコでも出せない。なおさら、他の国へは出せないという話です。手放しで認めることはできません。
 トルコ政府が原発技術の輸出を望んでいるのかもしれません。一方で、原発は必要ないと主張しているトルコ国民もいるようです。日本でもそうであるように、トルコでも賛否両論があって当たり前です。トルコ国民の意思を見極める必要もあると思います。そこに、国際関係、安全保障の課題なども絡んでくるでしょう。アメリカではなく、日本がその役割を担うというところに、隠された意図があるかもしれません。

 もう一つの引っかかりは、民主党の態度決定です。
 先の協定は4月4日に衆議院本会議で、自民・公明・民主の賛成によって承認されました。その2日前に次のような文書が届きました。


【重要】「日・アラブ首長国連邦原子力協定」「日・トルコ原子力協定」に対する態度決定について(政調会長報告)

政策調査会長  櫻井充

掲題について、昨日の『次の内閣』で議論した結果、以下のとおり決定しましたのでご報告します。
 福島における原発事故の災禍や汚染水処理問題等が未だ続いている現状や、輸出時の監視体制が必ずしも万全とは言えないこと等に鑑みれば、原発輸出には慎重に対応すべきと考えます。
 そのうえで、国際協力の視点も考慮し、核不拡散や原子力平和的利用のために両協定が必要不可欠であることや政権担当時の経緯等を考えて、両協定に対しては消極的賛成の立場で臨むこととします。
以上

 1月24日に国会へ上程され、時間があったにもかかわらず、意見も聞かれない。決定までにどのような議論がなされたのかも知らされない。それで「こう決めました」という通知だけ送られてくる。果たして、それでいいのかという疑問です。
 核の不拡散を進めると言いながら、実際これでは平和的利用目的とはいえ、拡散を進めていることになります。
 「政権担当時の経緯等」というのは、おそらく民主党政権時に「原子力の開発及び平和的利用における協力のための日本国政府とベトナム社会主義共和国政府との間の協定(略称:日・ベトナム原子力協定)」を結んだことを指していると思います。しかし、これは東日本大震災が発生する直前の平成23年1月20日に両国が署名し、同年12月9日国会が承認したものです。震災の前後で原子力発電所に対する国民の目線は大きく変化し、環境も激変しました。過去に引きずられて、正しい判断がされていないのではないかという疑問です。
 「消極的賛成の立場」という言葉も非常に苦しいものですが、国会(地方議会も同じです)の採決は「賛成」と「反対」しかありません。消極的であっても賛成は「賛成」なのです。実際、日経新聞には「トルコとアラブ首長国連邦(UAE)に原子力発電所を輸出できるようにする原子力協定承認案が4日午後の衆院本会議で自民、公明、民主各党の賛成多数で可決、参院に送られた。」と書かれています。
 2月に福島県郡山市で行われた民主党定期大会では、大会宣言を代議員からの提案で、急遽「福島宣言」と名を変え、満場の拍手で承認したはずです。13万人余りの原発避難者の方々は、どう思うでしょうか。
 このまま黙ってやり過ごすことができなかったので、書き記しました。乱文をお許しください。

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